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犬のかさぶたの原因や考えられる病気とは?【動物看護士監修】

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愛犬にかさぶたが出来ているのを見つけた事があるでしょうか。「知らないうちに怪我でもしたのだろう」と放置すると、症状が悪化して治すのに時間がかかってしまうことも・・。

かさぶたが出来る原因は怪我だけではなく、病気を発症している場合もあり、痒みだけでなく抜け毛や炎症、痛みが生じることもあるので注意が必要です。

今回は、犬のかさぶたについて知りたい飼い主さんや、愛犬にかさぶたができて悩んでいる飼い主さんのために、犬のかさぶたの原因や考えられる病気などについて詳しくご紹介します。

犬のかさぶたとは?

かさぶたがどのようにして出来るのかご存知でしょうか。かさぶたが出来るメカニズムは、人も犬も同じです。

身体の表面(皮膚)にダメージを受けると、血液や膿が出て、それらが乾燥して固まったものを「かさぶた」と呼びます。

かさぶたは、ダメージを負った箇所に外部から菌が入るのを防ぐ役割を果たしています。つまり、かさぶたを剥がすということは、身体を守っているバリア機能を捨て、無防備な状態にしているという事です。

そのため、愛犬にかさぶたが出来ている場合は、決して素人判断で剥がさないようにしましょう。

かさぶたを治すためには、そのかさぶたがどんな原因で出来たかさぶたなのかを知ることが大切です。

愛犬の様子だけでなく、抜け毛や皮膚の赤みなど身体に異常がでていることもあるので、細かく愛犬を観察してあげましょう。

なお、かさぶたの原因となる痒みについては【犬が痒がる原因は?考えられる病気】をご確認ください。

かさぶたを症状とする犬の病気

愛犬のかさぶたは、一概に怪我が原因であるとは言いきれません。何かしらの病気が原因で出来ている可能性もあります。ここでは、病気の種類別にかさぶたが出来る病気をご紹介します。

かさぶたが出来る病気①:感染症

菌の感染などが原因で、愛犬にかさぶたが出来ているケースがあります。

表在性膿皮症

「表在性膿皮症(ひょうざいせいのうひしょう)」は、菌が原因となる起こる感染症です。菌が増えることで症状が悪化していき、かさぶたが出来ます。

症状は以下のように進行していきます。

  1. 「丘疹(きゅうしん)」・・皮膚に赤みのあるぶつぶつとしたものが出来る。
  2. 「膿疱(のうほう)」・・にきびに似ているものが皮膚に出来る。
  3. 「表皮小環(ひょうひしょうかん)」・・にきびが破れ、周りの皮膚が残る。
  4. 残った皮膚が「かさぶた」や「ふけ」に変化する。

他にも、フケが増えたり抜け毛などの症状も見られる場合があります。

また、「表在性膿皮症」の治し方は、飲み薬や皮膚のケア(シャンプーや塗り薬)を使用する方法が一般的です。

皮膚糸状菌症

「皮膚糸状菌(ひふしじょうきんしょう)」は、犬だけの病気ではなく、他の動物や人に感染する病気で、円形の抜け毛を伴うのが特徴です。

感染する理由は、菌を持つ動物との接触だけでなく、自宅などのホコリや抜け毛(菌が付着している場合)からも感染します。

感染した箇所は炎症が起こり、水ぶくれや膿疱ができます。その後、かさぶたになった時に菌を取り除く事で症状がなくなります。

しかし、そのまま放置してしまうと皮膚深くまで菌が入り込み、他の病気を発症する恐れがあります。

「皮膚糸状菌」の治し方は、一般的に飲み薬を使用する場合が多いのですが、皮膚糸状菌の薬は肝臓への負担がかかる事があるため、肝臓に異常がないかを確認しながら治療を進めます。

また、発症している箇所が部分的であれば、塗り薬だけで治ることもあります。

かさぶたが出来る病気②:アレルギー

愛犬のアレルギー症状として、かさぶたが出来る場合があります。

ノミアレルギー性皮膚炎

ノミが原因となって起こるアレルギーが「ノミアレルギー性皮膚炎」です。

このアレルギーはノミの唾液に反応してアレルギーを引き起こすため、犬の皮膚に存在するノミが少ない場合でも症状が現れるのが特徴です。

症状は強い痒みやかさぶただけでなく、広い範囲で抜け毛を起こす場合があります。

「ノミアレルギー性皮膚炎」の治し方は、ノミを駆除する事が第一になりますが、アレルギーの原因となるノミが駆除されたとしても、痒みなどの症状が続くことがあるため、個々の症状に合わせて飲み薬(ステロイドなど)が処方されることがあります。

食物アレルギー

アレルギーと聞いて思い浮かぶのは、食べ物によるものが多いのではないでしょうか。食べ物によるアレルギー(食物アレルギー)は、1歳半になるまでの子犬期に発症するケースが多いのが特徴ですが、成犬でも注意が必要です。

食物アレルギーの根本を治療するのは困難ですが、免疫力を高めたり、アレルギーの原因になっている食材を食べさせないように注意すれば、ほとんど症状は改善されます(アレルゲン除去食)。

症状が重度のケースでは、飲み薬などで症状を和らげる事もあります。

動物病院でアレルギー検査を行ってアレルゲンを特定。初めて愛犬に与える食べものには注意しましょう。

犬アトピー性皮膚炎

「犬アトピー性皮膚炎」は、生活環境や体質、免疫力低下など様々な原因で引き起こされるアレルギーです。発症する犬種・年齢・場所も、個々の犬によって異なるのが特徴です。

「犬アトピー性皮膚炎」は、まず痒みの症状が現れ、身体をかくことで出血したり、抜け毛などの症状につながります。

そして、出血などが固まりかさぶたになっても、痒みからかいて剥がしてしまうため、早期の段階で治療を行わないと悪化し続けてしまいます。

そのため、「犬アトピー性皮膚炎」は初期症状である痒み等が起こった時は、出来るだけ早く獣医師に相談しましょう。

「犬アトピー性皮膚炎」の治し方は、痒みや抜け毛などの症状に合わせて行われるため、一概には言えませんが、飲み薬・塗り薬・食事などさまざまです。

なお、犬のアトピー皮膚炎について詳しく知りたい方は【犬のアトピー性皮膚炎の症状や治療法、ケア方法など】をご確認ください。

かさぶたが出来る病気③:自己免疫性皮膚疾患

本来は、身体を守る役割をしている免疫が原因となって、かさぶたが出来る事があります。

落葉状天疱瘡

落葉状天疱瘡(らくようじょうてんぽうそう)は、自分が持つ免疫が自らの身体にダメージを与えてしまう病気です。

初期症状として膿疱が出来ますが、それがつぶれて「かさぶた」になります。

また、落葉状天疱瘡が起きる場所は、目の周りや耳など部分的だけでなく、全身に広がる恐れがあるため、早期に治療をする事が大切です。

落葉状天疱瘡の治し方は、飲み薬(ステロイド)を使うのが一般的ですが、症状によっては塗り薬も使用する事があります。

獣医師に相談しながら、早い段階で愛犬に合った治療を行いましょう。

犬のかさぶたの予防方法は?

愛犬にかさぶたが出来る理由は多くあるため、一概には言えませんが予防するためには「怪我をしない」・「皮膚病を起こさない」ために飼い主さんが注意してあげましょう。

また、予防をしていても絶対にかさぶたが出来ないとは限らないため、愛犬にかさぶたが出来てしまった場合の対処法も合わせてご紹介します。

なお、愛犬のケアについて知りたい方は【犬のケアカテゴリー】をご確認ください。

愛犬のかさぶたを予防する方法

かさぶたは、皮膚から血液や膿が出てそれらが乾燥して固まったものであるため、血液や膿が出ないようにすれば、かさぶたを予防出来ます。

つまり、かさぶたを予防するために重要なことは「怪我をしない」環境づくりです。

愛犬が怪我をしない環境づくり(一例)

  • 床に柔らかいカーペットを敷く
  • 大きな段差がある場所には入れないようにする
  • 鋭利なもの(ハサミやカッター)は、愛犬の手が届かない場所で保管する

上記以外にも、愛犬の体格や性格、一緒に生活する家族構成などに合わせて、愛犬が怪我をしない環境づくりをしましょう。

また、怪我以外にも皮膚病によってかさぶたが出来る場合があるため、皮膚病を引き起こさないような環境やケアも大切です。

犬の皮膚に関する病気は、一度発症してしまうと完治するまでに時間がかかる傾向にあるため、皮膚病の予防は非常に重要です。

愛犬の皮膚病を予防する方法(一例)

  • 愛犬の寝る場所やトイレを清潔にする
  • 愛犬がごはんを食べる器は毎回綺麗に洗う
  • シャンプーの洗い残しがないように、しっかり洗い流す

気温の高い夏は、皮膚に関するトラブルが起こりやすい傾向にありますが、夏だけではなく一年通して愛犬の皮膚の状態を把握しましょう。

愛犬にかさぶたが出来た場合の対処法

愛犬にかさぶたが出来ているのを確認した時の対処法は「かさぶたを剥がさない」という事です!

しかし、飼い主さんがかさぶたを剥がさないように気をつけていても、愛犬自らが剥がす恐れがあります。

何より早めに動物病院で適切な治療を受けることが大切ですが、かさぶたがある箇所に包帯などを巻いたり、エリザベスカラーを付けたりして、愛犬がかさぶたに触れられないようにしましょう。

また、人用の塗り薬を使用するのは、絶対にやめましょう。犬のかさぶたの原因や症状によって適した薬が異なり、人用の薬は、犬にとって強すぎるため逆に症状を悪化させることがあります。

愛犬にかさぶたができたら早めに動物病院へ!

今回は、犬のかさぶたの原因や考えられる病気についてご紹介しました。かさぶたが出来る原因は多くありますが、多くの場合は痒みを伴い、悪化すると抜け毛などにも繋がります。

痒みがとても辛いのは、飼い主さんも理解出来ると思いますので、愛犬に辛い思いをさせないためにも、愛犬が痒い素振りを見せた時は、早めに獣医師に相談してください。

なお、犬の病気について詳しく知りたい方は【犬の病気カテゴリー】をご確認ください。

監修者:望月 紗貴

うちのトイプー開発責任者。犬の管理栄養士、愛玩動物救命士、ペット看護士資格、ペット介護士資格、ペットセラピスト資格、ドッグトレーニングアドバイザー、ドッグヘルスアドバイザー、その他上級食育士、アレルギー対応食アドバイザーなど、数多くの資格を保有。過去にドッグトレーナーとして働き、現在は愛犬ゴールデンレトリバー、ドーベルマン(元保護犬)、ボルゾイ、ボーダーコリー、愛猫3匹と暮らす。愛犬バーニーズマウンテンドッグの腫瘍発覚後から、長年の間犬の生物学を学ぶ。

公式HP:https://true-dog-lover.com/

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