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愛犬との散歩中、逆方向から向かって来る他の犬や人に対して愛犬が吠えてしまい、頭を悩ませている飼い主さんはとても多いのではないでしょうか。
お利口に散歩をしている犬を見かけると、偉いなぁ、なんて感心してしまうこともあるでしょう。
犬が散歩中に吠えるのは理由があり、場合によっては飼い主さんが吠える原因を作っていることもあります。
今回は、愛犬が散歩に出ると吠えて困っているという飼い主さんのために、犬が散歩中に吠える理由や対策方法をご紹介します。

犬が散歩中に吠えることはごく当然のこと

そもそも、人間にとって犬が必要以上に吠えることは無駄吠えでも、犬にとっては吠えることは自分の気持ちを伝える手段の1つであり、いたって当たり前の行動です。
犬が散歩中に吠える理由は様々ですが、何か訴えたいことがあって吠えているということを、理解してあげましょう。
しかし、犬が散歩中に吠えることで誰かの迷惑になることもあり、そのままにしておくことは飼い主さん自身が気まずい思いをするだけでなく、犬にとっても吠えることはストレスになることもあります。
必要以上に吠えることをやめさせるためには、散歩中に吠える犬の気持ちを考え、原因に合わせた対策やしつけを行ってあげることが大切です。
なお、散歩のしつけ全般ついて知りたい方は、【犬の散歩のしつけ方法やしつけ時の注意点など】もご確認ください。
犬が散歩中に吠える4つの理由

多くの犬にとって、散歩は楽しみの1つですが、なぜ吠えるのでしょうか。ここでは、犬が散歩中に吠える理由を詳しくご紹介します。
遊びたいという要求
自分以外の犬や人が大好きな犬のケースでは、散歩中に他の犬や人と遊びたい気持ちが抑えきれずに吠えることがあります。
このような社交的な犬が吠えるのは、犬や人に対して遊ぼう!と呼びかけていたり、他の犬や人の近くに行きたいという要求を飼い主さんに示しているのが理由です。
この場合、嬉しくて興奮している状態であることが多く、吠えるのをやめさせようと思ってもなかなか制御できないこともあります。
しかし、伏せやお座りなどの「静止の体勢」の基本しつけを行うことができれば、犬が冷静になり吠えるのをやめるケースが多いのが特徴です。
<散歩中に犬が嬉しくて興奮している時に見せるしぐさの一例>
- 耳をピンと立てる
- しっぽを振る(あまりに素早く振る場合は、ストレスを感じていることがあるので要注意)
- 口角が上る
- リードを引っ張ってグイグイ行こうとする
- 吠える
犬が散歩中に吠えるのは遊びたい、といった理由だけではありません。
しかし、犬の性格を配慮して、しぐさをよく観察することで、何を訴えたくて愛犬が吠えているのかが分かります。
怖いという恐怖心
犬が散歩中に突然吠える、他の犬や人に向かって吠えるというのは、もしかしたら怖がっているのかもしれません。
犬が怖がる原因の多くは子犬の頃の社会化不足で、他の犬や人、環境に慣れていないことで恐怖心を持ってしまっていることが理由の大半を占め、自分の身を守るための手段の1つとして吠えます。
なかには、散歩中に怖い経験をした過去がトラウマとなって吠える犬もいます。
<散歩中に犬が怖がっている時に見せるしぐさの一例>
- 耳が後ろに傾く
- しっぽが下がる
- 口が真一文字
- 足の間にしっぽを巻き込む
- 固まる
- 背中の毛が逆立つ
- その場に伏せる
- 吠える
これらのしぐさが犬に見られた時は、何を怖がって吠えるという行動をとっているのか、その原因を考えてあげることも大切です。
縄張り意識から吠える
犬が散歩中に他の犬や人を見かけて吠える時は、遊びたいや怖いといった理由ではなく、自分の縄張りであることを主張していることもあります。
大抵の犬の場合は、自分の住処である「家」に対して縄張り意識を示します。
しかし、毎日のお散歩ルートが決まっていたり、毎日遊ぶドッグランが決まっている犬のケースでは、外出先に対しても縄張り意識を示すことがあります。
これは、他の犬や人を自分の縄張りに現れた侵入者とみなして吠えるためですが、飼い主さんを守るためや自分の縄張りを守るために、警戒心から吠えています。
<散歩中に犬が警戒している時に見せるしぐさの一例>
- 耳をピンと立てる
- 目を見開きじっと見つめる
- 口をギュッと閉じる
- しっぽが垂直に立ったまま
- 少しだけ前傾姿勢になる
- 吠える、唸る
散歩中にこれらのしぐさが犬に見られる時は、相手に飛び掛かってケンカや事故に発展しないように注意しなければいけません。
嬉しさが理由で吠える
散歩に出た瞬間に犬が吠える、散歩中に何か犬の興味をひくものがあったときに吠えるといった時は、嬉しい気持ちを抑えきれないのかもしれません。
もともと犬にとって散歩は嬉しいものですが、大好きな飼い主さんと一緒に外に出れるということでますますテンションが上がってしまうものです。
散歩中に何か見つければ「あれ見つけたよ!」と教えてくれていたり、嬉しい気持ちや楽しい気持ちを伝えるために吠えています。
この場合、嬉しくて興奮して吠える時と同様のしぐさが見られます。

原因別!犬が散歩中に吠える時の対策10選

犬が散歩中に吠えるのには何かしらの理由があるものの、急に吠える、激しく吠えるなどの行為は、他犬や他人をびっくりさせてしまい、時に迷惑をかけてしまうことになります。
犬が好きな人であれば大目にみてくれることもありますが、犬が苦手な人にとっては迷惑となったり、愛犬が吠えることで恐怖心を与えてしまうこともあります。
トラブルを防ぐためにも、犬が散歩中に吠える時は、原因に合わせて適切に対処してください。
散歩中に犬が遊びたくて吠える時の対策4つ
散歩中に犬が遊びたくて吠える時の対策は様々ありますが、一般的な対策方法をご紹介します。
対策1 おやつやおもちゃで気をそらす
散歩中に他の犬や人の姿が見えたとき、吠える気配を感じたら名前を呼んでおやつやお気に入りのおもちゃを見せて、飼い主さんに注目させてください。
犬が吠えずに飼い主さんを見たらおやつやおもちゃを与え、たくさん褒めて犬の気をそらしましょう。
「飼い主さんに注目する=良いことが起こる」ということを教えてあげます。
この時、すれ違う犬や人の姿が見えなくなるまで、おやつやおもちゃを与えてはいけません。
すぐに与えてしまうと犬の意識が他の犬や人に向いてしまうため、口元で持ったままや舐めさせるだけにしておくことがポイントです。
その他、お座りや待てなどの犬が静止状態になるコマンドは、犬を落ち着かせて吠えるのを一時的にやめさせるのに役立ちます。
対策2 逆方向に進む
散歩中に他の犬や人に飼い主さんが気づいたら、方向転換をして逆方向や違う道に進むのも、吠えるのを予防する対策の1つです。
体力がある元気な犬であれば、逆方向に向かって飼い主さんが突然走り出してもいいでしょう。
声をかけて突然走り出すことで、犬にとっては楽しい遊びにもなります。
対策3 抱っこして立ち去る
他の犬や人にすでに吠えて「遊ぼう」と誘っているときは、吠えると遊ばせてもらえないことを理解させるために、抱っこをしてその場を離れましょう。
抱っこ出来ない中型犬や大型犬の場合は、方向転換をして逆方向に移動します。
対策4 リードを引っ張らないしつけをする
犬が遊びたい気持ちから吠えるときは、リードをグイグイと引っ張って他の犬や人に近づこうとするでしょう。
この時、犬に少しでも引っ張る気配を感じたら方向転換をして、犬の行動が思い通りにいかないことをしつけで教えてあげる必要があります。
また、引っ張り癖が多い犬については【犬の散歩のしつけ方法やしつけ時の注意点など】もご確認ください。
散歩中に犬が怖くて吠える時の対策3つ
散歩中に犬が怖くて吠える時の対策は、犬の怖がり方によっても対処の方法は考えてあげなければいけませんが、一般的な対策をご紹介します。
対策1 抱っこしてあげる
例えば狭い道で圧迫感がある、たくさん人がいる、交通量が多いといった場所では、犬の恐怖心がますます強くなってしまいます。
抱っこをしてその場を通りすぎるほか、抱っこしながらおやつを与えて怖くないことを教えてあげましょう。
また、大きな体の犬では抱っこすることが難しいため、散歩コースの見直しをしてください。
対策2 とにかく慣らす
犬が散歩中に他の犬や人に吠える、迷惑になったらどうしよう、と飼い主さん自身が緊張して散歩していると、犬は飼い主さんの気持ちを感じとって、さらに緊張してしまいます。
恐怖心がある上に緊張が加われば、些細なことでも吠えるきっかけになってしまうことも否めません。
他の犬や人に遭遇しない時間帯や場所を選んで散歩していれば、尚更慣れずにいつまで経っても吠え続けてしまいます。
慣れさせるためにも、あえてたくさん犬や人がいる時間帯や場所に行って、飼い主さん自身がリラックスした状態で散歩するなど、工夫してみましょう。
ポイントは、吠えても慌てないことと叱らないことです。
このようなケースでは、飼い主さんが過剰に反応せずに堂々としていることで、犬の恐怖心も徐々に薄くなっていきます。
対策3 落ち着かせるためのしつけをする
散歩中に他の犬や人を怖がって吠える場合は、吠える前に「お座り」や「伏せ」といったコマンドを出して落ち着かせてあげましょう。
落ち着かせるためのしつけは、怖がるときだけでなく、散歩中の様々なシーンで役立ちます。
吠えることを叱っても、犬はますます吠えるだけなので、叱るのではなく日頃から落ち着かせるためのしつけをしてコマンドの指示が聞けるようにしておくことをおすすめします。
散歩中に犬が縄張り意識から吠える時の対策2つ
縄張り意識が強い犬は、去勢をしていないオス犬や神経質な犬が多いとされています。しかし、大なり小なりどんな犬にも縄張り意識はあり、犬の性格に合わせた対策を行うことが大切です。
対策1 散歩のコースを変更する
いつも同じ散歩コースを散歩することで、自分の縄張りだと思ってしまう犬もいます。
縄張り意識を持たせないためにも、1週間に1、2回は散歩コースを変更しましょう。
この時、いきなり散歩コースをガラッと変えてしまうのは犬のストレスになるため、少しずつ変えると良いでしょう。
また、初めて行く場所での散歩は、散歩時間を短くしてゆっくりと慣らすことも大切です。
<散歩コースを変更するコツ>
- いつもと逆に回ってみる
- いつもは通らない道を通る
- いつも曲がる道を真っすぐ進む
散歩コースの内容は、犬の性格を考えて決めてあげてください。
対策2 おやつで気をそらす
犬が縄張り意識によって吠えるのは、警戒や不安、恐怖心といった様々な気持ちがあります。
散歩中に他の犬や人に気づいたら、その場で「お座り」や「伏せ」をさせて落ち着かせることも有効ですが、警戒心はそう簡単に落ち着くものではありません。
そのため、警戒心を忘れてしまうくらいの大好きなおやつを犬の口元に差し出して、通りすぎるまで舐めさせておくようにしましょう。
散歩が嬉しくて犬が吠える時の対策
散歩に行けること自体が嬉しくて散歩中も吠える犬では、家を出る前にクールダウンさせてあげましょう。
興奮したまま散歩に出ることで吠えてしまいますので、犬の興奮が落ち着いてから散歩に行くようにしてください。
犬が散歩中に吠えるのは理由がある!原因に合わせて対策しよう

今回は、犬が散歩中に吠える理由や対策方法をご紹介しました。
犬が吠えるのは当たり前のことですが、必要以上に吠えるのは迷惑になるだけでなく、散歩中であればトラブルに発展することもあるので注意しなければいけません。
犬が吠えることをしつけでやめさせることはできませんが、吠えないようにコントロールすることは可能です。
散歩中に犬が吠えるのはなぜか理由を見極め、原因に合わせて対策してあげましょう。
その他の犬のしつけやトレーニングについては、【犬のしつけカテゴリー】をご確認ください。


うちのトイプー記事作成担当。ペットフーディスト、動物介護士、ペット看護士、ペットセラピスト、トリマー・ペットスタイリスト、JKC愛犬飼育管理士の資格を保有。虹組愛犬の介護をきっかけに犬の健康や介護の在り方について考えるようになり、わんこのスペシャリストを目指して日々勉強中。17歳のMダックスと16歳のチワックスと暮らす。

うちのトイプー開発責任者。犬の管理栄養士、愛玩動物救命士、ペット看護士資格、ペット介護士資格、ペットセラピスト資格、ドッグトレーニングアドバイザー、ドッグヘルスアドバイザー、その他上級食育士、アレルギー対応食アドバイザーなど、数多くの資格を保有。過去にドッグトレーナーとして働き、現在は愛犬ゴールデンレトリバー、ドーベルマン(元保護犬)、ボルゾイ、ボーダーコリー、愛猫3匹と暮らす。愛犬バーニーズマウンテンドッグの腫瘍発覚後から、長年の間犬の生物学を学ぶ。