- 犬の食事
おにぎりなどを食べていると、愛犬に海苔だけなら与えてもいいのかな?と考える飼い主さんも多いと思います。
今回は、愛犬に海苔を与えて良いのか悩んでいる飼い主さんのために、犬の健康に役立つ海苔の栄養素や与えるときの注意点などをご紹介します。
その他、うちのトイプーでは犬の食事について幅広く紹介しておりますので、興味がある方は【犬の食事カテゴリー】もご確認ください。

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犬に海苔はOK?

結論からいうと、1回当たりに与える量や頻度に注意すれば犬に海苔を与えてもOKです。
しかし、海苔は与える際の注意点が多くあり、それらを守らずに与えてしまうと愛犬の健康を損なってしまうおそれがある食材ですので、注意して与えましょう。
なお、犬が食べて良いものと悪いものを知りたい方は【犬が食べて良いもの・悪いもの】をご確認ください。
犬の健康に役立つ海苔の栄養素
海苔は、愛犬の健康を助けるビタミン類や食物繊維などの栄養素を多く含む食材です。
また、海苔のパリパリとした食感や磯の香りを好む犬も多いため、愛犬の食欲がない場合などにも効果が期待できます。
健康には欠かせないビタミン類
ビタミンは、愛犬の健康には欠かすことができない栄養素の1つですので、ビタミンが多く含まれる海苔は飼い主さんにとっても嬉しい食材です。
ビタミンA
被毛や皮膚の健康状態を保つ効果があり、毛並みや毛艶が良くなったり皮膚トラブルの予防が期待できます。
また、ビタミンAが不足してしまうと皮膚に関する病気だけではなく、目や繁殖機能に問題が起こる可能性があり、感染症や肺疾患の併発が起こりやすくなる場合があります。
ビタミンB1
疲労回復作用があり、疲れにくくなる身体作りが期待できます。
ビタミンB1が不足してしまうと、疲労感、筋力低下、視力障害及び発作などの症状が起こる可能性があり、継続的、かつ極端に不足すると最終的には死に至る恐れがあります。
ビタミン不足により病気の可能性がある場合は、早めに獣医師に相談しましょう。
ビタミンC
免疫力を高めて、風邪や感染症などにかかりにくい身体作りが期待できます。
また市販されているドッグフードには十分な量が含まれていますが、何らかの病気などにより肝臓での生成が出来ない場合には補う必要があります。
重度の脂肪吸収不良が起きた場合には、さらに多くのビタミンCを食事から補う必要があります。
その他の栄養素

海苔は、ビタミン以外にも食物繊維をはじめとする多くの栄養素が含まれています。
どのような効果があるのか知ることで、目的に合わせて与えることが可能です。
食物繊維
海苔は3分の1が食物繊維からできており、食物繊維は整腸作用などの腸内環境改善に役立つ成分です。
食物繊維は腸内細菌の餌になるため、腸内の善玉菌を増やし、結果的にスムーズな排便が期待できます。
与えすぎは下痢や嘔吐の原因になるため、適量を与えるようにしましょう。
βカロテン
βカロテンは抗酸化作用のある栄養素が多く含まれており、犬の体内でビタミンAに変わることで健康に良い効果をもたらす成分です。
皮膚の粘膜や細胞を正常に保つほか、免疫力を高めてガンの予防にも効果が期待できます。
マグネシウム
マグネシウムは身体のエネルギー代謝全般に関係し、心臓の健康維持にも欠かすことができない重要な成分です。
マグネシウムが不足してしまうと便秘や食欲減退などの症状を引き起こすおそれがあります。
ヨウ素
ヨウ素は、エネルギー代謝や細胞の活動、甲状腺ホルモンの合成を助けるなどの役割がある成分です。
ヨウ素が不足してしまうと、甲状腺機能が低下して様々な健康トラブルを引き起こしてします。
カリウム
カリウムは、細胞が正常な機能を維持するために不可欠なミネラルです。
また神経刺激やエネルギー代謝に深く関わっており、心臓の機能を正常に保つ効果も期待できます。
大きく欠乏するケースはあまりみられませんが、食欲不振による摂取量不足や下痢などで多くのカリウムを失うこともあるため、場合によっては食事で補うことが必要です。
カルシウム
カルシウムは歯や骨など骨格だけではなく、細胞の神経刺激や情報の伝達にも大きく関係し、どのライフステージでも欠かせない成分です。
海苔2枚で卵の半分や牛乳15ccと同じ量のカルシウムを摂取することができます。

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犬に海苔を与えるときの注意点

愛犬に海苔を与えるときにはいくつかの注意点があり、全て健康に関することなのでしっかり覚えておきましょう。
海苔の選び方や与え方に関する注意点
愛犬に海苔を与えるときは、与えている最中だけでなく海苔を選ぶところから注意が必要になります。
なお、犬に与えていけない食材について知りたい方は【犬に絶対に与えてはいけない食べ物!10選】をご確認くだ
味のついていない海苔を選ぶ
海苔には、人用に味付けされた韓国海苔やおかず海苔、柔らかく加工された海苔の佃煮など多くの種類が市販されていますが、それら全てを愛犬に与えて良いわけではありません。
人用に味付けされている海苔は、塩分を多く含んでいるため犬が食べてしまうと健康を害してしまうおそれがあります。
そのため、愛犬に与えるために海苔を購入する場合には味付けされていない海苔を選び、原材料をしっかりと確認することが大切です。
喉に詰まらないように工夫する
飼い主さんも海苔を食べた時に、海苔が口の中にくっついた経験が1度はあるのではないでしょうか。
愛犬に海苔を与える時は、口の中だけでなく喉にくっついてしまい窒息の危険性があるため、愛犬の体格に合わせて海苔を細かくちぎったりハサミでカットして食べやすくしてあげましょう。
また子犬は飲み込む力が弱いため海苔は与えないように注意し、成犬であっても水を用意したり食べている時は目を離さないなどして、安全に配慮することが大切です。
健康トラブルに関する注意点
愛犬に健康になってほしいと思い海苔を与える方が多いかと思いますが、注意点を守らないと逆に健康を害してしまうおそれがあるので気をつけましょう。
アレルギー
海苔などの犬に無害な食材であっても、アレルギーの原因になる可能性があります。
海苔を与えた後に少しでも愛犬の様子がおかしいと思った場合は、早めに獣医師に相談しましょう。
お腹を壊してしまう
海苔に多く含まれる食物繊維は、摂りすぎてしまうとお腹を下してしまい体調不良につながる恐れがあります。
愛犬の体重や体質によって適正な量が違うため、まずは少量与えて問題ないかを確認しましょう。
高齢犬や生まれて間もない子犬は症状が出やすいと言われているため、特に注意が必要です。
尿路結石症
海苔に含まれるマグネシウムやカルシウムを過剰に摂取してしまうと、尿が作られてから排泄するまでの尿路に石ができてしまう「尿路結石症」という病気になるおそれがあります。
尿路結石症を発症すると、尿に関するトラブル(頻尿や血尿など)を引き起こし、痛みが出てくるだけはなく重症化すると生命の危険にさらされてしまいますので与えすぎには注意しましょう。
ヨウ素の過剰摂取による健康被害
海苔にはヨウ素が多く含まれています。ヨウ素を継続して過剰に与えると、様々な健康トラブルの原因になるので、与えすぎには注意してください。
また、甲状腺や腎臓に何かしらの疾患がある犬についても、ヨウ素の過剰が原因で病気が進行してしまう危険性があります。
愛犬に持病がある場合は、必ず与えて良い量について獣医師に確認してください。
海苔を与えた後に少しでも愛犬の様子がおかしいと思った場合は、早めに獣医に相談しましょう。
愛犬の健康のために

海苔は正しい方法で与えれば愛犬の健康に役立つ食材です。
与えるときには窒息などに配慮しながら、注意点を守りましょう。
どんなに犬に良い食材であっても与えすぎは禁物。上手に海苔を活用して、愛犬の健康にお役立てください。
その他、犬の手作りごはんのおすすめ食材は【犬の手作りごはんのおすすめ食材8選!】をご確認ください。

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うちのトイプー記事作成担当。犬の管理栄養士、犬の管理栄養士アドバンス、ドックトレーニングアドバイザー、ドックヘルスアドバイザー、愛玩動物救命士、愛玩動物介護士、ペットロスケアマネージャー、犬猫行動アナリストなどのペット関連資格を保有。愛犬との出会いをきっかけに「人と犬の生活をより良くするための力になりたい」という思いが強まり、犬の栄養学記事を主に執筆する。メスのチワワ×ミニチュアダックスフントのミックス犬2頭と共に暮らす。
Petime.Plus公式HP:https://petime-plus.com/

うちのトイプー開発責任者。犬の管理栄養士、愛玩動物救命士、ペット看護士資格、ペット介護士資格、ペットセラピスト資格、ドッグトレーニングアドバイザー、ドッグヘルスアドバイザー、その他上級食育士、アレルギー対応食アドバイザーなど、数多くの資格を保有。過去にドッグトレーナーとして働き、現在は愛犬ゴールデンレトリバー、ドーベルマン(元保護犬)、ボルゾイ、ボーダーコリー、愛猫3匹と暮らす。愛犬バーニーズマウンテンドッグの腫瘍発覚後から、長年の間犬の生物学を学ぶ。