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犬にパイナップルを与えても大丈夫?メリットなど【犬の管理栄養士監修】

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甘くて瑞々しい果物は、人だけでなく犬も大好きな食材です。特にパイナップルは甘酸っぱくて夏にぴったりの食べ物でしょう。

しかし、パイナップルは糖分が多いイメージがありますし、食べ過ぎると舌がピリピリすることもあります。

果たして、パイナップルを愛犬に食べさせても大丈夫なのでしょうか?

そこでパイナップルを与える際の注意点やメリット・デメリット、栄養素などについて詳しくご紹介していきます。

その他、うちのトイプーでは犬の食事について幅広くご紹介しておりますので、興味がある方は【犬の食事カテゴリー】もご確認ください。

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犬はパイナップルを食べても大丈夫?

結論から言えば、犬にパイナップルを与えても大丈夫です。

各種ビタミンや食物繊維が豊富に含まれており、犬の体にとってうれしい栄養素が含まれています。

与え方や分量を間違えなければ、健康維持のためにおすすめしたい果物です。

また、甘くて水分が多いため犬の食いつきが良く、夏場の水分補給や免疫力アップも期待できるでしょう。ジュースにするなど与え方次第で消化吸収も良くなります。

豊富に含まれる各種ビタミン

パイナップルに含まれているビタミン類には、ビタミンB1・B2やビタミンCなどがあり、いずれも犬の体にとって大切な栄養素となっています。

ビタミンB1・B2

ビタミンB1(チアミン)は、神経系の機能を正常にするために不可欠な栄養素です。

アセチルコリンという神経伝達物質の合成に関与しており、知覚や刺激の伝達を助ける作用があります。

また、犬の細胞活動のエネルギーを生成する役目も担っています。

ビタミンB2(リボフラビン)については、皮膚の健康維持や被毛の質を保つことが知られています。

またビタミンB1と同じく、細胞活動のエネルギー生成に大きく関与しています。

ビタミンC

ビタミンCは抗酸化作用のある栄養素として知られており、加齢や急激な運動による細胞の酸化を抑えます。また関節に作用し、関節炎など病気の予防や治療にも役立ちます。

免疫力を高める効果も知られています。

犬の場合は体内でビタミンCを生成できるため、必ずしも必須という訳ではありません。

犬が老齢になったり、病気などで免疫力が落ちているケースではビタミンCが不足するため、外から摂取させる必要があります。

健康維持に必要なミネラルや酵素など

パイナップルには、犬の健康維持に必要な各種ビタミン以外にミネラルや酵素などが多く含まれています。いずれも犬の健康維持に役立つため、極力取り入れたい栄養素です。

カロテン

カロテンは強い抗酸化作用を持つことが知られており、細胞内で作用して免疫をアップさせます。また悪玉コレステロールの酸化を防ぎ、心臓病やがんの抑制に効果があるとされています。

ちなみに、犬の体内でカロテンはビタミンAへ変換されるため、視力の維持を助けたり、皮膚や粘膜を正常にさせる効果が期待できます。

カリウム

カリウムは、細胞が正常な機能を維持するために不可欠なミネラルです。また神経刺激やエネルギー代謝に深く関わっており、心臓の機能を正常に保つ効果もあります。

大きく欠乏することは稀ですが、時に下痢などで大量にカリウムを失うこともあるため、場合によっては食事で補う必要があります。

ブロメリン

パイナップルには、ブロメリンという酵素も含まれています。人が食べて舌がピリピリするのは、この酵素の作用によるものです。

刺激があるイメージこそありますが、実際にはタンパク質を分解する作用があり、消化を助けて胃腸の調子を整える効果があります。

食物繊維

パイナップルには、りんごの1.5倍という豊富な食物繊維が含まれており、腸内環境の改善に役立ちます。食物繊維は腸内細菌の餌になるため、腸内の善玉菌を増やし、結果的にスムーズな排便が期待できます。

犬にパイナップルを食べさせる際の注意点

犬にパイナップルを食べさせる際には、いくつかの注意点があります。パイナップルが好きだからと安易に与えてしまうと、思わぬトラブルを招くことがあるので気をつけましょう。

与える量に注意する

パイナップルには食物繊維が豊富にあることを解説しましたが、犬の腸は食べ物を大量に消化できる構造にはなっていません。

消化不良や下痢など思わぬ胃腸のトラブルを引き起こす可能性があります。

適度な量にとどめ、パイナップルの与えすぎには注意しましょう。

普段食べている総合栄養食ドッグフードには必要な栄養素が含まれているため、あえてパイナップルを多く与える必要はありません。

アレルギーの兆候があれば与えないこと

パイナップルを食べると、アレルギー症状が出る犬もいます。

パイナップルがアレルゲンになっているかどうかは詳しい検査の必要がありますが、もしアレルギーの兆候が見られたら、与えないようにしましょう。

「皮膚が赤くなる」・「耳などを必要以上に痒がる」・「下痢や嘔吐などの消化器系疾患」が見られたら、アレルギー反応が起こっている可能性があります。

缶詰やドライのパイナップルは避けること

缶詰のパイナップルの場合、甘いシロップ漬けの状態になっています。そのため犬に食べさせるには糖分が多すぎ、急激に血糖値が上がったり肥満の原因になります。

また、ドライの状態のパイナップルも同様です。乾燥させることで糖分が濃縮され、少量与えたつもりでも摂取過多になる恐れがあります。

もし食べさせるのであれば、生のパイナップルを与えるようにしましょう。

なお、犬に与えていけない食材について知りたい方は【犬に絶対に与えてはいけない食べ物!10選】をご確認ください。

パイナップルの与え方

犬にパイナップルを与える際、工夫をすることで食べやすくなったり、思わぬトラブルを避けることができます。ここでは与え方や作用について解説していきましょう。

食べやすいように細かくカットする

パイナップルは甘くて水分が多い反面、硬くて消化しにくい果物です。

食べやすいように、小さくカットしてから食べさせるようにしましょう。

パイナップルを食べさせる量の目安としては、犬の体の大きさにもよりますが、約5~15g程度が適量です。

パイナップルの皮や芯は取り除くこと

丸ごとのパイナップルをカットして与える際、皮や芯を取り除いてから食べさせましょう。

非常に噛みづらくて飲み込みにくく、消化も困難です。仮に食べてしまった場合、嘔吐や腸閉塞の原因になります。

パイナップルの皮や芯は犬にとってもあまり美味しくないはずです。甘くて柔らかい果肉の部分をカットしてから食べさせましょう。

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パイナップルのおすすめの与え方

パイナップルをそのままカットして与えることも良いのですが、ちょっとした工夫があれば犬も喜ぶことでしょう。パイナップルのおすすめの与え方を紹介します。

カット済みのパイナップルを与える

パイナップルを丸ごとカットするよりも、スーパーマーケットなどで販売されているカット商品を与えるという方法があります。

あらかじめダイスカットされているため、簡単に切ったり手でちぎったりすれば良いでしょう。

パイナップルは時間が経過しても追熟しませんが、あらかじめカットしたものは適度に柔らかくなっているため、食べやすさがアップします。

ジュースにすれば消化吸収がアップ

パイナップルの果肉をミキサーにかけ、ジュースにすることで食べやすさと消化吸収がアップします。

犬の歯は咀嚼に向かない構造をしているため、パイナップルをそのまま与えると消化に時間がかかります。

ジュースにすることで消化吸収を早め、栄養素を余すことなく摂取できるのです。

市販のパイナップルジュースには糖分がたくさん含まれているため、必ず生のパイナップルから作りましょう。

夏場はシャーベットにしてもOK

パイナップルを粗みじんにし、凍らせることで夏にぴったりの食材になります。シャーベット状になってるため、氷をそのまま与えるよりも安心です。

ただし与えすぎは良くありません。下痢などを起こす危険性があるため、少量を与えるようにしましょう。

その他、うちのトイプーでは【犬の食事カテゴリー】で様々な食材レシピをご紹介しております。

パイナップルは犬が喜ぶ果物

犬の味覚は人間と同じように、甘味を強く感じる構造になっています。甘くて美味しいパイナップルは、犬が特に好む果物の1つです。

しかし、パイナップルには豊富な栄養素がある反面、糖分が高かったり消化しにくいというデメリットもあります。与え方や量に気をつけて、ぜひ有効に活用してみてください。

その他、犬の手作りごはんのおすすめ食材は【犬の手作りごはんのおすすめ食材8選!】をご確認ください。

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監修者:望月 紗貴

うちのトイプー開発責任者。犬の管理栄養士、愛玩動物救命士、ペット看護士資格、ペット介護士資格、ペットセラピスト資格、ドッグトレーニングアドバイザー、ドッグヘルスアドバイザー、その他上級食育士、アレルギー対応食アドバイザーなど、数多くの資格を保有。過去にドッグトレーナーとして働き、現在は愛犬ゴールデンレトリバー、ドーベルマン(元保護犬)、ボルゾイ、ボーダーコリー、愛猫3匹と暮らす。愛犬バーニーズマウンテンドッグの腫瘍発覚後から、長年の間犬の生物学を学ぶ。

公式HP:https://true-dog-lover.com/

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