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犬も人と同じように口内炎が起こることがあります。
口内炎が起こると、口の中の粘膜が赤く腫れる、ただれる(びらん、潰瘍)などの見た目の変化が現れます。
更に、炎症による痛みから以下のような症状が起こることがあります。
- ご飯を食べるのを嫌がる
- 口を開けたがらない
- よだれが増える
- 口のにおいが臭くなる
他にも、食事の際に顔を傾ける等の口を庇う様子や口に入れたご飯を出してしまう、くちゃくちゃと口を気にしたりする様子など、食事を摂ってる時に異変がみられることもあります。
人の口内炎と違い、犬の口内炎は勝手に治らないこともあります。
今回は、犬の口内炎の原因とそれに伴ってご飯を食べない、なかなか症状が治らないといった場合にどうすれば良いかを解説していきます。

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犬の口内炎ができる理由6つ

口内炎の治療には、炎症を引き起こしている原因を特定することが非常に重要です。
口内炎ができる原因としては、大きくわけて次の6つが考えられます。
1,歯周病
口内炎が出来る理由の1つとして、歯周病があります。
歯周病は、歯垢が付着し口腔内の環境が荒れることで起こります。
歯周病が進行すると、口のにおいが臭くなる、歯がぐらつく等の症状が出てしまい、ご飯を食べないことに繋がってしまう恐れがあります。
2,全身性疾患
糖尿病、腎臓病といった全身性の疾患も口内炎の原因になります。
こういった全身性の疾患がある場合は、口内炎だけでなく元気がなくなる、食べない、体重が落ちてしまうといった症状も現れます。
3,感染症
ウイルスや細菌、真菌感染により口内炎が起こることもあります。
ウイルスによる感染症としては、ジステンパーや伝染性肝炎が挙げられます。
これらの病気は、混合ワクチンの接種により防ぐことが出来ます。
細菌による感染症としては、レプトスピラがあり、こちらも混合ワクチンにより予防が可能です。
4,外傷
プラスチックのおもちゃで遊んでいるうちに破片で口の中を傷つけてしまう、といった外傷により口内炎が起こることがあります。
他にも、漂白剤などの粘膜に刺激を与えるものを舐めてしまう、熱いものを口にして火傷を負うことも原因になりえます。
電気コードを噛んでいるうちに、口の中を火傷してしまったという話もあります。
5,腫瘍
口の中に腫瘍が出来てしまうと、それが原因で口内炎を起こしてしまうことがあります。
腫瘍の表面がただれてしまう(自壊する)と、口からの出血や強い痛みに繋がります。
腫瘍は、口の中だけでなく体の別の部分に転移してしまう危険性もあります。
6,栄養バランスの乱れ
不適切な食事により栄養バランスに偏りがあると、必要なビタミンの不足により口内炎が起こることがあります。
適切な食事は口内炎を防ぐだけでなく、様々な病気の予防に必要不可欠です。
犬が口内炎で食べない時の対処法

口内炎によりご飯を食べないときには、どうしたら良いのでしょうか。
口内炎が治らないことで炎症が続くと、その痛みや違和感からご飯を食べないといった症状が現れることも少なくありません。
このとき最も大切なことは、食べない原因をなくしてあげることです。
炎症を抑えるだけでなく、ぐらぐらしている歯があるならば抜いてしまう、食欲に影響するような全身性の疾患があるならばそちらの治療を行うといった対応が必要です。
犬が食べたがらないのに無理やり食べさせようとすると、より一層食べなくなってしまうこともあるので注意しましょう。
犬の口内炎が治らない場合の対処法と一般的な治療法

口内炎が長引く、治らないときはどう対処するのが良いのでしょうか。
口内炎が治らないのであれば、動物病院にて適切な治療を行いましょう。
口内炎の原因により治療方法は変わってくるので、原因ごとの主な治療法について見ていきましょう。
歯周病
歯周病により口の中で炎症がある場合は、歯石の除去や炎症の原因になる細菌を倒すために抗生剤を使用します。
歯石の除去は、全身麻酔をかけてのスケーリングが有効です。
麻酔をかけずに歯石を割っていくという方法もありますが、歯周ポケットの処置を行えるという点で麻酔をかけて歯石を取るほうが効果的です。
重度の歯周病があると、歯肉が下がってきてしまい、歯がぐらつくこともあります。
こういった歯は、細菌感染の温床になってしまうため抜いてしまうのが良いでしょう。
全身性疾患
口内炎の背後に糖尿病、腎不全といった全身状態に関わる病気があるならば、その原因疾患の治療が必要です。
例えば、糖尿病であれば人と同様にインスリンの注射をおこない、腎臓病であれば以下のような治療方法を行います。
- 食事療法
- 腎臓の負担を軽くするために点滴や薬を服用
感染症
感染症が口内炎の原因になっているのならば、抗生剤等の投与を行うことが必要となります。
しかし、口内炎を起こすような感染症の中には、ジステンパーというような治療方法が確立されていない病気もあります。
混合ワクチンの接種により予防が可能なため、毎年の予防接種を行うことが大切です。
外傷
外傷がある場合は、その傷周辺を消毒し、二次的な感染を起こして化膿してしまわないように管理を行います。
傷が大きい場合には、全身麻酔をかけて傷を縫い合わせる等の処置が必要なこともあります。
口のケガの原因になりそうなものを犬に与えない、そばに置かないことで未然に防ぐのが良いでしょう。
腫瘍
腫瘍が原因により口内炎があるならば、外科手術により口の中の腫瘍を切除することや抗癌剤による治療が必要となります。
口の中の腫瘍を取るだけでなく、体の他の部位に転移してないかの確認を行うことも大切です。
栄養バランスの乱れ
日常的な栄養バランスに問題があると、口内炎がなかなか治らないことがあります。
特に手作りフードを与えている場合は、知らず知らずのうちに栄養バランスが偏ってしまうこともあります。
不足している栄養素がないか食事の見直しを行うことも重要です。
その他
口の中のケアを行うことは、口内炎の治療だけでなく予防や早期発見にも有効です。
現在、色々な歯磨きペーストや歯磨きシートなどの様々な口腔内ケアグッズが販売されています。
例えば、歯磨きの習慣をつけていれば歯周病の予防につながるうえに、口内炎が出来たとしてもいち早く気付いてあげることが出来ます。
愛犬に行える日常的なケアがないか探してみると良いでしょう。

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犬の口内炎を放置してしまう危険性とは

口内炎を放置すると、犬がご飯を食べないことで衰弱してしまう危険性があります。
栄養状態が悪いと殊更、炎症が治まりにくくなってしまいます。
食べないことが続くと犬の免疫力低下につながり、これもまた口内炎が治らない要因になります。
また、口内炎の原因が全身に関わる病気や腫瘍である場合は、放置することで病気が進行してしまう、腫瘍が転移してしまう可能性もあります。
口内炎の原因に腎臓病や糖尿病があった場合、腎臓病や糖尿病の悪化は命に関わる問題になることもあります。
また、犬自身も口内炎による痛みが続くことはストレスになり、生活の質を大きく下げてしまいます。
愛犬のためには、口内炎は放置せず適切な治療を行うことが必要です。
たかが口内炎と放置せずに原因に応じた対策を!

以上のように犬の口内炎の原因は様々であり、その原因を明らかにしたうえで治療に取り組むことが大切です。
たかが口内炎だと思っていると、実はその背後に大きな病気が隠れていることもあります。
口のトラブルは外からだとわかりにくいことも多いです。
歯磨きなどの口のケアを日常的に行い、こうした異変に素早く気付いてあげることが望ましいです。
そして、口内炎が治らない、食べないといった症状があれば動物病院に相談するのが良いでしょう。

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現役の若手獣医師。田舎の動物病院にて日々多くの動物の診療を行なっている。
獣医師公式サイト:https://awesome-vet.com/

うちのトイプー開発責任者。犬の管理栄養士、愛玩動物救命士、ペット看護士資格、ペット介護士資格、ペットセラピスト資格、ドッグトレーニングアドバイザー、ドッグヘルスアドバイザー、その他上級食育士、アレルギー対応食アドバイザーなど、数多くの資格を保有。過去にドッグトレーナーとして働き、現在は愛犬ゴールデンレトリバー、ドーベルマン(元保護犬)、ボルゾイ、ボーダーコリー、愛猫3匹と暮らす。愛犬バーニーズマウンテンドッグの腫瘍発覚後から、長年の間犬の生物学を学ぶ。