• 犬の食事

犬に大根を与えても大丈夫!与え方や注意点【犬の管理栄養士監修】

Share this on

最近では愛犬の健康を考えて手作りごはんにチャレンジする飼い主さんも増え、大根を使用したレシピも良く見かけます。

生で食べても煮て食べても美味しい大根は、葉も皮もすべて使用できる万能野菜。

バランスのいい栄養素が魅力の大根ですが、犬に与える際には注意しなければいけないこともあります

そこで今回は、愛犬に大根を与える前に知っておきたいメリットや与える際の注意点をご紹介します。

その他、犬の手作りごはんのおすすめ食材は【犬の手作りごはんのおすすめ食材8選!】をご確認ください

<犬種問わず、愛犬に手作りご飯を与えたい方におすすめ!「うちのトイプー」500円モニター実施中>

犬に大根を与えても大丈夫!

適量であれば、犬に大根を与えても大丈夫です。

大根は犬にとって有毒となる成分は含まれておらず、90%が水分なので夏場や冬場のおやつや、フードのトッピングとして与えれば水分補給にも役立ちます。

また、人間でも胃の調子が悪い時に大根おろしを食べるように、大根には整腸作用が期待できるため、愛犬の胃腸の調子が悪いときに与えてもいいでしょう。

大根は低カロリーでダイエット中の犬にも嬉しい!

大根のカロリーは100g当たり17kcalと低カロリーです。

市販されている犬用おやつはカロリーが高いものが多く、ダイエット中の犬ではおやつを我慢しなければいけないこともあるでしょう。

ダイエット中の犬のおやつやごはんに頭を悩ませる飼い主さんは多いですが、大根であればそこまでカロリーの心配をすることなく与えることができますね。

なお、ダイエットに適したささみについて知りたい方は【犬にささみを与えるメリット&おすすめレシピ】をご確認ください。

切り干し大根やつまを与えても大丈夫!

切り干し大根もつまも同じ大根です。味付けされていない切り干し大根やお刺身の汁がついていないつまであれば、犬が食べても問題はありません。

ただし、大根の漬物や大根の煮物、カクテキなど味付けされているものは、塩分や調味料が犬の内臓に負担をかけてしまうため与えないようにしましょう。

犬に大根を与えるメリット

大根にはビタミンやミネラルをはじめとし、カルシウムや食物繊維などの栄養素が豊富に含まれています。

ここでは、犬に大根を与えるメリットをご紹介します。

ジアスターゼで食べたものの消化を助ける

大根には食物酵素の「ジアスターゼ」が含まれており、犬が食べたものの消化を助ける働きがあります。

特に大根の先端部分や皮付近に多く存在し、すり下ろすとジアスターゼが活性化します。

大根の酵素は熱に弱いため、犬にジアスターゼの働きを期待したいときは大根おろしにして与えましょう。

イソチオシアネートで殺菌や抗酸化作用

大根をすりおろしたり切って細胞を壊すことで初めて生成される「イソチオシアネート」は、殺菌力が強く抗酸化作用があります。

犬にとって害となる細菌を殺してくれたり、血液をさらさらにしてくれたりと健康維持に役立つ成分が含まれています。

老化防止やガン予防、肝機能の向上などさまざまな効果が期待できます。


βカロテンで老化防止やガンの予防

大根の葉に含まれる豊富な「βカロテン」は、犬の体内で必要なだけのビタミンAを作り出し視力を維持するなど、様々な働きをしてくれます。

抗酸化作用も期待でき、皮膚の粘膜や細胞を正常に保つほか、免疫力を高めてガンの予防にもおすすめ

生よりも茹でることでβカロテンの含有量が増えるため、犬に大根を与えるときは茹でた葉も食べさせたい食材です。

カリウムで塩分排出

大根の葉には「カリウム」も豊富に含まれています。

カリウムは犬の生体維持に欠かせないミネラルで、細胞を正常に機能させるだけでなく細胞内にある余分な塩分を排出させてくれます。

余分な塩分が排出されることで血圧を下げたり、心臓機能を正常に働かせる作用も期待できます。

カリウムは腎臓に負担がかかると思われがちですが、実際は腎機能が低下したことでカリウムを排出できずに過剰摂取となってさまざまな病気を引き起こします。

健康な犬ではカリウムは必要不可欠なミネラルで、多めに摂っても過剰になりにくく、逆に足りないと病気を引き起こしてしまうこともあります。

しかし、健康体の犬であればカリウムをそこまで心配する必要はありません。

<犬種問わず、愛犬に手作りご飯を与えたい方におすすめ!「うちのトイプー」500円モニター実施中>

犬に大根を与えるときの注意点と与え方

大根の栄養素は犬にとってメリットがありますが、犬に与えるときには注意しなければいけないこともあります。

ここでは、犬に大根を与えるときの注意点と与え方をご紹介します。

犬に大根を与える時の注意点

犬に嬉しい効果が期待できる大根ですが、与え方を間違えると体調を崩してしまうこともあります

注意すべきことを知っておきましょう。

なお、犬の病気について知りたい方は【犬の病気カテゴリー記事一覧】をご確認ください。

与えすぎない

どんな食べものにも言えることですが、犬に大根を与えすぎないようにしましょう。

食物繊維や食物酵素がいっぱい詰まった大根を犬が食べすぎると、消化不良や下痢を引き起こすことがあります。

また、殺菌や抗酸化作用が期待できる「イソチオシアネート」は大根の辛み成分でもあり、たくさん食べてしまうと犬の胃腸を刺激してしまうこともあります。

犬に大根を与える量は、4kg未満の犬であれば1日に10~15g程度が目安で、大根おろしなら小さじ1杯程度です。

大根アレルギーがあることも

稀に大根で、以下のような食物アレルギー反応が出る犬もいます。

・皮膚の赤みや痒み ・耳を痒がる ・足先を執拗に舐めたり噛んだりする ・目の充血 ・嘔吐 ・軟便や下痢

大根を食べてすぐに症状が現われることもあれば、数時間以上経ってから症状が現われることもあるため判断は難しいのですが、皮膚症状と消化器症状が同時に現われた場合は大根アレルギーが疑われます。

大根を食べてから愛犬の様子がいつもと違うといった場合は、動物病院を受診するようにしましょう。

腎臓疾患のある犬や甲状腺機能低下症の犬には注意!

甲状腺機能低下症の犬には大根を与えないでください。

大根に含まれる成分「ゴイトロゲン」は、ヨウ素の吸収を阻害する働きがあります。

健康な犬であれば心配はありませんが、甲状腺機能低下を患っている犬では症状を悪化させてしまう恐れもあります。

愛犬にはほかの甲状腺の疾患があるけど大丈夫かな?と心配な場合は、獣医師に相談してから与えるようにしましょう。

また、腎臓疾患を抱えている犬もカリウムが豊富な大根の葉は与えることを控えてください。

大根の与え方

犬に与えるときは注意点がある大根ですが、正しい与え方をすれば愛犬の健康に役立つのも大根です。

犬に大根を与えるときは、その栄養素を最大限に活かした状態で食べてもらいましょう。

大根の「葉」や「皮」は必ず火を通す

犬に大根の葉や皮を与えるときは、茹でるか炒めるなど火を通してから与えてください。

大根の葉や皮にはカリウムや食物繊維がたくさん含まれており、生のまま与えてしまうと消化不良や高カリウム血症を引き起こしてしまうこともあります。

大根の葉に含まれるβカロテンは茹でることで含有量が増えるため、効果を高める意味でも犬に与えるときは必ず火を通してあげましょう。

大根の「実」は生のままでも大丈夫

犬に大根の実を与えるときは生のままでも大丈夫です。

逆に加熱してしまうとせっかくの食物酵素が壊れて効果を発揮しません。

生の大根の実の食べすぎは犬が消化不良を引き起こす原因となることもあるため、与える量には注意が必要ですが適量であれば問題ありません。

細かく刻んで与えよう

犬の食道は人間が思っているよりも細いです。

あまり噛まずに丸吞みしてしまう犬がほとんどなので、詰まらせないためにも大根を与えるときは大根おろしにするか、すり潰したり細かく刻んで食べさせましょう。

大根を上手に活用して愛犬の健康を維持しよう!

手軽に購入できて使い勝手の良い大根は、水分とたくさんの栄養が詰まった万能野菜です。

大根はいつもの愛犬のごはんのトッピングやおやつとして与えることができ、手作りごはんの材料にすることもできます。

注意点や与え方に気を付けながら、大根を上手に活用しましょう。

なお、犬の食事について知りたい方は【犬の食事カテゴリー記事一覧】をご確認ください。

<犬種問わず、愛犬に手作りご飯を与えたい方におすすめ!「うちのトイプー」500円モニター実施中>

監修者:望月 紗貴

うちのトイプー開発責任者。犬の管理栄養士、愛玩動物救命士、ペット看護士資格、ペット介護士資格、ペットセラピスト資格、ドッグトレーニングアドバイザー、ドッグヘルスアドバイザー、その他上級食育士、アレルギー対応食アドバイザーなど、数多くの資格を保有。過去にドッグトレーナーとして働き、現在は愛犬ゴールデンレトリバー、ドーベルマン(元保護犬)、ボルゾイ、ボーダーコリー、愛猫3匹と暮らす。愛犬バーニーズマウンテンドッグの腫瘍発覚後から、長年の間犬の生物学を学ぶ。

公式HP:https://true-dog-lover.com/

Share this on