- 犬の食事
茎や根の白い部分だけでなく、葉っぱの部分も食べることができるカブは栄養価が高く、犬が食べても大丈夫な野菜です。
自然な甘みがあって美味しいカブは、愛犬の手作りご飯の食材やフードのトッピングにもおすすめです。
今回は、愛犬にカブを与えてみたいと思っている飼い主さんや、手作りご飯の食材に悩む飼い主さんのために、カブの栄養素や愛犬に与えることで期待できる効果、おすすめレシピなどをご紹介します。
なお、愛犬のご飯の食材に悩んでいる方は【犬の手作りごはんのおすすめ食材8選!】も合わせてご確認ください。

犬にカブを与えるメリットと主な栄養素

犬が食べても大丈夫なカブは、健康に役立つ万能野菜です。抗酸化作用のある成分を多く含むため、カブを上手に活用すれば犬の健康維持にも役立ってくれるでしょう。
ここでは、犬にカブを与えるメリットと主な栄養素をご紹介します。
なお、カブ以外の犬が食べても大丈夫な野菜を知りたい方は【犬が食べても良い野菜は?野菜の栄養素など】も合わせてご確認ください。
アミノラーゼで消化を助ける
<期待できる効果>
- デンプンの消化を助ける
- 食欲不振の改善
- 消化不良の改善
- 整腸効果
カブに含まれる消化酵素「アミラーゼ」は、炭水化物であるデンプンやグリコーゲンを分解して、犬が食べた物の消化を助けてくれる働きがあります。
胃酸を程よくコントロールしてくれるため、胸やけや胃もたれを予防してくれるだけでなく、食欲不振や消化不良の犬に少量を食べさせることで症状の改善が期待できます。
イソチオシアネートで胃腸を健康に
<期待できる効果>
- 抗酸化作用
- 免疫力を高める
- ガンの予防
- 肝機能の向上
- 動脈硬化の予防
- 抗菌作用
- 胃液の分泌を促す
カブに含まれる辛み成分「イソチオシアネート」は、抗酸化作用があるだけでなく、肝機能の向上や血液サラサラ効果など、犬に嬉しい健康効果がたくさんあります。
ただし、イソチオシアネートは熱に弱いため、犬に与えるときは生のカブをすりおろすか、細かく刻んであげましょう。
βカロテンの抗酸化作用で免疫力アップ
<期待できる効果>
- 抗酸化作用
- 免疫力を高める
- ガンの予防
- 細胞の老化の予防
- ビタミンAに変換される
- 皮膚や粘膜を強くする
- 視力の維持
カブの葉に含まれる豊富なβカロテンは、強い抗酸化作用が期待でき、犬の体内の活性酸素を除去してくれたり、生成を抑えてくれる働きがあります。
他にも、βカロテンは粘膜を丈夫にして免疫力を高めてくれるといった、様々な健康効果が期待できます。
βカロテンは、犬の腸内細菌によってビタミンAに変換されるため、ビタミンAを補う役割も果たしてくれますよ!
ビタミンCで丈夫で健康な体を作る
<期待できる効果>
- 抗酸化作用
- 免疫力を高める
- 白血球の働きを高める
- 細菌やウイルスから守る
- コラーゲンの生成促進
- タンパク質の活性化
- 体の機能を正常に保つ
カブに含まれるビタミンCは、抗酸化作用をはじめ、様々な健康効果が期待でき、犬の丈夫で健康な体を作るためにも重要な働きをしてくれます。
犬は、自分の体内でビタミンCを合成することができますが、犬が1日に必要なビタミンCを作り出すことは難しく、ビタミンCは体外に排出されてしまうため、食事で補ってあげる必要があります。
鉄分や葉酸で貧血予防
<期待できる効果>
- 貧血予防
- 神経組織の発達
- 細胞の生成や再生
- 赤血球の生産を補助
- 核酸やタンパク質の生成を促進
- 血中コレステロール値を低下させる
カブの葉に含まれる葉酸や鉄分は、犬の細胞や赤血球を作り出すために重要な働きをする成分です。
赤血球の中に含まれるへモグロビンが酸素を体中に届けてくれますが、へモグロビンが足りなくなると酸素が行き届かずに貧血や、様々な体調不良を引き起こしてしまいます。
葉酸は、犬が体内で合成することのできないビタミンなので、食事で補ってあげましょう。

カリウムで健康維持
<期待できる効果>
- 体内に必要のない塩分を排出
- 体内の水分量の調整
- 血圧の維持
- 細胞や心機能を正常に保つ
カリウムは、犬にとって必須栄養素のミネラル類です。カブの葉に含まれるカリウムは、犬の体を健康に維持するための様々な効果が期待できます。
細胞を正常に機能させたり、神経伝達やエネルギー代謝をするためには欠かせない成分で、体内で合成することができないため、食事で取り入れてあげなければいけません。
特に、腎臓の数値が悪かったり、腎臓病と診断された犬では低カリウム血症になることも多く、カリウム制限をされていない犬の場合はしっかり補ってあげる必要があります。
食物繊維で腸内環境を整える
<期待できる効果>
- 便秘や下痢の解消
- 腸内の有害物質を体外に排出
- 腸内の善玉菌を増やす
- コレステロールの吸収を防ぐ
- 血糖値の上昇を抑える
カブに含まれる豊富な食物繊維は、犬の腸内環境を整える効果が期待できます。食物繊維は、便秘や下痢を解消してくれるだけでなく、犬の腸内細菌を活性化させて善玉菌を増やしてくれます。
犬の腸は、様々なビタミンの合成を行なったり、健康を維持するための重要な器官です。愛犬の腸内環境を整えてくれるカブは、ぜひ取り入れたい食材です。
犬にカブを与えるときの注意点

カブは犬が食べても大丈夫な野菜ですが、与えるときには注意しなければいけないこともあります。
食物アレルギーに注意
カブに限らず、愛犬が食べたことのないものを初めて与えるときは、食物アレルギーに注意しましょう。
最初は少量のカブを与え、食物アレルギーの症状が現れないか様子を見てください。
【犬の食物アレルギーの主な症状】
- 皮膚の赤みや湿疹
- 体を痒がる
- 目の充血
- 下痢や嘔吐
食物アレルギーの症状は犬によって個体差がありますが、カブを食べて上記の症状が現れたり、いつもと様子が違うと感じたときは獣医師に相談してください。
小さく刻んで与える
カブは犬が食べても大丈夫な野菜ですが、消化に負担がかからないように小さく刻んで与えて下さい。
カブには、生で食べることで期待できる効果もあります。犬にカブを生で与えるときは、小さく刻むか、すりおろして与えましょう。
胃腸の弱い犬に与えるときは皮を剥く
カブの皮は食物繊維が多く含まれており、下痢を引き起こしてしまう可能性があるため、胃腸の弱い犬に与えるときは皮は剝いてから与えましょう。
甲状腺疾患のある犬は獣医師に相談してから
カブに含まれている「ゴイトロゲン」は、甲状腺ホルモンの分泌を妨げる成分です。適量であれば問題はありませんが、甲状腺疾患のある犬では与える前に獣医師に相談してください。
与える量に注意
カブがいくら犬が食べても大丈夫な健康野菜であっても、食べ過ぎは犬の栄養バランスを崩してしまいます。そのため、愛犬にカブを与えるときは、与えすぎないように注意しましょう。
犬に与えるときのカブの適量は、犬の体の大きさや体重によって異なります。
<トッピング・おやつとしてカブを与える量の目安>
- 超小型犬(体重4kg以下)…10g程度
- 小型犬(体重10kg以下)…20~40g程度
- 中型犬(体重25kg以下)…80~100g程度
- 大型犬(体重25kg以上)…120~160g程度
愛犬の大きさや体重に合わせて、与える量を調整してください。

カブのおすすめ愛犬レシピ
犬はカブの葉を食べても大丈夫です。カブは生で食べても大丈夫な食材ですので、カブを加熱したり生で与えたりとバリエーションが多いのも魅力の1つです。
ここでは、愛犬にカブを与えるときのおすすめレシピをご紹介します。
愛犬と一緒に食べる!かぶと鶏の雑炊
【材料】
- 鶏むね肉…250g
- カブ(葉つき)…2株
- 舞茸…1パック
- 炊いたご飯…250g
- ごま油…適量
- 水…500cc
【作り方】
- カブ、舞茸、かぶの葉は1cm程度に刻み、鶏肉は愛犬が食べやすい大きさに切る。
- 鍋に水を入れて沸騰させる。
- ②に①を入れて、中火で煮る。
- かぶに火が通ってきたらご飯を入れて、弱火で15分程度煮る。
- 器に盛ったら人肌程度に冷まし、ごま油を数滴垂らして完成!
飼い主さんが食べる雑炊には、鶏がらスープの素などを後から加え、ごま油をお好きなだけ垂らしてください。一緒に同じご飯を食べれるのは、愛犬も喜んでくれるでしょう。
なお、鶏むね肉がない場合はささみでも代用可能です。ささみについて詳しく知りたい方は【犬にささみを与えるメリット&おすすめレシピ】をご確認ください。
レバーとカブの野菜ご飯
【材料(小型犬の約7食分)】
- レバー…160g
- カブ(葉つき)…1株
- ミックスベジタブル…100g
- 昆布…10g
- 水…適量
【作り方】
- レバーを湯がいて、愛犬が食べやすい大きさに切っておく。
- カブ、カブの葉、昆布を1cm程度に切る。
- 鍋に水と昆布を入れ火にかける。
- 昆布で出汁がとれたら、カブとミックスベジタブルとレバーを入れる。
- アクを取りながら、弱火~中火で5~10分程度柔らかくなるまで煮込む。
- 人肌に冷めたら器に盛って完成!
小分けにして冷凍保存しておけば、1食ずつ使用することができます。フードのトッピングとしてもおすすめです。
なお、今回使用した食材の1つである昆布について詳しく知りたい方は【犬に昆布を与えても大丈夫!栄養素や注意点など】をご確認ください。
愛犬の健康維持にカブを活用しよう!

今回は、犬にカブを与えるメリットや栄養素、おすすめレシピをご紹介しました。
カブは犬が食べても大丈夫な健康食材で、適量であれば犬にとって嬉しい効果がたくさんあります。
カブは様々な与え方ができ、手作りご飯の食材としてだけでなく、普段のフードのトッピングとして小さく刻んで乗せるだけでもOK!
愛犬の健康を維持するために、上手にカブを活用してみましょう。
その他、うちのトイプーでは犬の食事について幅広くご紹介しておりますので、興味がある方は【犬の食事カテゴリー】もご確認ください。


うちのトイプー記事作成担当。ペットフーディスト、動物介護士、ペット看護士、ペットセラピスト、トリマー・ペットスタイリスト、JKC愛犬飼育管理士の資格を保有。虹組愛犬の介護をきっかけに犬の健康や介護の在り方について考えるようになり、わんこのスペシャリストを目指して日々勉強中。17歳のMダックスと16歳のチワックスと暮らす。

うちのトイプー開発責任者。犬の管理栄養士、愛玩動物救命士、ペット看護士資格、ペット介護士資格、ペットセラピスト資格、ドッグトレーニングアドバイザー、ドッグヘルスアドバイザー、その他上級食育士、アレルギー対応食アドバイザーなど、数多くの資格を保有。過去にドッグトレーナーとして働き、現在は愛犬ゴールデンレトリバー、ドーベルマン(元保護犬)、ボルゾイ、ボーダーコリー、愛猫3匹と暮らす。愛犬バーニーズマウンテンドッグの腫瘍発覚後から、長年の間犬の生物学を学ぶ。