- 犬の食事
愛犬に鹿肉を与えたいと考えている飼い主さんは、多いのではないでしょうか。最近では、鹿肉の犬用おやつも増えてきているので、鹿肉の栄養素や愛犬に鹿肉を与えるメリットも気になりますよね。
今回は、愛犬に鹿肉を与えたいと考えている飼い主さんや、鹿肉を使った犬用レシピを知りたい飼い主さんのために、犬に鹿肉が良い理由や栄養素、鹿肉を使った犬用レシピをご紹介します。
なお、愛犬のご飯の食材に悩んでいる方は【犬の手作りごはんのおすすめ食材8選!】も合わせてご確認ください。

犬に鹿肉が良い理由

鹿肉は、愛犬に与えるメリットが数多く存在する食材の1つです。メリットを知り、愛犬に合った食材であれば、適切に与えて愛犬の健康に役立ててください。
鹿肉が良い理由その1:低カロリー
鹿肉は、低カロリーな食材であるため、肥満気味の愛犬の体重管理にも役立ちます。また、カロリーが低いだけでなく、たんぱく質も豊富なのが特徴です。
ぶた肉やとり肉と比較しても、鹿肉の方がたんぱく質が多く含まれています。つまり鹿肉は、犬の体重管理に適した食材であると言えるでしょう。
また、鹿肉に含まれるたんぱく質はアミノ酸スコアが高いのもメリットです。
⇒アミノ酸スコア:食材含まれているたんぱく質の量&必須アミノ酸のバランスを数字で表した指標
なお、アミノ酸スコアが優秀な食材である食材については【犬にささみを与えるメリット&おすすめレシピ】をご確認ください。
鹿肉が良い理由その2:被毛が健康に最適
鹿肉には、新陳代謝を高めたり、脂肪燃焼を促進する栄養素(リボフラビン)が含まれています。そのため、被毛が綺麗になったり、皮膚の健康を保つ効果が期待できます。
また、リボフラビンが不足してしまうと、光線過敏症(紫外線により皮膚炎などを引き起こす病気)を引き起こしたり、被毛・皮膚が乾燥するなど、多くの健康トラブルが起こる可能性があります。
なお、愛犬の皮膚に関係する免疫力について知りたい方は【愛犬に免疫力を高める生活を!トイプードルの皮膚と免疫力の関係】をご確認ください。
鹿肉が良い理由その3:アレルギーの低リスク
鹿肉は、基本的に野生の鹿を捕獲し、加工されたものが売り出されています。
野生の鹿を加工した鹿肉であれば、自然に生えている草などを食べて生きていた為、人工的なものを口にする機会はほとんどありません。
そのため、鹿肉にアレルギーの原因となる物質が蓄えられる事が少なく、愛犬が食べても比較的安心な食材であると言えます。
※どんな食材でもアレルゲンになる可能性はあるため、絶対にアレルギーを発症するわけではありません。
愛犬に初めて鹿肉を与える際は、少量ずつ与えてアレルギー症状が出ないかを確認しましょう。もしも、アレルギー症状が出てしまった場合は、獣医師に相談してください。
犬におすすめ!鹿肉の栄養素

鹿肉は、たんぱく質を豊富に含んでいるだけではなく、ビタミンB群や鉄などのさまざまな栄養素が含まれた食材です。
ビタミンB群
鹿肉には、さまざまなビタミンBが含まれており、摂取する事で愛犬の健康に多くのメリットがあります。
ビタミンB1
ビタミンB1(チアミン)は、愛犬の粘膜・皮膚の健康維持に効果が期待できる栄養素です。ビタミンB1が足りないと、筋力が低下したり、疲労感を感じやすくなる恐れがあります。
ビタミンB2
ビタミンB2(リボフラビン)は、愛犬の被毛・皮膚の健康を保つために必要です。
また、犬が元気に過ごすために必要なエネルギーを、たんぱく質や脂質、糖質から変換する作用もあります。
ビタミンB2が足りないと、被毛・皮膚の乾燥につながり、紫外線に過剰に反応する病気(光線過敏症)を発症することがあります。
ビタミンB6
ビタミンB6(ピチドキシン)は、粘膜・皮膚の健康をサポートする栄養素です。ビタミンB6が足りないと、神経・皮膚・血液にトラブルを引き起こすことがあります。
ミネラル
鹿肉には、愛犬の健康に欠かすことのできないミネラルが多く含まれています。
鉄分
鉄分には、貧血予防に最適なミネラルです。犬が鉄分不足になるのはめずらしい事ですが、鉄分を取らない生活が続くと貧血を引き起こします。
食が細かったり、生理中であると足りなくなるケースが多く見られます。
リン
リンは、カルシウムやマグネシウムと共に働き、骨や歯を作るのに欠かせないミネラルです。他にも、エネルギーを蓄える働きや、神経や筋肉が正常に働くのを助ける働きがあります。
亜鉛
亜鉛は健康な皮膚や被毛の維持に必要で、犬の肝疾患をサポートする役割も持っているミネラルです。
犬に鹿肉を食べさせることで、鉄欠乏性貧血や肝疾患の予防が期待できます。
その他の栄養素
鹿肉には、ビタミンB群やミネラル以外にも愛犬に与えるメリットのある栄養素が含まれています。
オメガ3系脂肪酸
オメガ3系脂肪酸であるドコサヘキサエン酸(DHA)は、記憶力の向上や集中力を保つ効果が期待できる栄養素です。
脳の活性化が期待でき、オメガ3脂肪酸(特にEPAやDHA)は皮膚の健康や炎症緩和に有効なため、皮膚の弱い犬や高齢犬、四肢に痛みがある犬に与えると良いでしょう。
カルニチン
カルニチンは、脂肪を燃焼する効果を高める働きがあります。そのため、肥満傾向にある犬などの減量に役立つ栄養素です。
ただし、どんなに優秀な食材でも与えすぎは肥満の原因になります。

犬の簡単鹿肉レシピ

愛犬のために簡単に作れる鹿肉を使った犬用レシピをご紹介します。鹿肉を使ったレシピや作り方はたくさんあるので、愛犬の状態に合わせたレシピや作り方も考えてみてください。
愛犬のご褒美に!鹿肉ハンバーグ
【用意する食材】
- 鹿肉 100g
- オリーブオイル 少量
- お好みの野菜 適量
野菜は、愛犬にアレルギー症状が出ないものを使用してください。また、ハンバーグに入れることが難しい食材は、付け合わせとして与えてあげましょう。
なお、どのような野菜を使用して良いか分からない方は【犬が食べて良いもの・悪いもの】をご確認ください。
【調理方法】
①鹿肉をミキサーなどを使用してミンチ状にする。
※ミキサーなどがない場合は、包丁で細かくなるまで切ってください。
②お好みの野菜をできるだけ細かくカットして、火を通す。
※大きくカットすると消化しにくい食材もあるため、必ず細かくしてください。
③ミンチ状の鹿肉と、細かく切った食材を混ぜ合わせる。
④食材を混ぜ合わせたものを、ハンバーグの形に整える。
⑤フライパンに少量のオリーブオイルを入れたら、ハンバーグの中までしっかり火が通るまで加熱する。
⑥ハンバーグに火が通ったら、お皿に移して粗熱が取れるまで冷ます。
※出来立ての状態で与えてしまうと、愛犬がやけどする恐れがあるため、しっかり手のひら温度まで冷ましてください。
⑦ハンバーグが冷めたら、犬用鹿肉ハンバーグの完成!
ハンバーグに混ぜ合わせる野菜を変えることで、色々なアレンジができて、愛犬に足りない栄養素を補うことが可能なハンバーグです!
また、愛犬に鹿肉を与える上で注意すべき事もあるため、合わせてご紹介します。
愛犬に鹿肉を与える際の注意点
- 与えすぎない!
- 生の鹿肉は注意!
- 腎臓の病気に注意!
上記の3つに注意してオリジナルの鹿肉レシピを考えたり、愛犬が好む作り方を試してみましょう。
Point1:与えすぎない!
愛犬の健康のためには、たくさん鹿肉を与えていれば良いというわけはありません。与えすぎてしまうと、栄養バランスが崩れるだけでなく、いつも食べているごはんを食べなくなる事もあります。
犬は鹿肉を好むため、いつものごはんに対して物足りなさを感じてしまうからです。そのため、いつものご飯へのトッピングや、おやつなどとして与えると良いでしょう。
Point2:生の鹿肉は注意!
生肉に含まれる「酵素」は、毛の艶を良くする作用が期待できます。さらに、生肉は食いつくが良いので食が細い犬であっても食べてくれる事があります。
しかし、生肉には食中毒などの病気を引き起こす恐れがあるため、安全に愛犬に鹿肉を与えたい場合は、人が生で食べることができるレベルの新鮮な肉を与えましょう。
Point3:腎臓の病気に注意!
鹿肉には「リン」が多く含まれています。「リン」を長い期間継続して摂取しすぎてしまうと、尿結石などの健康トラブルを引き起こす恐れがあります。
また、腎臓に何かしらの疾患(腎臓病・腎不全)がある犬も、リンを過剰に摂取することで病気が悪化する危険性があります。
愛犬に腎臓疾患がある場合は、必ず与えて良い量について獣医師に確認してください。
注意事項を守って愛犬に鹿肉を!

今回は、犬に鹿肉が良い理由や栄養素、鹿肉レシピをご紹介しました。鹿肉は、愛犬の健康をサポートする栄養素が豊富に含まれている、優秀な食材の1つです。
また、与える際の注意点がいくつかあるので、それらに注意して鹿肉を使ったごはんやおやつを愛犬に与えましょう。
その他、うちのトイプーでは犬の食事について幅広くご紹介しておりますので、興味がある方は【犬の食事カテゴリー】もご確認ください。


うちのトイプー記事作成担当。犬の管理栄養士、犬の管理栄養士アドバンス、ドックトレーニングアドバイザー、ドックヘルスアドバイザー、愛玩動物救命士、愛玩動物介護士、ペットロスケアマネージャー、犬猫行動アナリストなどのペット関連資格を保有。愛犬との出会いをきっかけに「人と犬の生活をより良くするための力になりたい」という思いが強まり、犬の栄養学記事を主に執筆する。メスのチワワ×ミニチュアダックスフントのミックス犬2頭と共に暮らす。
Petime.Plus公式HP:https://petime-plus.com/

うちのトイプー開発責任者。犬の管理栄養士、愛玩動物救命士、ペット看護士資格、ペット介護士資格、ペットセラピスト資格、ドッグトレーニングアドバイザー、ドッグヘルスアドバイザー、その他上級食育士、アレルギー対応食アドバイザーなど、数多くの資格を保有。過去にドッグトレーナーとして働き、現在は愛犬ゴールデンレトリバー、ドーベルマン(元保護犬)、ボルゾイ、ボーダーコリー、愛猫3匹と暮らす。愛犬バーニーズマウンテンドッグの腫瘍発覚後から、長年の間犬の生物学を学ぶ。