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皮膚ケアを行うことは皮膚病の予防や改善に期待できますが、毎日愛犬が口にするドッグフード選びも重要です。
皮膚トラブルは体質や遺伝もありますが、食事内容やストレスなども関係しています。
多くの皮膚トラブルは痒みを伴い、時には痒みから痛みに変化します。
愛犬に辛い思いをさせないためにも皮膚ケアのためのドッグフードの選び方や、自宅での犬の皮膚ケア方法を覚えておきましょう。

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Index
皮膚ケアをするためのドッグフードの選び方5選

犬の皮膚病の原因は主に、体の常在菌であるカビや細菌の異常繁殖、アレルギー、ビゼンダニやニキビダニにの寄生といったものがあります。
寄生虫以外の皮膚病は、ドッグフードによって予防や改善が期待できます。
ここでは、皮膚ケアをするためのドッグフードの選び方を4つご紹介しますので、愛犬のドッグフードの選びの参考にしてください。
皮膚ケアをするためのドッグフードの選び方①良質な動物性たんぱく質を主原料に使用
愛犬の皮膚ケアをするためには、良質な動物性たんぱく質が主原料に使用されているドッグフードを選んであげることが大切です。
<たんぱく質の主な働き>
- 皮膚、被毛、内臓、血管、筋肉、骨など体を構成する
- 免疫物質を作り出す
- ホルモンを作り出す
- 消化吸収や代謝のサポート
たんぱく質には様々な働きがありますが、健康な皮膚を維持する上でも重要な役割を担っています。
ドッグフードの原材料の最初が肉類や魚類になっていることはもちろん、「鶏肉」「チキンミール」など、使用している肉類の名前がしっかりと記載されているものを選んであげましょう。
また、良質なたんぱく質は消化吸収に優れており、体内でアレルゲンとして認識されづらいことも利点です。
ドッグフードの動物性たんぱく質を見る時の注意点
「家禽類」「肉類(チキン等)」「ミール」といった曖昧な表記は、使用されている肉類がわからないだけでなく品質にも不安が残り、低品質な動物性たんぱく質はアレルギーの原因にもなりやすいため注意が必要です。
皮膚ケアをするためのドッグフードの選び方②腸内環境を整える成分が使用されている
犬の皮膚と腸内環境は切っても切れない関係があり、愛犬の皮膚ケアのためにも腸内環境を整える成分や食材が使用されているドッグフードを選んであげることが大切です。
<腸内環境を整えることで得られる効果の一例>
- 免疫力を高める
- 皮膚病の予防、改善
- 食物アレルギーの予防
- 下痢や便秘の改善
腸内環境の乱れは、皮膚トラブルやアレルギーなど、体に様々な悪影響をもたらします。腸内細菌のバランスは日々変化するため、毎日継続してオリゴ糖や乳酸菌を摂取し、腸内環境を整えてあげなければいけません。(※)
ドッグフードによっては、オリゴ糖や乳酸菌などそのまま配合されているものもありますが、乳酸菌を含むチーズやオリゴ糖を多く含むごぼうなどの食材が使用されていることもあります。
腸内環境を整えてくれる成分や食材の一例
・成分…乳酸菌、オリゴ糖
・食材…チーズ、納豆、ごぼう、アスパラガス、バナナなど
(※)参考:ペット栄養学会誌「イヌ・ネコにおけるプロバイオティクスについて」
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jpan/21/3/21_158/_pdf/-char/ja
皮膚ケアをするためのドッグフードの選び方③無添加
皮膚ケアを目的とするドッグフードでは、人工添加物が使用されていない無添加のドッグフードを選んであげることが大切です。
ドッグフードに使用される人工添加物は、消化の負担はもちろん、犬の体内に老廃物を溜め込むこととなり、皮膚病を引き起こしたり悪化させる可能性があります。
ペットフード安全法(※)によって、人工添加物を使用する量は犬の健康に害を及ぼさない範囲と定められているため過剰に心配する必要はありませんが、できれば無添加のドッグフードの方が皮膚ケアには適しています。
(※)参考:環境省「ペットフード安全法・基準規格等」
https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/petfood/standard.html
皮膚ケアをするためのドッグフードの選び方④アレルギーの出にくい食材が使用されている
犬の食物アレルギーには個体差があり、何を食べて発症するかはわかりません。
しかし、食物アレルギーを発症する仕組みは、アレルゲンとなる物質の摂取、体質、ストレス、環境のすべてが1つのコップに蓄積され、コップから溢れ出てしまうものによると考えられています。
そのため、同じ食材を食べ続けることでアレルギーを発症しやすくなってしまうので、アレルギーの出にくい食材や、それまで犬が食べたことのない食材を使用しているドッグフードを選んであげることが大切です。
犬のアレルギーが出やすい食材(リスクが高い順に記載)※
牛肉 / 乳製品 / 鶏肉 / 小麦 / ラム / 大豆 / トウモロコシ / 卵 / 豚肉
また、ドッグフードを食べて以下のような症状が見られた場合は食物アレルギーの可能性があるため、違うドッグフードに変更してあげるほか、獣医師に相談しましょう。
<犬の食物アレルギーの主な症状>
- 嘔吐や下痢
- 皮膚の赤みや痒み
- 目の周りや口の周りの赤みや痒み
- 執拗に足先を舐めたり噛んだりする
- 元気がない
皮膚ケアをするためのドッグフードの選び方⑤皮膚ケアに特化したフードも考慮する
ドッグフードには様々な種類がありますが、オメガ3脂肪酸や腸内環境に配慮した皮膚ケアに特化したドッグフードもあります。
皮膚トラブルはすべての犬種に起こる可能性がありますが、近年は皮膚に問題を抱えやすいトイプードル専用や、足腰に問題を抱えやすいミニチュアダックス専用など、その犬種が抱えやすいトラブルに配慮して成分の配合を変えているドッグフードもあります。
また、スキンケア用など犬種に関わらず皮膚ケアに特化したドッグフードもあるため、食いつきや消化吸収、動物性たんぱく質の質や無添加などを考慮して、どんなドッグフードが愛犬に合っているか考えてあげることも大切です。
皮膚トラブルを特に起こしやすい犬種の一例
トイプードル / フレンチブルドッグ / パグ / シーズー / 柴犬 / ゴールデンレトリバー / ダルメシアン / ウエストハイランドホワイトテリアなど
食物アレルギー発症中の犬のドッグフードの選び方3選

前章では皮膚ケアをするためのドッグフードの選び方をご紹介しましたが、食物アレルギーを発症してしまった犬では、アレルギー症状を悪化させないために選び方にも注意が必要になります。
ここでは、食物アレルギー発症中の犬のドッグフードの選び方をご紹介します。
食物アレルギー発症中の犬のドッグフードの選び方①アレルギーとなる食材を避ける
食物アレルギーを発症している場合、何がアレルゲンとなっているか突き止め、その食材が使用されていないドッグフードを選んであげることが大前提です。
食物アレルギーとなるアレルゲンの多くは、食材に含まれるたんぱく質になるため、愛犬が今まで食べたことのない肉や魚、アレルギーが出にくいとされる肉や魚を使用したドッグフードを選んであげましょう。
また、小麦アレルギーではグレインフリーのドッグフードを選ぶことも大切です。
<アレルギーが出にくい肉や魚の一例>
- 鹿肉
- 馬肉
- イノシシ肉
- サーモン
- たら
- まぐろ
- かつおなど
食物アレルギーは同じたんぱく質を摂取し続けることで発症リスクが高くなります。
アレルギーが出にくい肉や魚であっても、ずっと食べ続けるとアレルゲンとなる可能性があるため、定期的にフードローテーションすることをおすすめします。
食物アレルギーを発症しやすい犬種の一例
トイプードル / 柴犬 / ヨークシャーテリア / スパニエル / ボクサー / コリー / ダルメシアンなど

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食物アレルギー発症中の犬のドッグフードの選び方②消化吸収に優れている
食物アレルギーを発症するのは、腸が栄養を吸収する際に異物だと認識してしまうためです。
そのため、できるだけ消化吸収の良いドッグフードを選んであげることが大切です。
皮膚ケアをするためのドッグフードの選び方と同様に、良質の動物性たんぱく質を選びましょう。
食物アレルギー発症中の犬のドッグフードの選び方③オメガ3脂肪酸が配合されている
食物アレルギー発症中の犬では、オメガ3脂肪酸が配合されているドッグフードを選んであげると症状の緩和に役立ちます。
<アレルギーにおけるオメガ3脂肪酸の主な働き>
- アレルギー症状の緩和
- アトピー性皮膚炎の改善
- 抗炎症作用
オメガ3脂肪酸は、様々な健康効果が期待できる成分ですが、犬のアレルギーにおける抗炎症作用は研究でも証明されています。(※)
オメガ3脂肪酸は犬の必須脂肪酸ですが、AFFCOの成犬の栄養基準で数値は定められていないめ、別にオイルやサプリメントなどを配合しているドッグフードを選びましょう。
(※)参考:Wiley OnlineLibrary「Double-blinded Crossover Study with Marine Oil Supplementation Containing High-dose icosapentaenoic Acid for the Treatment of Canine Pruritic Skin Disease」
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1111/j.1365-3164.1994.tb00020.x
食物アレルギー発症中の犬のドッグフードの選び方④無添加
食物アレルギーを発症している犬では、症状を悪化させないためにも無添加のドッグフードを選んであげることが大切です。
ただし、注意しなければいけないのは、無添加と書かれていても人工添加物が使用されていることは多々あります。
ドッグフードの無添加の注意点
人工添加物、保存料、着色料、香料のうち1種類以上使用していなければ無添加と表記することができる
人工添加物は犬の体内に蓄積され、アレルギーを発症させたり症状を悪化させることとなるため、ドッグフードを選ぶ際は原材料をしっかり見ることが大切です。
人工添加物が使用されていない無添加のドッグフードを選びましょう。
マラセチア皮膚炎などの犬の自宅皮膚ケア方法

程度に差はありますが、ほとんどの犬が1度は皮膚トラブルに悩まされたことがあるのではないでしょうか。
毛周期のサイクルが独特なトイプードルなどの犬種では、皮脂が多いため脂漏性皮膚炎(脂漏症)やマラセチア皮膚炎、アトピー性皮膚炎になりやすく、特に注意が必要です。
マラセチア皮膚炎になりやすい犬種の一例
トイプードル / チワワ / マルチーズ / シーズー / ミニチュアダックス / ビーグル / 柴犬 / シェットランドシープドッグ / フレンチブルドッグ / パグ / シェパード / ラブラドールレトリバーなど
皮膚トラブルは痒みを伴いますが、搔き壊すことで二次感染症を引き起こしてしまう可能性があります。
マラセチア皮膚炎など、皮膚トラブルのある犬では自宅で皮膚ケアをしてあげることが大切です。
マラセチア皮膚炎などの犬の自宅皮膚ケア方法①適度なシャンプー
通常、犬のシャンプーの頻度は月に1回くらいが目安です。あまり過度にシャンプーをすると、皮脂が失われて皮膚を保護する力が低下するため、逆に皮膚トラブルを起こしやすくなるためです。
しかし、マラセチア皮膚炎などの皮膚トラブルを抱えている犬では、週に1~2回のシャンプーが必要になります。獣医師の指示に従い、適度な頻度でシャンプーをしてあげましょう。
また、シャンプーの後はドライヤーでしっかり乾かし、保湿することも皮膚トラブルを抱えている犬では大切なことです。
犬の保湿剤の種類
コンディショナータイプ / ローションタイプ / スプレータイプ / スポットオンタイプ
自宅でシャンプーする際の注意点
- お湯の温度は35~36度くらいのぬるめにする
お湯の温度が高すぎると皮膚に負担がかかるだけでなく、シャンプー後に乾燥しやすくなります。
- 優しく洗う
力を入れてゴシゴシと洗いたくなってしまいますが、犬の皮膚はデリケートなので皮膚を傷めてしまう原因となります。皮膚を傷めると痒みを引き起こす原因となるため優しく洗ってください。
- シャンプーやコンディショナーはしっかり洗い流す
皮膚にシャンプーやコンディショナーが残ると、菌が繁殖して痒みの原因となってしまいます。
被毛がキュッキュッと音がするくらいまでしっかり洗い流してあげましょう。
- ドライヤーの時間は短めにする
シャンプー後にしっかり乾かしてあげることは皮膚ケアをするためにも大切なことですが、ドライヤーのかけすぎは皮膚を乾燥させてしまいます。
タオルドライを基本としてドライヤーを使うのは短時間にしましょう。
その後、保湿をすることを忘れないでくださいね。
マラセチア皮膚炎などの犬の自宅皮膚ケア方法②定期的なブラッシング
犬の皮膚を清潔に保つためには、定期的なブラッシングも重要です。
皮膚トラブルのある犬の皮膚は弱っているため、傷つけないように柔らかめのブラシを使い、力を入れずに優しくブラッシングしてください。
マラセチア皮膚炎などの犬の自宅の皮膚ケア方法③生活環境を整える
愛犬の生活スペースを清潔に保つのはもちろん、ケージの掃除やベッドや毛布の洗濯はこまめに行ってあげましょう。
また、乾燥する時期では加湿器、湿気の多い時期では除湿器を使用し、室内の湿度が50~60%程度になるように調整してあげることも大切です。
マラセチア皮膚炎などの犬の自宅皮膚ケア方法④愛犬に合ったドッグフードを与える
皮膚トラブルを起こす原因の1つに、栄養バランスの崩れや愛犬に合っていないドッグフードを与えていることがあります。
主食とするドッグフードが総合栄養食であることはもちろん、ライフステージに合わせて変更する、脂質やたんぱく質が愛犬のライフスタイルに合っているかなど、もう一度確認してみましょう。
また、マラセチア皮膚炎は食物アレルギーを併発しやすいため、食物アレルギーを起こしにくい食材で作られた無添加のドッグフードにしてあげることも重要です。

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皮膚炎や痒みがある場合は動物病院を受診
愛犬の皮膚ケアをすることで皮膚トラブルの予防や改善が期待できますが、愛犬に皮膚炎や痒みがあるような仕草が見られたときは、自己判断せず動物病院を受診してください。
痒みはストレスとなり、免疫力の低下につながってますます痒みや皮膚炎を引き起こすことになります。
痒みの中には甲状腺や免疫の病気が原因ということもあり、楽観視するのは危険です。
皮膚ケアのためのドッグフードはあくまでもサポートなので、皮膚炎や痒みは必ず獣医師の診察を受け、必要な治療を行ってあげましょう。
犬の痒みの原因の一例 換毛期 / 虫刺され / ストレス / アレルギー性皮膚炎 / アトピー性皮膚炎 / 外耳炎 / 細菌感染 / 寄生虫 / 自己免疫疾患など
愛犬に合った皮膚ケアのドッグフードを選んであげよう

今回は、皮膚ケアのためのドッグフードの選び方や自宅での皮膚ケア方法をご紹介しました。
近年は様々なドッグフードが販売されていますが、犬の体質やライフスタイルはそれぞれ異なります。
必ずしも評判の良いドッグフードや皮膚ケア用のドッグフードが愛犬に合うとは限りません。
犬の皮膚ケアをするためには、愛犬に合ったドッグフードを選んであげることが大切なので、原材料、成分、添加物、消化吸収性などをしっかり吟味して選ぶようにしましょう。

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うちのトイプー記事作成担当。ペットフーディスト、動物介護士、ペット看護士、ペットセラピスト、トリマー・ペットスタイリスト、JKC愛犬飼育管理士の資格を保有。虹組愛犬の介護をきっかけに犬の健康や介護の在り方について考えるようになり、わんこのスペシャリストを目指して日々勉強中。17歳のMダックスと16歳のチワックスと暮らす。

うちのトイプー開発責任者。犬の管理栄養士、愛玩動物救命士、ペット看護士資格、ペット介護士資格、ペットセラピスト資格、ドッグトレーニングアドバイザー、ドッグヘルスアドバイザー、その他上級食育士、アレルギー対応食アドバイザーなど、数多くの資格を保有。過去にドッグトレーナーとして働き、現在は愛犬ゴールデンレトリバー、ドーベルマン(元保護犬)、ボルゾイ、ボーダーコリー、愛猫3匹と暮らす。愛犬バーニーズマウンテンドッグの腫瘍発覚後から、長年の間犬の生物学を学ぶ。