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近年、動物福祉や動物愛護の観点から保護犬をお迎えしたいという人は増えています。
しかし、保護犬の場合は子犬期から育てるわけではないので、しつけが大変そう、慣れるまでの期間が長そうといったイメージが強いのではないでしょうか。
実際に保護犬をお迎えしてトライアル期間に飼う難しさに直面し、再び保護団体に戻すという人もいます。
そんなことが起こらないよう、今回は保護犬をお迎えしたいと思っている人やお迎えした人のために、保護犬に大切なしつけ方法や注意点などをご紹介します。

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保護犬のしつけで大切なこと

保護犬はしつけが大変そうといったイメージが強いです。
実際、成犬の保護犬をお迎えした場合、犬によってはしつけに時間がかかることもあります。
しかし、保護犬だからといってしつけが難しいのではなく、保護犬の性格や暮らしてきた環境に合わせてしつけを行うことや、信頼関係を築くことが重要なことを忘れてはいけません。
愛情を持ってしつけを行うことが一番大切
保護犬のしつけで最も大切なことは、愛情を持ってしつけを行うことです。
保護犬は様々な経験からトラウマを抱えていることも多く、子犬のしつけのように一筋縄ではいかないこともあるでしょう。
しかし、様々な経験や事情がある保護犬だからこそ人間をよく観察し、その人が自分に愛情を注いでくれているか、自分のことを捨てる人ではないかを敏感に察知します。
そのため、焦りや苛立ちは絶対に厳禁!
保護犬に限った話ではありませんが、しつけをする上で信頼関係はなくてはならないものです。
真摯に向き合い、愛情を持ってしつけを行うことで絆が深くなり生涯のパートナーになるのです。
トラウマがある犬の場合は扱いに注意してしつけを行う
犬のしつけと言えば、叱ると褒めるをバランス良く使用することが一般的ですが、保護犬の場合はやや難しいのが特徴です。
特に虐待を受けていた犬や愛情を注がれていなかった犬など、何かしらの人に対するトラウマがある犬の場合、叱られることは恐怖でしかなく、場合によっては防衛本能が働いて攻撃的になってしまいます。
保護犬にとってしつけは人間と一緒に生きていく上で大切なものですが、トラウマがある犬のしつけでは叱るのではなく必ず褒めるしつけを徹底しましょう。
もちろん、保護犬に限らずすべての犬のしつけに言えることですが、大きな声で怒鳴ったり、体罰を与える、ご飯を抜くなどの虐待は絶対にNGです。
保護犬のしつけは焦らない
お迎えしたばかりの保護犬は、不安や恐怖から緊張状態であることが多いです。
お迎えしてすぐにしつけを行わなければいけないと焦ってしまいがちですが、その前に、緊張状態を解いて少しでも心を開いてもらうことを心がけましょう。
お迎えしてからしばらくの間はしつけのことは忘れ、この場所が自分の居場所であることを分かってもらうためにも、たくさんの愛情と規則正しい生活を送らせてあげることが重要です。
どんなに焦ったところで、少しでも信頼関係が崩れて仕まえば、いくらしつけを行っても何の意味もありません。
保護犬のしつけは焦らずゆっくり、気長に関係を築くようにしましょう。
しつけが難しいと感じたときは専門家に相談する
保護犬はもともとの性格だけでなく、それまでの習慣やトラウマなど、様々なことが影響して問題行動を起こすことがあります。
しつけが難しいと感じたときは、一人で悩まずにドックトレーナーや訓練士などの専門家に相談しましょう。
間違ったしつけの方法は保護犬にとっても飼い主さんにとってもストレスでしかなく、しつけどころか問題行動を助長してしまうことにもなりかねません。
専門家にお願いするときは、飼い主さんが一緒に勉強できる参加型の一緒にしつけを行ってくれるドッグトレーナーさんの元で、正しいしつけの方法を教わるのがおすすめです。
なお、ドッグトレーナーによっては正しくないしつけ方法をする方も多いので、飼い主さん自身が良いトレーナーであるか判断することが大切です。
<ドッグトレーナー探しで気をつけること>
①保護犬の心の健康に配慮してしつけを行ってくれるトレーナーを探す
②飼い主さんも一緒に参加できるトレーニング方式のしつけ教室を探す
③保護犬というより、飼い主さんが教わることのできるドッグトレーナーを探す

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保護犬に大切な3つのしつけ

保護犬にとって大切なしつけは、主に3つです。
保護犬の場合、すでにしつけができている犬とある程度しつけができている犬、まったくしつけができていない犬の3パターンに分かれるでしょう。
保護犬のしつけがどの程度できているかは保護団体や愛護センターに確認することも大切ですが、保護犬のしつけは気長に根気よく行ってください。
トイレのしつけ
保護犬がどんな環境で生活していたかにもよりますが、ケージの中に閉じ込められていた犬や外で鎖に繋がれっぱなしの犬など、トイレのしつけが必要な犬は多いです。
ある程度の期間保護団体や愛護センターにいた保護犬ではトイレのしつけを行われていることもありますが、新しい家の環境に戸惑いトイレを失敗することもあるでしょう。
安心して排泄ができる場所を作ってあげるのはもちろん、トイレの場所を覚えてもらうトレーニングを根気よく行ってください。
なお、保護犬に関しては最初から「粗相をして当たり前」と思っていた方が、飼い主さん自身も気が楽です。
保護犬の場合は特に注意が必要で、捨てられて新しい環境で右も左もわからない状況の中、不安や恐怖で心がいっぱいになっているケースが多いので、寄り添って接してあげましょう。
トイレのしつけの注意点
・失敗しても絶対に叱らない
・成功したら思いっきり褒める
吠えるときのしつけ
保護犬は不安や恐怖から吠えることがあります。
これは自分の身を守るための行動のため、不安や恐怖を感じているものを取り除いてあげると共に、吠えることをコントロールするしつけを行ってください。
また、散歩中など周りの人に吠えてしまう場合は、飼い主さんのフォローが必要になりますが、黄色いリボンをリードやハーネスなどに付けておくと「近づかないで」というサインになるので付けておいてもいいでしょう。
黄色いリボンは「イエロードッグプロジェクト」に参加の印
「イエロードッグプロジェクト」とは、様々な事情によって飼い主さん以外の人が近づくと吠える、噛む、震えるといった犬に「近づかずにそっと見守って」という意思表示が込められたものです。
まだ日本では認知度が低いものではありますが、犬と飼い主さんに優しい目印として徐々に広がりつつあります。
散歩に行くしつけ
保護犬をお迎えした場合、これまで散歩に行ったことがなかったり、社会化の経験不足で散歩に行くことを怖がる犬も少なくありません。
散歩は運動不足解消やストレス発散、脳の刺激など犬にとってメリットがたくさんあり、保護犬のためにも散歩をさせてあげることは大切なことです。
外を歩くのが難しそうであれば、抱っこやカートなどを利用して外に慣れてもらうことから始めましょう。
外に出ることができたらおやつを与えるなどご褒美があれば、散歩は嬉しいもの、楽しいものだと理解してくれます。
なお、最初の散歩のしつけは、保護犬の心が疲れないよう、短時間から行うようにしましょう。
散歩に行くしつけの注意点
・力ずくで無理やり歩かせると、ますます散歩を嫌がるようになるため注意
・抱っこやカートであっても首輪やハーネス、リードは必ず着用する(脱走防止)
なお、そのほかの詳しいしつけ方法については【犬のしつけカテゴリー】をご確認ください。
保護犬の怖がりを治す方法

保護犬がなかなか懐いてくれない、神経質になって吠えるなど、飼う難しさを感じている人は少なくないでしょう。
お迎えした保護犬にどんな過去があり、どんな生活を送ってきたかはある程度分かっても、生まれてから保護されるまでの期間のすべてが分かるわけではありません。
なかなか心を開いてくれないのは、それまでの経験から人を信じることができなかったり、トラウマを感じて怖いためです。
ここでは、保護犬の怖がりを治す方法をご紹介します。
何が怖いのか分かってあげる
保護犬の怖がりを治す方法で大切なことは、何に対して怖いと感じているのかを分かってあげることです。
<トラウマの引き金になるのはどんな時かを考える>
- どんな状況で怖がる?
- どんな音で怖がる?
- どんなニオイで怖がる?
- どんな人物に怖がる?
- 飼い主さんのどんな仕草に怖がる?
保護犬が怖がるきっかけとなったものを把握し、過去にどんなことがあったかを推測してあげることで、怖がる状況を回避することができます。
怖がる状況が続くと、ストレスが蓄積されていく分トラウマの克服までに時間がかかりますが、怖がる状況を回避すればするほどトラウマの克服も早くなります。
手からおやつを与える
保護犬の怖がりを治す方法でいつでもできることは、手からおやつやご飯を与えることです。
おやつやご飯を与える方法は、一番距離が縮まりやすく心を開いてもらえるのも早いでしょう。
もちろん、警戒してなかなか手から食べてくれない保護犬もいますが、焦らず無理をさせず、毎日繰り返して行うことが大切です。
手からおやつを与える時のポイント
・保護犬に威圧感を与えないためにも、しゃがんで飼い主さんの目線を低くする
・優しく声をかけてあげる
無理に触ろうとしない
保護犬の怖がりを治すためにスキンシップを取りたくなる気持ちはわかりますが、無理に触ろうとするのは逆効果です。
保護犬が触らせてくれるようになるまでは、できる限りそばにいてそっと見守ってあげましょう。
一緒の時間を共有することで、保護犬は「この人は嫌なことをしない人」と認識してくれます。
また、慣れてくるとそばに近寄ってきてくれますが、この時も上から触るのはNGです。保護犬から見えるように、あごの下からゆっくり手を出してあごの下や首元を撫でるようにしてください。
予測できる行動にしてあげる
保護犬の怖がりを治すためには、毎日の保護犬の行動にルーティーンを取り入れて予測できるようにしてあげることも大切です。
何をされるかわからないといった恐怖心や不安から保護犬は怖がるため、安心できるように配慮してあげなければいけません。
保護犬をお迎えしたばかりでは、毎日同じような時間に決まった散歩コースを通ったり、しつけやトレーニングする時間を決めるなど、保護犬が行動を予測できるようにしましょう。
予測できる行動が増えることで、飼い主さんに対する信頼度が高まります。
保護犬が新しい家族に慣れるまでの期間(目安)

保護犬が新しい家族に慣れるまでの期間の目安は、大体半年~1年くらいです。
もちろん保護犬の性格や保護されるまでの経緯などはそれぞれ異なり、慣れるまでの期間が短い保護犬もいれば、それよりも長い期間が必要なこともあります。
保護団体から保護犬をお迎えする場合、基本的には家庭犬として人に慣れるトレーニングが行われてから里親探しが始まるため、1ヶ月や3ヶ月、早ければ1週間で慣れることもあり、慣れるまでの期間は目安でしかありません。
しかし、慣れるまでの期間に飼う難しさを感じて挫折してしまう飼い主さんもいるため、1年は覚悟する気持ちで、焦ったりイラついたりせずに取り組むことが大切です。
飼う難しさを感じても保護犬としっかり向き合おう!

今回は、保護犬に大切なしつけ方法や注意点、慣れるまでの期間などをご紹介しました。
保護犬は様々な事情やトラウマを抱えていることも多く、飼う難しさを感じることがあるかもしれません。
しかし、実際に保護犬と暮らす人からは、犬を飼う難しさは保護犬もペットショップなどからお迎えした犬も変わりはないという言葉も耳にします。
犬と暮らすということは、1つの命を預かるという重大なこと。
保護犬としっかり向き合い寄り添って、問題を1つ1つ一緒に乗り越えていくことで絆はより深いものとなるでしょう。
なお、そのほかの詳しいしつけ方法については【犬のしつけカテゴリー】をご確認ください。

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うちのトイプー記事作成担当。ペットフーディスト、動物介護士、ペット看護士、ペットセラピスト、トリマー・ペットスタイリスト、JKC愛犬飼育管理士の資格を保有。虹組愛犬の介護をきっかけに犬の健康や介護の在り方について考えるようになり、わんこのスペシャリストを目指して日々勉強中。17歳のMダックスと16歳のチワックスと暮らす。

うちのトイプー開発責任者。犬の管理栄養士、愛玩動物救命士、ペット看護士資格、ペット介護士資格、ペットセラピスト資格、ドッグトレーニングアドバイザー、ドッグヘルスアドバイザー、その他上級食育士、アレルギー対応食アドバイザーなど、数多くの資格を保有。過去にドッグトレーナーとして働き、現在は愛犬ゴールデンレトリバー、ドーベルマン(元保護犬)、ボルゾイ、ボーダーコリー、愛猫3匹と暮らす。愛犬バーニーズマウンテンドッグの腫瘍発覚後から、長年の間犬の生物学を学ぶ。