- 犬の食事
愛犬のドッグフード選びで、ドライフードかウェットフードかを悩む飼い主さんは少なくありません。
ウェットフードが好きな犬は多く、健康面でのメリットもあるため、愛犬に美味しくごはんを食べてもらいたい飼い主さんにおすすめです。
今回は、ウェットフードのメリットを知りたい飼い主さんや愛犬にウェットフードを与えようか悩んでいる飼い主さんのために、犬にウェットフードを与えるメリットとデメリットをご紹介します。
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Index
ウェットフードは水分量が70~80%程度のごはん

様々なドッグフードが販売されていますが、ウェットフードは水分量が70~80%程度の缶詰やレトルトパウチ、アルミトレーなどに入ったドッグフードを指します。
【ドッグフードの水分量の違い】
・ドライフード…水分量10%以下
・セミモイスト、半生、ソフトドライフード…水分量25~35%程度
・ウェットフード…水分量70~80%程度
ウェットフードの特徴として、水分が多いため柔らかく、匂いや食感がいいため犬の嗜好性が高まりやすいといったことがあります。
他にも、ウェットフードは製造工程も他のドッグフード類と異なり、缶詰やレトルトパウチといった容器に原材料をすべて入れから加熱調理されるため、多くののウェットフードは酸化防止剤や保存料といった保存するための添加物が使用されていません。
ウェットフードを選ぶ時の注意点
ウェットフードはドライフード同様に、総合栄養食、一般食、療法食があるため、どんな目的で愛犬に与えるかに合わせて選ぶ必要があります。
ウェットフードを愛犬に与える5つのメリット

ウェットフードを愛犬に与えるメリットは、嗜好性の高さや水分補給、食べやすさなど多くあります。
嗜好性が高い
ウェットフードはドライフードのように乾燥させているわけではないため、素材の味や匂いが強く感じられます。
ドッグフードの好みは犬によって異なりますが、ウェットフードは好き嫌いが多い犬でも食べてくれるケースが多いというメリットがあります。
年齢、犬種、体調に関係なく、病気中や病気明けで食欲の落ちている犬でも食べてくれる可能性が高いため、どうしても食べてほしいときにも重宝するでしょう。
また、ウェットフードの嗜好性が高いことを利用して、ドライフードのトッピングに使用してもいいでしょう。
柔らかいので食べやすい
ウェットフードは柔らかくて食べやすいこともメリットでしょう。
永久歯の生え揃っていない子犬はもちろん、抜歯手術によって歯がない、歯が悪くなってドライフードが上手に食べられない成犬でも食べられます。
また、喉に詰まらせる心配もドライフードに比べて低いため、噛む力や飲み込む力が衰えた老犬でも安心して与えられます。
水分補給になる
ウェットフードは70~80%が水分のため、夏場の熱中症対策はもちろん、普段からあまり水を飲まない犬の水分補給に役立ちます。
犬の体は60~70%が水(体液)で占めており、体内の水分は生命活動には欠かせないものです。
人間でも体内の水分が2%減少しただけで運動能力が低下し(※)10%以上の減少で死に至るというほどで、犬でも10%以上の水分が減少すると脱水症状はもちろんショック死が起こることもあります。
犬の水分不足は心臓の負担や腎臓、肝臓など内臓にも悪影響を及ぼすため、犬の嗜好性が高くて食べやすいウェットフードで水分補給ができるのは大きなメリットと言えるでしょう。
(※)参考:National Library of Medicine「人間の運動能力の低下を引き起こす水不足の臨界レベル」
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/12355192/
消化の負担が軽減される
ウェットフードは柔らかいため、ドライフードに比べて消化が良いのもメリットです。
犬がドライフードを食べた場合、犬の体内では消化のためにいつもより多くの胃液が分泌されます。
胃液が多く分泌されるということは、それだけ胃腸が働いているということですが、もともと柔らかく消化しやすいウェットフードであれば、胃腸の負担も軽減されます。
また、空腹時に胃液や胆汁を吐いてしまう犬も少なくありませんが、これはドライフードを食べたことによって多くの胃液が分泌されてしまうことによるものなので、空腹時に吐いてしまう犬ではウェットフードやふやかしたドライフードを与えてあげましょう。
カロリー密度が低い
ウェットフードの100g当たりのカロリーを見ると、ドライフードやセミモイストフードといった通常のドッグフードよりもカロリーが低く表記されていることが分かります。
ドッグフードのカロリー表記の例
・ドライフードA… 363kcal/ 100g
・ウェットフードB…134kcal / 100g
これは、ウェットフードの70~80%程度が水分であることから、カロリー密度が低いためです。
そのため、食べることが大好きな犬ではたくさんの量が食べられる、ダイエットが必要な犬では少量でも満腹感を得られるといったメリットがあります。
カロリー密度が低いからといって栄養成分が少ないかと言うとそうではなく、乾物基準値を出してみるとわかりますが、ウェットフードであっても十分に栄養が含まれているので安心してください。
乾物基準値とは
水分を0としたときの栄養成分値
乾物基準値を出す方法
ドッグフードに記載されている成分値の%(粗タンパク質、粗脂質、粗灰分、粗繊維など)÷(100-水分%)×100=乾物基準値
乾物量計算の方法を知っておくと、カロリーだけではなく愛犬に必要なタンパク質や脂質の調整にも役立ちます。(※)
(※)参考:ペット栄養学会誌「AAFCO2016年版における犬猫の栄養素プロファイル概要(前編)」
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jpan/19/2/19_105/_pdf/-char/ja
ウェットフードを愛犬に与えるデメリット

ウェットフードにはたくさんのメリットがありますが、どんなものにもメリットとデメリットがあるように、ウェットフードにもデメリットはあります。
ここでは、ウェットフードを愛犬に与えるデメリットをご紹介します。
給与量がドライフードよりも多い
愛犬にウェットフードを与えるデメリットの1つ目は、給与量がドライフードよりも多く必要ということです。
ウェットフードのカロリー密度が低いことはメリットでもありますが、愛犬に主食として与えるのであればドライフードよりもたくさんの量を与えなければいけません。
ドライフードに比べて価格が高い
愛犬にウェットフードを与えるデメリットの2つ目は、ドライフードに比べて価格が高いということです。
給与量がドライフードよりも多いのですからそれだけウェットフードの量が必要となるのはもちろんですが、ウェットフードは主原料に肉や魚といったものをふんだんに使用しているのが一般的なため、どうしても価格が高くなってしまいます。
また、ウェットフードは新鮮さを保つために個包装されていることがほとんどですが、包装コストを考えるとメリットでもありデメリットとも言えるでしょう。
ウェットフードはどんな犬におすすめ?

ウェットフードは年齢も犬種も体調も関係なく食べてもらえるため、どんな犬にもおすすめですが、特におすすめの犬をご紹介します。
- あまり水を飲まない犬
ウェットフードに含まれる水分量は70~80%です。
ごはんと一緒に水分が摂れるため、あまり水を飲まない犬ではウェットフードがおすすめです。
- ごはんに選り好みがある犬
ウェットフードは嗜好性が高いため、ごはんの選り好みをしてしまう犬や食べムラのある犬にも喜んで食べてもらえます。
- 病気によって脱水症状が出やすい犬
腎臓病や糖尿病、副腎皮質機能低下症(アジソン病)といった病気で脱水症状が出やすい犬では、症状が出てからでは脱水の治療も必要となるため、普段から意識して水分を摂らせてあげる必要があります。嗜好性の高いウェットフードを活用しましょう。
- 腎臓病や尿石症などの経験がある犬
一度腎臓病や尿石症(尿路結石)を経験した犬では、水分不足によって再発するリスクが高くなります。ウェットフードは確実に水分が摂れるため、再発リスクを下げるためにも活用してください。
- 代謝機能が低下した老犬
小型犬・中型犬は7歳、大型犬は5歳からシニア期に入ります。見た目は若々しくても、体内では徐々に老化が始まり、代謝機能が低下します。
消化吸収の負担を軽減してあげるためにもウェットフードを取り入れてあげましょう。
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愛犬の食事にウェットフードを活用しよう

今回は、犬にウェットフードを与えるメリットやデメリットについてご紹介しました。
愛犬がドッグフードを食べないと悩む飼い主さんは多く、食べてもらうためにあの手この手と様々な工夫をしていることでしょう。
ウェットフードはデメリットもありますが、デメリットを上回る様々なメリットがあり、上手に活用することで愛犬の健康維持にもつながります。
犬の食事にはドライフードだけでなく、ウェットフードも取り入れて、愛犬に美味しくごはんを食べてもらいましょう。
なお、うちのトイプーでは犬の食事管理に関する情報を幅広くご紹介しておりますので、興味がある方は【犬の食事カテゴリー】をご覧ください。


うちのトイプー記事作成担当。ペットフーディスト、動物介護士、ペット看護士、ペットセラピスト、トリマー・ペットスタイリスト、JKC愛犬飼育管理士の資格を保有。虹組愛犬の介護をきっかけに犬の健康や介護の在り方について考えるようになり、わんこのスペシャリストを目指して日々勉強中。17歳のMダックスと16歳のチワックスと暮らす。

うちのトイプー開発責任者。犬の管理栄養士、愛玩動物救命士、ペット看護士資格、ペット介護士資格、ペットセラピスト資格、ドッグトレーニングアドバイザー、ドッグヘルスアドバイザー、その他上級食育士、アレルギー対応食アドバイザーなど、数多くの資格を保有。過去にドッグトレーナーとして働き、現在は愛犬ゴールデンレトリバー、ドーベルマン(元保護犬)、ボルゾイ、ボーダーコリー、愛猫3匹と暮らす。愛犬バーニーズマウンテンドッグの腫瘍発覚後から、長年の間犬の生物学を学ぶ。