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愛犬の体にかさぶたを見つけると、なぜできたのか気になりますよね。
おまけに愛犬がかさぶたをいじったり剥がそうとしていると、悪化しそうで心配になることもあるでしょう。
犬の体にかさぶたができる原因の多くは、皮膚炎や外傷です。
しかし、かさぶたの原因が何であれ、剥がすことで治癒が早まることはほとんどありません。
この記事では犬がかさぶたを剥がしてしまう時の対処法を中心に、犬のかさぶたについて詳しく解説しています。

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Index
犬の皮膚にかさぶたができる理由

かさぶたはなんらかの原因で皮膚に傷がつき、浸出液(しんしゅつえき)・血液・膿などが皮膚表面で固まったもののことをいいます。
いわばかさぶたは傷部分の蓋のようなもので、かさぶたの持つ役割は大きくわけると次の2つです。
- 雑菌の侵入と傷の乾燥を防ぐ
- 新たな皮膚が再生するまでの保護
傷部分が乾燥してしまうと、新たな皮膚の再生に時間がかかります。
そのため、かさぶたによって適度に湿った環境を保つことで傷の再生を促しているのです。
浸出液とは:皮膚に傷がついたことで血管から漏れ出した血漿成分のことです。ジュクジュクなどと呼ばれて膿と間違われることが多いですが、実は皮膚の再生に必要な細胞成長因子が含まれています。
犬がかさぶたを剥がしてしまう理由

犬がかさぶたをいじったり剥がしてしまう理由の大半は、痒みによるものです。
かさぶたができると痒くなる理由:傷ができると壊れた細胞を修復するために、傷の周囲にヒスタミンが増えて血管拡張や腫れなどを引き起こします。すると、傷部分に免疫細胞やタンパク質が集まって細胞の修復を促しますが、その過程でヒスタミンが神経に作用すると痒みと感じてしまうため、治りかけのかさぶたは痒くなるのです。
私たち人間でさえ、かさぶたは剥がさない方がいいとわかっていても、つい痒みで剥がしてしまうことがありますよね。
となると、かさぶたは剥がさない方がいいと理解できない犬が噛んだりなめたりしてかさぶたを剥がしてしまうのは、ある意味仕方のないことなのでしょう。
しかし、だからといって愛犬がかさぶたを剥がしてしまうのを見過ごすのはよくありません。
かさぶたができた原因の傷を早期に治癒させるためにも、愛犬がかさぶたを剥がそうとしたら対処が必要です。

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かさぶたを剥がしてしまう犬の5つの対処法
犬がかさぶたを噛む・なめる・引っ掻くなどして剥がしてしまうと、傷の再生が遅くなるだけではなく、化膿など症状を悪化させる原因にもなります。
かさぶたをいじろうとするたびに飼い主さんがやめさせられればいいですが、四六時中見張っているわけにもいかないですよね。
飼い主さんのいないところでもかさぶたをいじらせないよう、次のような対処法を検討しましょう。
エリザベスカラーの装着
犬にかさぶたをいじらせない対処法として、エリザベスカラーは最も効果的です。
食事などでどうしてもエリザベスカラーを外さなければいけない時以外は、基本的に装着したままにしておきましょう。
ある程度の硬さのあるプラスチック製のエリザベスカラーが一般的です。
しかし長期間の装着が必要な場合は、布製やEVA素材(合成樹脂)などの軽くて柔らかいものを選ぶと、犬のストレスを軽減できることがあります。
ただし、柔らかい素材のエリザベスカラーだとかさぶたの位置によっては装着後もいじれてしまうことがあるため、装着後しばらくは観察したほうがよいでしょう。
エリザベスカラーで対処できるかさぶたの位置:頭部・首・背中・腹部・四肢・しっぽ
洋服・エリザベスウェアの着用
ジュクジュクしていない乾いたかさぶたであれば、洋服を着せて患部を隠してしまうという方法も効果的です。
ただし、かさぶたを完全に覆い隠せていない、あるいは洋服の隙間から鼻先や後ろ足が届いてしまう場合は効果がありません。
胴体部分のかさぶたなら、手術後に着用するエリザベスウェアが伸縮性・通気性の面も含めて最適です。
洋服・エリザベスウェアで対処できるかさぶたの位置:腹部・背中・デザインによっては首と四肢上部まで
靴下をはかせる
足先にできたかさぶたをいじらせないようにするには、靴下をはかせる方法もあります。
靴下をはかせることで爪が隠せるため、後ろ足が届く範囲のかさぶたを掻かせないようにする効果も期待できるでしょう。
ただし、靴下を履き慣れていないと靴下そのものをいじって脱いでしまったり、靴下そのものが強いストレスになることもあるため注意が必要です。
靴下で対処できるかさぶたの位置:足先・後ろ足で掻ける範囲

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包帯を巻く
化膿や浸出液で液体が垂れてくるほどジュクジュクしたかさぶたをいじらせないようにするには、一時的に包帯を巻くという方法もあります。
ただし、包帯が汚れたまま巻き続けていると、かえって傷を悪化させてしまうかもしれません。そのため、包帯でかさぶたをいじらせないようにする場合は、こまめな交換が必要です。
包帯で対処できるかさぶたの位置:四肢・しっぽ
イタズラ防止スプレーを使う
ちょっとしたひっかき傷や切り傷などの小さな外傷によるかさぶたには、イタズラ防止に使う苦味スプレーも効果的です。
ただし、皮膚病などが原因のかさぶたは炎症を悪化させることになりかねないため、使用には向きません。
イタズラ防止スプレーで対処できるかさぶたの位置:四肢・足先・しっぽなど口が届く範囲
犬のかさぶたのケア方法
かさぶたは傷口を保湿し、乾燥させないことで細胞の修復を促すためのものです。
そのため、通常のかさぶたであれば積極的にケアをする必要はありません。
しかし、なんらかの理由で傷口が乾燥している場合は、ワセリンや保護剤を浸出液の代わりにすることがあります。
ただし、自己判断でのワセリン使用は、かえってかさぶたの下の皮膚再生を遅らせてしまうかもしれません。かさぶたのケアは獣医師の指示に従うことが大切です。
犬の皮膚にかさぶたができるときに考えられる病気7つ

犬の皮膚にかさぶたができる原因は、大きく分けて次の3つです。
- ケガや外傷
- 皮膚病
- 腫瘍
この章では、ケガや外傷以外の病気が原因と考えられるかさぶたについて取り上げました。
犬の膿皮症
ブドウ球菌など犬の皮膚の常在菌が異常増殖することで引き起こされる皮膚炎です。
強い痒みを伴うため、搔きむしることでかさぶたが作られます。
犬の脂漏症(マラセチア皮膚炎)
湿度や脂分を好むカビの一種マラセチア(酵母様真菌)が異常増殖することで引き起こされる皮膚炎です。
皮膚が脂でベトつくことが多いですが、皮膚が乾燥してフケやかさぶたができることもあります。
犬の皮膚糸状菌症
真菌(カビ)の一種に感染することで皮膚に炎症が起きる病気です。
皮膚の赤みやフケ、かさぶたを伴った円形脱毛などの症状がみられます。
犬の疥癬症
ヒゼンダニというダニの一種によって引き起こされる皮膚の感染症です。
とても強い痒みを伴うため、掻きむしった皮膚に多くのかさぶたを作ります。
犬のツメダニ症
イヌツメダニというダニに寄生されることで発症する皮膚炎です。
痒みの程度はあまり強くありませんが、大量のフケやかさぶたができるのが特徴です。
犬のアレルギー性皮膚炎
遺伝的に皮膚のバリア機能が弱い、あるいは室内のダニや花粉といったアレルゲンに対する過剰な免疫反応によって発症することが多いといわれています。
強い痒みをともない、掻きむしった部分にかさぶたができるのは症状の一つです。
腫瘍
腫瘍がつぶれて中から漏れ出た液体が固まり、かさぶたを作ることがあります。
腫瘍には悪性と良性があり、悪性腫瘍は進行が早いため、腫瘍によるかさぶたが疑われる場合は見つけたらすぐに動物病院を受診したほうがよいでしょう。
なお、犬の皮膚病については【犬の皮膚病|症状別の皮膚病や一般的な治療法】をあわせてご確認ください。
かさぶたの原因を見つけて早期の治療を

かさぶたは傷から出た浸出液や血液が固まったものであり、治さなければいけないのはかさぶたそのものではなく、かさぶたが出来た原因です。
ちょっとした擦り傷や切り傷で出来たかさぶたなら、いじらせないようにすることで早期に治る可能性は高いといえるでしょう。
しかし、かさぶたを作った原因が痒みや炎症であれば、そこには皮膚炎・アレルギー・腫瘍といったなんらかの病気が隠れています。
愛犬の体にできたかさぶたが気になったら、自己判断をせずにかかりつけの動物病院で診てもらいましょう。
悪化させない一番の方法は、早期発見と早期治療です。
犬の皮膚病については【犬の皮膚病|症状別の皮膚病や一般的な治療法】をあわせてご確認ください。

犬種問わず皮膚が弱い犬におすすめ!オメガ3配合の消化しやすい「うちのトイプー」

過去にブリーディング、ドッグショー、犬の飼い方相談を中心にインターネットペットショップ店長として東奔西走。これまで一緒に過ごした愛犬は、ジャーマンシェパード、フラットコーテッドレトリーバー、柴犬、北海道犬、イタリアングレイハウンド、ミニチュアシュナウザー、パグ×パピヨンのMIX。現在は13才のMシュナウザーとともにペット関連中心のライターとして活動中。

うちのトイプー開発責任者。犬の管理栄養士、愛玩動物救命士、ペット看護士資格、ペット介護士資格、ペットセラピスト資格、ドッグトレーニングアドバイザー、ドッグヘルスアドバイザー、その他上級食育士、アレルギー対応食アドバイザーなど、数多くの資格を保有。過去にドッグトレーナーとして働き、現在は愛犬ゴールデンレトリバー、ドーベルマン(元保護犬)、ボルゾイ、ボーダーコリー、愛猫3匹と暮らす。愛犬バーニーズマウンテンドッグの腫瘍発覚後から、長年の間犬の生物学を学ぶ。