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愛犬がお散歩中に拾い食いをしようとして、困っている飼い主さんもいるのではないでしょうか。拾い食いは、お散歩をする上で危険な行為の1つで、飼い主さんを引っ張る原因にもなります。
もしも、拾い食いしたものが犬にとって害のあるものであったら、拾い食いをしようとして道路に飛び出てしまったら、などと考えると恐ろしいですよね・・。
今回は、愛犬の拾い食いに悩んでいる飼い主さんや、犬を飼ったばかりの飼い主さんのために、犬が拾い食いする理由や、拾い食いの対策方法などについて詳しくご紹介します。
なお、犬のしつけについて詳しく知りたい方は【犬のしつけカテゴリー】をご確認ください。

犬が拾い食いをする理由は?

犬が拾い食いすることに対して「してはいけない行為」だと思うのは、人として「落ちているものを食べてはいけない」と教わったり、人としての常識であるからでしょう。
しかし、犬はしつけをしないと拾い食いをする動物で、地面に落ちているものを食べるのは本来の姿であり、本能でもあります。
そのため、しつけもせず拾い食いをしたからといって叱っても、犬は理解する事が難しいでしょう。
拾い食いのしつけは、「愛犬が拾い食いをする原因を作らない」・「拾い食いをしないと良いことがある」ということに焦点を当てて行いましょう。
犬が拾い食いをすると危険なもの

愛犬が拾い食いしたものによっては、健康被害を引き起こす恐れがあります。
例えば、散歩中にタバコの吸い殻を拾い食いした場合、ニコチン中毒を発症し、最悪死に至る可能性があり、非常に危険です。
犬に害のないものを拾い食いした際に、稀に便として出てくるケースもありますが、拾い食いをやめない限り危険が付きまといます。
タバコの吸い殻以外のものでも、拾い食いすることで、下痢や嘔吐などの消化器系症状が引き起こされる危険性があるため、拾い食いの原因を根本から解決する事が大切です。
他にも、石などの大きく消化の難しいものを拾い食いしてしまうと、喉だけでなく食道・胃・腸などに詰まってしまい、腸閉塞の原因にもなります。
特に、犬が食べてはいけない食べ物を拾い食いした場合は、命に関わるため出来るだけ早く獣医師に相談してください。
なお、犬が食べていけない食べ物については【犬に絶対に与えてはいけない食べ物!10選】をご確認ください。
拾い食いすると危険なもの
拾い食いして良いものはありませんが、その中でも拾い食いすると危険なものをご紹介します。
爪楊枝・串
お弁当や割り箸に入っている爪楊枝や、焼き鳥やたこ焼きなどの串は、口内や食道などを傷付ける恐れがあり、非常に危険です。
これらの爪楊枝や串には、食べ物の匂いがついている事が多いので、嗅覚に優れた犬は拾い食いしてしまいます。
特に屋台が並ぶイベントをした後の場所や、バーベキュー施設付近は、爪楊枝や串などが落ちている事があるため、出来るだけお散歩コースに入れないようにしましょう。
毒性のある植物
人から見ると綺麗な花や植物でも、犬にとっては有毒な場合があります。
毒性のある植物(一例)
- チューリップ
- スズラン
- アサガオ
- アジサイ
- 梅の実
しかし、植物の知識がない方には生えている植物が愛犬にとって危険な植物かどうかの判断が難しい事でしょう。
そのため、花壇などの植物が植えてある場所には近づかないようにしてください。
毒性のある植物を拾い食いした場合の症状は、犬の体質などによって異なり、症状が出るまでの時間や症状の重症度も変わってきます。
もしも、愛犬が植物を拾い食いし、少しでもいつもと様子が違いと感じた時は獣医師に相談しましょう。
タバコの吸い殻
ニコチンは、水に溶けやすいため、雨が降った後のお散歩時には特に気をつけましょう。タバコ自体を拾い食いしなくても、タバコが溶けた水などを舐めてしまった場合でも症状が起こる恐れがあります。
ニコチン中毒の症状(一例)
- 下痢や嘔吐
- けいれん
- 不整脈
- 呼吸困難
- 大量のよだれ
愛犬がタバコの吸い殻を拾い食いしたり、タバコが溶け出した水を舐めてしまった場合は、すぐに獣医師に相談しましょう。
また、水を飲ませたり、無理矢理吐かせるなどの誤った応急処置は、逆に症状を悪化させる危険性があるため素人判断で行わずに、必ず獣医師に相談しましょう。
動物の死骸や糞
動物の死骸や糞は、ニオイが強いため犬が反応してしまいますが、拾い食いすると感染症を引き起こす恐れがあります。

犬の拾い食いの対策方法

ここでは、拾い食い防止の対策法について詳しくご紹介します。
落ちているものを勝手に食べないトレーニング!
拾い食いをさせないために、落ちているものを勝手に食べないようにしつけを行いましょう。
拾い食いをやめないのは、犬のとっては落ちているものが石やタバコであっても「落ちているものを食べてはいけない」という認識がないからです。
しかし、落ちている食べ物が汚いから食べてはいけないと教えるのは難しいため、別の認識を覚えさせて拾い食いを防止します。
このトレーニングでは、「落ちているものを食べない」=「褒めてもらえると認識」と認識してもらう方法ですので、成功した時には思う存分褒めてあげましょう。
拾い食い防止トレーニング方法
- SETP1:犬用のおやつを床に置く。
- SETP2:お散歩と同じくリードを付けて、おやつの近くを歩く。
- SETP3:犬が食べる素振りを見せたら、「だめ」などと言って止める。
- SETP4:犬がおやつの近くを通っても、食べる素振りを見せなければ褒めて別のおやつをあげる。
- SETP5:1〜4を繰り返し行い、徐々におやつを与える頻度を減らしていく。
最終的には、ご褒美をあげなくても床に置いたおやつを食べようとしなくなるようにしましょう。
大切なことは、「飼い主さんが与えた食べもの=食べても良い」・「落ちているもの=食べてはいけない」と愛犬が判断できるようにトレーニングを行うことです。
拾い食いの癖をつけないためのポイント
犬の拾い食いは、繰り返し行っていると次第に癖になってしまいますので、愛犬が拾い食いを行えない状況作りをすることが大切です。
拾い食いを出来ないようにお散歩をする
拾い食いが治らないのは、お散歩の仕方に原因があるかも知れません。
犬が拾い食いをするものは歩道の中央よりも、端の方に落ちている場合が多いといわれています。そのため公園などの車が通らない場所では、出来るだけ中央を歩くように意識しましょう。
他にも、狭い道は通らないようにしたり、人通りが少ないルートを選ぶ、石や拾い食いしてしまうものが落ちていない場所を選ぶ事で拾い食いを対処できます。
拾い食いは家の中でも⁉︎
拾い食いはお散歩中だけでなく、家の中でも拾い食いの癖が付いてしまう事があります。
食事中に愛犬が近くにいる状況だと、家族が食べこぼしたものを拾い食いしてしまう恐れがあり、その癖がお散歩中にも出てしまうかも知れません。
特に子どもがいるご家庭では、食べこぼしてしまうのは仕方のない事だと思います。
そのため、食事する場所には愛犬が入れないようにしたり、食事中はケージやサークルの中に入れるなどして、拾い食いの癖が付かないようにしましょう。
なお、外出先での食べこぼしを防止するのに役立つクレートトレーニングについて詳しく知りたい方は【犬のクレートトレーニングの必要性と方法】をご確認ください。
愛犬と安全にお散歩を楽しもう!

今回は犬が拾い食いする理由や、拾い食いの対策方法などについてご紹介しました。
犬の拾い食いには多くの危険があるので、愛犬と安心してお散歩するためにも、トレーニングをしたり拾い食いの癖がつかないようにする事が大切です。
なお、犬の散歩について詳しく知りたい方は【犬の散歩のしつけ方法やしつけ時の注意点など】をご確認ください。


うちのトイプー記事作成担当。犬の管理栄養士、犬の管理栄養士アドバンス、ドックトレーニングアドバイザー、ドックヘルスアドバイザー、愛玩動物救命士、愛玩動物介護士、ペットロスケアマネージャー、犬猫行動アナリストなどのペット関連資格を保有。愛犬との出会いをきっかけに「人と犬の生活をより良くするための力になりたい」という思いが強まり、犬の栄養学記事を主に執筆する。メスのチワワ×ミニチュアダックスフントのミックス犬2頭と共に暮らす。
Petime.Plus公式HP:https://petime-plus.com/

うちのトイプー開発責任者。犬の管理栄養士、愛玩動物救命士、ペット看護士資格、ペット介護士資格、ペットセラピスト資格、ドッグトレーニングアドバイザー、ドッグヘルスアドバイザー、その他上級食育士、アレルギー対応食アドバイザーなど、数多くの資格を保有。過去にドッグトレーナーとして働き、現在は愛犬ゴールデンレトリバー、ドーベルマン(元保護犬)、ボルゾイ、ボーダーコリー、愛猫3匹と暮らす。愛犬バーニーズマウンテンドッグの腫瘍発覚後から、長年の間犬の生物学を学ぶ。