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犬にとって散歩は、1日の最大の楽しみの1つです。愛犬に散歩を楽しんでもらったり飼い主さん自身が愛犬との散歩を楽しむためには、「散歩のしつけ」が大切です。
犬は嬉しさや好奇心からリードを引っ張ることがありますが、突然引っ張られてリードが離れる、首輪がしまって犬が咳き込むといった経験がある飼い主さんもいるでしょう。
今回は、愛犬の引っ張り癖に悩んでいる飼い主さんや散歩初心者さんのために、犬の散歩のしつけ方法や注意点をご紹介します。
なお、犬のしつけの基本を知りたい方は【必ず必要!犬の5つの基本しつけと方法】をご確認ください。

犬の散歩のしつけの必要性

愛犬が楽しみにしている散歩を、素晴らしいものにしてあげられるかどうかは飼い主さんにかかっています。
犬の散歩のしつけをしないと、せっかくの散歩も台無です。犬の散歩のしつけには重要な意味があり、それは飼い主さんのためだけでなく愛犬のためでもあります。
犬の安全を守るため
犬の散歩のしつけが必要な理由の1つ目は、愛犬の安全を守るためです。
散歩のしつけをしていないと、道に落ちているゴミを犬が拾い食いしてしまったり、リードを引っ張ることで首輪がしまって咳き込んだり気管や頸椎に負担がかかる、首輪やハーネスが抜けてしまって事故にあうなど、さまざまな可能性が考えられます。
実際、犬の散歩中にケガや拾い食いなどの異物誤飲などの経験をしたことのある飼い主さんは全体の約23%という調査報告(※)もあり、愛犬の安全を守るためにも散歩のしつけは大切ですね。
(※)参考:アニコム損害保険株式会社「ペットのケガや事故の実態調査」
https://www.anicom-sompo.co.jp/news/2012/news_0121101.html
思わぬ事故を防ぐため

犬の散歩のしつけが必要な理由の2つ目は、思わぬ事故を防ぐためです。上記でも述べたように、愛犬が交通事故にあうのはもちろんですが、被害者になるだけでなく加害者になってしまうこともあります。
誰かに飛びついてケガをさせてしまう、ほかの犬や人にに噛みついてケガをさせてしまう、犬が吠えることで驚いた人が転んでケガをしてしまう、犬が道路に飛び出して避けようとした車が交通事故を起こしてしまうなど、さまざまな事故を防ぐためにも散歩のしつけは大切です。
散歩の質を高めるため
犬の散歩のしつけが必要な理由の3つ目は、愛犬の散歩の質を高めるためです。
犬にとって散歩に行けることは嬉しいことですが、何よりも大好きな飼い主さんと一緒に散歩に行けてコミュニケーションを取るから楽しいのであって、ただ散歩をすればいいというものではありません。
散歩中のアイコンタクトやしつけコマンドの数々は、犬と飼い主さんのコミュニケーションを深め、犬の散歩の質が高まるため、愛犬に満足してもらえる散歩にするためにもしつけは行いましょう。

犬の散歩のしつけ方法

犬の散歩の基本はリードを短く持ち、愛犬に飼い主さんの横を同じ歩調で歩かせることです。簡単なようですが、正しくしつけを行わなければ犬は理解してくれません。
ここでは、犬の散歩のしつけ方法をご紹介します。
引っ張り癖を直す
犬が散歩中にリードを引っ張るのは、興奮していたり好奇心だったり、主導権を犬が握っていたり、リードが長すぎるなど、さまざまな理由があります。
犬の引っ張り癖を直すしつけ方法は、犬が引っ張ったり、引っ張りそうになったら、犬を見ず、声をかけずに進む向きを変えて逆方向に歩いてください。
これを繰り返し、犬が戸惑って飼い主さんの顔を見たらおやつを与えて褒めてあげましょう。
飼い主さんを見ることを習慣づけることでアイコンタクトとなり、犬がしたいことがあると飼い主さんを見てお伺いを立てるようになります。
リーダーウォークのしつけの基本となるので、しっかり覚えておきましょう。
ほかの犬や人に吠えるのをやめさせる
犬は不安や恐怖といった警戒心から、散歩中にほかの犬や人に吠えることがあります。
吠えると相手をびっくりさせてしまったり、犬同士でケンカになることもあり、吠えなくてもいいことを教えてあげなければいけません。
ほかの犬や人に吠えるときのしつけ方法は、ほかの犬や人が近づいてきたらその場で「おすわり」や「伏せ」をさせて落ち着かせたり、おやつを与えて気をそらします。
また、いつも同じ散歩コースだと、自分の縄張りだと勘違いしてほかの犬や人を侵入者として吠えることもあるため、縄張り意識を持たせないためにも、散歩コースはバラバラにしましょう。
なお、愛犬が吠えて悩んでいる方は【吠える犬のしつけ方法と吠える原因】をご確認ください。
飛びつかせないようにする
犬は嬉しすぎたり興奮から、ほかの犬や人に飛びついてしまうことがあります。
飛びつかれると思っていなかった人が転んでしまったり、犬同士のトラブルにもなりかねないため、飛びつかないようにさせる必要があります。
飛びつかせないようにするしつけ方法は、吠えるときのしつけ方法と同様に、飛びつきそうな対象が近づいてきたらその場で「おすわり」や「ふせ」をさせて落ち着かせることです。
愛犬が飛びつかないように飼い主さんがリードを短く持っておくことはもちろん、ほかの人が興奮している愛犬を撫でようとしたときは、おすわりなどをして落ち着いてから撫でてもらうようにしましょう。
拾い食いをやめさせる
犬の散歩中の拾い食いは、絶対にやめさせたいものです。
口にしても問題のないものならまだいいですが、道に落ちているものは犬が中毒を起こしてしまうものや、寄生虫に感染してしまうもの、お腹にたまってしまうものなどさまざまです。
拾い食いのしつけ方法は、散歩中に落ちているものに反応して犬が近づこうとしたら、その場で立ち止まってそれ以上行かせないようにします。
犬が落ちているものを諦めて飼い主さんを見たら、手からおやつを与えることを繰り返さば、拾い食いをすることはなくなります。
なお、愛犬の拾い食いに悩んでいる方は【犬はなぜ拾い食いをする?拾い食い対策方法】をご確認ください。
マーキングや排泄をさせない
散歩のときに犬に外で排泄をさせる飼い主さんも少なくありませんが、基本的には散歩のときにマーキングや排泄はさせないようにしましょう。
マーキングのしつけ方法としては、マーキングをしそうになったら立ち止まり、マーキングをさせないようにします。
排泄に関しては室内でのトイレのしつけを行い、散歩の前に排泄を済ませておきましょう。
とは言え、犬も生きものなのでいつもよおしてしまうかはわかりません。お散歩バッグにマナー水やうんち袋を入れておき、マーキングや排泄してしまったらきちんと処理をして、うんち袋は持ち帰ってくださいね。

犬の散歩のしつけの注意点

犬の散歩のしつけはそこまで難しいものではありません。しかし、しつけを行うときに注意しなければいけないこともあります。
普段何気なく行っていることが犬の散歩のしつけのNG行為ということも。ここでは、犬の散歩の注意点をご紹介します。
犬の散歩の時間をバラバラにする
犬の散歩を決まった時間に行く飼い主さんも少なくありませんが、散歩のしつけを行う上でも時間を決めないようにしまよう。
もちろん、夏場の暑い時間帯はアスファルトで肉球を火傷してしまったり、熱中症の危険もあるため早朝や夜になってしまいますが、散歩の時間はバラバラにしてください。
犬は体内時計が正確なため、決まった時間に散歩に行っていると「飼い主さんを散歩に連れて行く」と勘違いしてしまいます。
あくまでも、散歩は飼い主さんが連れて行ってくれるものだと犬が理解するようにしなければいけません。
犬の散歩に伸縮リードは使用しない
長さを自由に変えられる伸縮リードは便利なものですが、しつけを行う上でも伸縮リードは犬を混乱させてしまうため使用しないでください。
犬は散歩中に飼い主さんとの距離を考えて歩いています。距離が変わると感覚がわからなくなり引っ張ってしまうこともあります。
また、伸縮リードは犬が突然走り出すと勝手に伸びてしまうこともあり、思わぬ事故を防ぐためにも犬の散歩では使用しないほうがいいでしょう。
犬の散歩でリードは引っ張らない
犬の散歩のしつけでよく飼い主さんが間違えてしまうのが、リードを引っ張ってしまうことです。
犬が歩かない、歩く方向を変えたい、犬の動きを制御したいといったときについつい引っ張りがちになってしまいますが、これは逆効果。
犬は引っ張られることで不快に感じ、逃げようとしてさらに犬も引っ張るという悪循環になります。
また、リードを引っ張ると犬の気管や頸椎などに負担がかかりケガをさせてしまったり、犬と引っ張り合いになって首輪やハーネスが抜けてしまうことにもなりかねません。
力づくでしつけを行うことはできませんので、愛犬のためにもリードは引っ張らないように注意しましょう。
犬の散歩のしつけは叱ったり体罰を与えない
犬の散歩のしつけで最も大切なことは、なかなか上手にできなくても叱ったり体罰を与えてはいけないということです。
犬の散歩のしつけ中に、いらいらしてしまったり、思わず声が出てしまいそうになることもあるかもしれませんが、叱ったり体罰を与えると愛犬からの信頼を失うことにもなりかねません。
愛犬の安全を守るためにも散歩のしつけを行おう

今回は、犬の散歩のしつけの方法やしつけの注意点をご紹介しました。
愛犬にとって安全で楽しい散歩にしてもらうためにも、散歩のしつけはとても大切です。愛犬の喜ぶ姿を見れるのは、飼い主さんにとっても嬉しいことではないでしょうか。
散歩のしつけに限らず、犬のしつけはとても根気がいるものですが、どのしつけも意味があります。正しくしつけを行い、愛犬との散歩を楽しんでくださいね。
なお、愛犬のしつけに悩んでいる方は【犬のしつけカテゴリー】も合わせてご確認ください。


うちのトイプー記事作成担当。ペットフーディスト、動物介護士、ペット看護士、ペットセラピスト、トリマー・ペットスタイリスト、JKC愛犬飼育管理士の資格を保有。虹組愛犬の介護をきっかけに犬の健康や介護の在り方について考えるようになり、わんこのスペシャリストを目指して日々勉強中。17歳のMダックスと16歳のチワックスと暮らす。

うちのトイプー開発責任者。犬の管理栄養士、愛玩動物救命士、ペット看護士資格、ペット介護士資格、ペットセラピスト資格、ドッグトレーニングアドバイザー、ドッグヘルスアドバイザー、その他上級食育士、アレルギー対応食アドバイザーなど、数多くの資格を保有。過去にドッグトレーナーとして働き、現在は愛犬ゴールデンレトリバー、ドーベルマン(元保護犬)、ボルゾイ、ボーダーコリー、愛猫3匹と暮らす。愛犬バーニーズマウンテンドッグの腫瘍発覚後から、長年の間犬の生物学を学ぶ。