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犬に手作りご飯を与えている飼い主さんは、年々増えており、犬にレモンを与えて良いものか悩んでいる方もいるのではないでしょうか?
レモンはビタミンCが豊富に含まれているため、人であれば健康効果や美容効果が期待できる食材ですが、犬にとってはどうなのでしょうか?
今回は、犬の管理栄養士がレモンを与えるときの注意点やレモンの栄養素など、詳しく解説していきます。
なお、うちのトイプーでは犬の食事管理に役立つ情報を【食事管理カテゴリー】で幅広くご紹介しておりますので、興味がある方は参考にしてください。

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犬にレモンはOKだけど、多くの注意点がある!

結論からお話しすると、犬にレモンを与えても中毒性がないためOKです。
しかし、大抵の犬とってレモンは美味しいものではなく、不必要に与えることで犬のストレス要因になりかねませんので与えないに越したことはありません。
また、健康体の犬の体内(肝臓)ではレモンに多く含まれるビタミンCを生成することができるため、総合栄養食を与えている犬の場合は、敢えてストレスを与えながらもレモンを与える必要がありません。
その他、与える量によっては胃腸を中心とした消化器官に負担がかかりやすいので、特に注意が必要です。
なお、犬が食べて良いものや悪いものについて知りたい方は、【犬が食べて良いもの・悪いもの】をご確認ください。
レモンに含まれる主な7つの栄養素とは?

レモンと聞くと、ビタミンCのイメージが強いのですが、含まれている栄養素はビタミンCだけではありません。
ここでは、期待できる健康効果を踏まえて、レモンに含まれる主な7つの栄養素についてご紹介します。
- たんぱく質:約0.9g 犬の体のエネルギー源や構成要素に重要となる栄養素
- 脂質:約0.7g 体温の維持や脂溶性ビタミンの吸収サポートなどに役立つ栄養素
- 炭水化物:約12.5g 犬が活動するときのエネルギー源になる栄養素
- カリウム:約130g ナトリウムと共に体液のph調節や筋肉の収縮運動を正常に働かせるのに役立つ栄養素
- 葉酸:約31μg 犬の神経組織を発達させたり、貧血予防に関連する栄養素
- ビタミンC:約100mg 抗酸化作用が強く、体の酸化ストレスを軽減させるなどの働きをもつ栄養素
- クエン酸:約3.0g 犬の疲労回復やストルバイト結石の予防効果が期待できる栄養素
このように、レモンには多くのビタミンCやクエン酸が含まれています。
そのため、毛並みや骨が悪くなった老犬や皮膚病などで皮膚トラブルが多発しているような犬、疲れやすい犬にはレモンはおすすめです。
特に老犬は免疫力が低下しやすく、肝臓機能が低下しているケースではビタミンCを体内で生成できる量が減少します。
このようなケースでは、ビタミンCは積極的に与えることをおすすめします。
なお、特定の栄養素を多く与えすぎると過剰症として様々な健康トラブルが生じるケースが多いのが特徴ですが、ビタミンCについては健康体の犬であれば多めに与えても毒性がないとされています。
犬にレモンを与えるときの4つの注意点とは?

犬がレモンを嫌がる場合は、ストレスの原因になるため与えない
大抵の場合、人間同様に犬にとってもレモンは刺激が強く独特の酸っぱさがある食材です。
そのため、レモンを食べたがらない犬が多いため、愛犬が嫌がる場合はレモンは与えないようにしましょう。
また、レモンを食べた時の犬の反応を面白がって、無理に与えるというようなことは絶対に避けなければいけません。
レモンに食物アレルギーがある犬には与えない
レモンは犬の食物アレルギーを引き起こしにくい食材ですが、どんな食材であってもアレルゲンになる可能性は捨てきれません。
レモンを愛犬に初めて与える場合は微量にして、与えた後に嘔吐や下痢などの消化器系症状や痒みを中心とした皮膚トラブルなどが生じないか確認しましょう。
レモンを与える場合は少量にする
犬にレモンを与える場合は、少量に留めておきましょう。なお、小型犬の場合は、一滴ご飯に混ぜる程度で十分です。
レモンは少しでも多く与えると胃に刺激を与えやすく、胃に負担がかかりやすいのが特徴ですので、老衰や病気によりどうしてもビタミンCが必要な場合は、レモンを与えるより犬用のサプリメントがおすすめです。
レモンの皮部分は、消化できなため与えない
レモンの皮部分は犬が消化できない他、農薬などのリスクもあるため与えないようにしましょう。
消化不良によって、下痢や嘔吐などの症状を引き起こすリスクが高いので注意が必要です。
レモンが使用されている人間用食品は与えない
砂糖が多く使用されているドライレモンなど、レモンの人間用加工食品は多くありますが、レモン以外にも犬が食べてはいけない食べ物が使用されていることがあります。
レモンが使用されている人間用食品は、健康被害を及ぼすリスクが高いため、絶対に与えないでください。

ビタミンCが補給できるレモン以外のおすすめの食材
レモンには、犬の免疫力応援に役立つビタミンCが豊富に含まれていますが、老犬や病気でビタミンCを積極的に与えたい犬の場合は、他の食材を使用することをおすすめします。
ビタミンCが豊富なレモン以外の犬に良い食材としては、下記の通りです。
- 赤ピーマン100gのうち170mg程度
- ブロッコリー100gのうち120mg程度
- キウイフルーツ:100gのうち69mg程度
- イチゴ:100gのうち62mg程度
- キャベツ:100gのうち41mg程度
- ジャガイモ:100gのうち35mg程度
- サツマイモ:100gのうち29mg程度
食材を選ぶときは、栄養効果だけを考えるのではなく、犬が喜んで食べることができる食材を与えるように心がけてあげることが大切です。
犬にレモンを与えるなら、サプリメントがおすすめ!

今回は、レモンの栄養素や犬に与えるときの注意点などご紹介しましたが、レモンを与える場合には気をつけなければいけない点が多く、大抵の場合は犬はレモンが苦手です。
無理に与えるのではなく、老衰や病気によってビタミンCが不足しやすい状況の犬の場合は、犬用のビタミンサプリメントなどを使用することをおすすめします。
なお、うちのトイプーでは犬の食事管理に役立つ情報を【食事管理カテゴリー】で幅広くご紹介しておりますので、興味がある方は参考にしてください。


うちのトイプー開発責任者。犬の管理栄養士、愛玩動物救命士、ペット看護士資格、ペット介護士資格、ペットセラピスト資格、ドッグトレーニングアドバイザー、ドッグヘルスアドバイザー、その他上級食育士、アレルギー対応食アドバイザーなど、数多くの資格を保有。過去にドッグトレーナーとして働き、現在は愛犬ゴールデンレトリバー、ドーベルマン(元保護犬)、ボルゾイ、ボーダーコリー、愛猫3匹と暮らす。愛犬バーニーズマウンテンドッグの腫瘍発覚後から、長年の間犬の生物学を学ぶ。

うちのトイプー開発責任者。犬の管理栄養士、愛玩動物救命士、ペット看護士資格、ペット介護士資格、ペットセラピスト資格、ドッグトレーニングアドバイザー、ドッグヘルスアドバイザー、その他上級食育士、アレルギー対応食アドバイザーなど、数多くの資格を保有。過去にドッグトレーナーとして働き、現在は愛犬ゴールデンレトリバー、ドーベルマン(元保護犬)、ボルゾイ、ボーダーコリー、愛猫3匹と暮らす。愛犬バーニーズマウンテンドッグの腫瘍発覚後から、長年の間犬の生物学を学ぶ。