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愛犬が口の周りを執拗に痒がる姿を見ると、何とかしてあげたくてもどう対処してあげればいいか悩んでしまいますね。
犬が口の周りを痒がる原因は様々ありますが、どんな原因であっても放っておくことは口の周りを傷つけてしまったり炎症を起こしてしまうことになり、適切に対処してあげることが大切です。
今回は、愛犬が口の周りを痒がって困っている飼い主さんのために、犬が口の周りを痒がる時の対処法についてご紹介します。

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犬が口の周りを痒がる原因別の対処法

犬が口の周りを前足で掻いたり、家具や柱に口をこすりつけるなど口の周りを痒がる素振りが見られた時は、犬がなぜ口の周りを気にするのか原因を突き止め、適切に対処してあげることが大切です。
ここでは、犬が口の周りを痒がる原因別の対処法を見ていきましょう。
犬が口の周りを痒がる原因①口の中の違和感
犬が口の周りを痒がるように見えても、痒いのではなく口の中に違和感を感じているということもあります。
口の中の違和感を感じる原因の一例
・口の中に食べたものがくっついてしまった
・歯に何かが挟まった
・歯茎や口の中が痛い
・歯がぐらついている
・口の中に炎症やできものがある
・喉に何かが詰まった
・歯周病
対処法|口の中をチェック
犬が口の周りを気にしている時の対処法は、まずは無理のない範囲で口の中をチェックしてあげることです。
口の中に食べたものがくっついていたり歯に何かが挟まっているのであれば、取れそうなら取り除いてあげるといいでしょう。
この時、無理をして噛まれないように注意してください。
また、歯のぐらつきや口の中の炎症やできもの、喉に何かが詰まっているといったことが原因で口の周りを気にするときは、自分で対処しようとせずに動物病院を受診してください。
犬が口の周りを痒がる原因②感染症や炎症
犬が口の周りを痒がる時は、皮膚バリア機能が低下して感染症や炎症といった皮膚トラブルを起こしている可能性があります。
感染症や炎症は口の周り以外にも広がってしまうことがあるため、適切に対処してあげることが重要です。
対処法|エリザベスカラーで保護する
犬が口の周りを痒がるときの対処法は、エリザベスカラーで口の周りを保護してあげることです。
犬が口の周りを痒がって執拗に掻いてしまうと、掻きすぎることで炎症を起こしたり傷をつけてしまうなど、悪化させてしまうことがあります。
エリザベスカラーをつけて口の周りを保護してあげることで、掻くことができずに二次的なケガや感染を防ぐことはできるため、エリザベスカラーをつけてあげましょう。
根本的な対処法は、口の周りを痒がる原因を取り除いてあげなければ痒みはなくならないため、口の周りをいつも痒がるようであれば動物病院を受診してください。
また、食事内容やシャンプー剤などを犬の皮膚にあったものに変更してあげるなどの見直しも行いましょう。

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犬が口の周りを痒がる原因③ストレス
犬が口の周りを痒がる原因に、ストレスがあります。
犬はストレスを感じると自分の気持ちを落ち着かせるために、執拗に足先を舐めたり後ろ足で顔を体を掻く、口元を触るといった行動を見せることがあります。
カーミングシグナルとも呼ばれる行動ですが、どんな行動をするかはその犬によって異なります。
対処法|ストレスとなるものを取り除いてあげる
犬がストレスから口の周りを痒がるときの対処法は、何に対してストレスを感じているのかを考えてあげましょう。
犬が過ごしている環境、食事の量や回数、散歩の量、コミュニケーションの量などを見直し、ストレスとなっているものを取り除いてあげることが大切です。
犬がストレスを感じる原因は様々ありますが、1つ1つ考えて対処してあげることは犬の健康や生活の質が向上することにも繋がります。
犬が口の周りを痒がる!赤いときに考えられる病気

犬が口の周りを痒がるだけでなく、赤いときには炎症を起こしていることが考えられます。
そのままにしておくと病気を悪化させてしまうだけでなく、痒みが痛みに変わることもあり、犬にとってストレスになるため動物病院を受診するなど適切に対処してあげましょう。
食物アレルギー
犬が口の周りを痒がるだけでなく、赤いときに考えられる病気に食物アレルギーがあります。
食物アレルギーはアレルゲンとなる物質を摂取することでアレルギー反応を引き起こすものですが、何がアレルゲンになるかは犬によって異なります。
<犬の食物アレルギーの主な症状>
・痒がる ・口の周りが赤い ・目の周りが赤い ・下痢 ・嘔吐
犬の食物アレルギーはそう多いものではなく、食物アレルギーだと思っていたら他のアレルギーだったということもあります。
しかし、何かを食べた後に上記の症状が見られた場合は、無理に食べさせることはせず獣医師に相談してください。
犬の食物アレルギーの対処法
犬の食物アレルギーの対処法は、アレルゲンとなる物質を与えないことが第一ですが、何の食べ物にアレルギー反応を起こしているかを突き止めるためには獣医師との連携が欠かせません。
また、食物アレルギーはそれまで大丈夫であった食べ物でも突然発症することがあるため、アレルギーになりにくいように普段から消化の良い食事を心がけることも対処法の1つです。
消化の良い食事がアレルギーになりにくい理由
消化が良いと体内ですぐに分解されるため、食べ物の成分の分子量が小さくなります。分子量が小さくなることでアレルギーの免疫細胞が認識しにくくなるため、アレルギーを引き起こす可能性が低くなります。
なお、消化性に優れたドッグフードを選びたい飼い主さんは【犬の消化器ケアドッグフードおすすめの選び方】もあわせてご確認ください。
アトピー性皮膚炎
犬が口の周りを痒がるだけでなく、赤いときに考えられる病気にアトピー性皮膚炎があります。
アトピー性皮膚炎はハウスダストやダニ、花粉やカビといった環境アレルゲンに反応してアレルギー反応を引き起こしてしまうものです。
<犬のアトピー性皮膚炎の主な症状>
・痒がる ・口の周りが赤い ・目の周りが赤い ・耳が赤い ・足先や肉球の間が赤い ・脇の下や内股が赤い
犬のアトピー性皮膚炎は3歳未満の若い犬で発症することが多いですが、免疫力や代謝が低下する老犬でも見られるようになります。
最初は皮膚の赤みや痒がるだけですが、徐々に毛が抜ける、フケや掻きむしるといったことが見られるようになり、慢性化すると皮膚の黒ずみや皮膚が厚くなることもあります。
犬のアトピー性皮膚炎の対処法
アトピー性皮膚炎の対処法は、動物病院の治療はもちろんですが、犬が生活する空間を清潔に保ってあげたり、空気清浄機などを設置してあげることも対処法の1つです。
なお、アトピー性皮膚炎が疑われる場合は【犬のアトピー性皮膚炎の症状や治療法、ケア方法など】をご確認ください。

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犬が口の周りを痒がる!毛が抜けるときに考えられる病気

犬が口の周りを痒がるほかに、毛が抜けるときは感染症などの炎症がひどくなったことが考えられます。
もちろん掻きすぎて毛が抜けることもありますが、そこまで執拗に掻くのは異常なことのため、病気を疑って対処してあげることが大切です。
疥癬
犬が口の周りを痒がるだけでなく、毛が抜けるときに考えられる病気に疥癬があります。
疥癬はヒゼンダニの寄生によって引き起こされ、最初は無症状や赤い発疹で見過ごされやすいので注意が必要です。
<犬の疥癬の主な症状>
・痒がる ・プツプツとした赤い発疹 ・毛が抜ける ・フケが出る ・耳やかかとなど毛のない場所が赤い
ヒゼンダニが増殖していくと、犬の口の周り意外にも顔や耳、足、肘、かかと、胸、お腹といった場所をひどく痒がるようになり毛が抜けるほか、掻けない場所は黄色いフケが出たりします。
こんな時に痒がるのは疥癬かも?!
・ペットショップに行ったあと ・ドッグランに行ったあと ・トリミングサロンに行ったあと ・動物病院に行ったあと
疥癬は2歳未満の若い犬で多く発症し、背中には異変が見られないことが特徴です。
しかし、年齢に関わらず口の周りを痒がるほか毛が抜けるなどの症状が見られた場合は、疥癬の疑いも強くなります。
犬の疥癬の対処法
ヒゼンダニは人間にも感染するため、犬に疥癬の症状が見られたときの適切な対処法は、掻かないようにエリザベスカラ-をつけてあげることと、早めに動物病院を受診することです。
普段からノミダニの予防を定期的にすることも対処法の1つになりますよ!
マラセチア皮膚炎
犬が口の周りを痒がるだけでなく、毛が抜けるときに考えられる病気にマラセチア皮膚炎があります。
マラセチア真菌は犬の常在菌ですが、皮膚バリア機能が低下したり何らかの原因によって過剰に増えすぎてしまうことで皮膚に炎症を引き起こしてしまいます。
<犬のマラセチア皮膚炎の主な症状>
- 痒がる
- 毛が抜ける
- フケ
- 皮膚のベタつき
- 皮膚が赤い
- 脂ぽく酸っぱいニオイ
犬のマラセチア皮膚炎は口の周りのほか、口唇や耳、指間や肛門周囲、脇の下や内股といったところにも見られ、痒みが強く悪化しやすい病気のため早めに対処してあげることが大切です。
犬のマラセチア皮膚炎の対処法
犬のマラセチア皮膚炎の対処法は、動物病院を受診することはもちろんですが、自宅でも薬浴などを指示されることがあるので、きちんと獣医師の指示に従いましょう。
皮膚糸状菌症
犬が口の周りを痒がるほかに、毛が抜けるときに考えられる病気に皮膚糸状菌症があります。
皮膚糸状菌は生活環境の中に存在しているカビの一種で、傷や乾燥した皮膚から皮膚細胞に入り込み、増殖することで感染症を引き起こします。
犬の皮膚糸状菌症の主な症状 ・痒がる ・毛がちぎれる ・円形に毛が抜ける ・フケ ・かさぶた ・皮膚が赤い
通常の免疫力であれば増殖は防げるため感染症になることはありませんが、免疫機能が弱い子犬や免疫力の低下している犬では注意が必要です。
犬の皮膚糸状菌症の対処法
犬の皮膚糸状菌症の対処法は、動物病院での治療はもちろんのこと、自宅での薬浴が重要になります。
他にも対処しなければいけないのが、他の犬や猫に感染させてしまう恐れがあるため、近付けないように注意することです。
水虫の人が犬を触るときにも対処が必要
皮膚糸状菌症は人間にもうつる病気ですが、人間がうつすこともある病気です。
水虫の人は素足や素手で犬に触らないようにすることも対処法の1つです。
犬が口の周りを痒がるときに一般的に使用される薬【一覧】

近年では、動物病院を受診しなくても犬の痒み止めの薬を購入することができますが、薬によっては逆効果になってしまったり、正しく使用しないと健康に悪影響を及ぼす薬もあるため、薬を使用する際は必ず獣医師に相談してからにしてください。
ここでは、犬が口の周りを痒がるときに一般的に使用される薬をご紹介します。
プレドニゾロン
プレドニゾロンは抗炎症作用や免疫抑制作用があるステロイド剤で、炎症のもととなる物質を作らせないことや炎症を止める、取り除くといった働きで痒みを抑えてくれます。
即効性があり高い効果が期待できますが、副作用も出やすい薬です。
アトピー性皮膚炎や強い痒みがあるときなど、副作用を上回る効果が期待できるときに獣医師が処方します。
プレドニゾロンの副作用の一例
下痢 / 嘔吐 / 胃潰瘍 / 水をたくさん飲みおしっこをたくさんする(多飲多尿) / 肝障害 / 食欲増加 / 体重増加 / 感染症にかかりやすくなる / 神経障害 / 長期服用で医原性クッシング症候群になることがあるなど
アポキル(オクラシチニブ)
アポキルは分子標的薬でJAK阻害剤(ヤヌスキナーゼ阻害剤)です。脳に伝達される痒みの信号を一時的に遮断し、痒みを感じさせません。ステロイド剤同等の即効性や効果が期待できる薬です。
近年開発された安全性の高い薬で様々な痒みに対応していますが、高価なため他の薬と併用して使用されることもあります。
アポキルの副作用の一例
下痢 / 嘔吐 / 膀胱炎 / 尿路感染症
シクロスポリン錠(シクロキャップ)
シクロスポリン錠は免疫抑制剤で、過剰に反応している免疫の働きを抑えることで痒みを引き起こさないようにしてくれる薬です。
副作用が少なく、ステロイド剤のような高い効果が期待できますが、効果が現れるまでに時間がかかるため1ヶ月程度は飲み続けなければいけません。
シクロスポリン錠の副作用の一例
下痢 / 嘔吐 / 粘液便 / 食欲不振
愛犬が口の周りを痒がるときは原因を探って対処してあげよう

今回は、犬が口の周りを痒がるときの対処法や、赤い、毛が抜けるといったときに考えられる病気についてご紹介しました。
犬にとって口の周りはとても敏感な場所で、触られることを嫌がる犬も少なくありません。
しかし、自分の前足で掻くことができるからと言って、口の周りを痒がるのを何も対処せずそのままにしておくのは、二次的なケガや感染症を引き起こす原因にもなり犬のためにもなりません。
また、口の周りを痒がるだけでなく、赤いときや毛が抜けるときは何らかの病気も考えられるため、掻かないように対処した上で早めに動物病院を受診しましょう。

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うちのトイプー記事作成担当。ペットフーディスト、動物介護士、ペット看護士、ペットセラピスト、トリマー・ペットスタイリスト、JKC愛犬飼育管理士の資格を保有。虹組愛犬の介護をきっかけに犬の健康や介護の在り方について考えるようになり、わんこのスペシャリストを目指して日々勉強中。17歳のMダックスと16歳のチワックスと暮らす。

うちのトイプー開発責任者。犬の管理栄養士、愛玩動物救命士、ペット看護士資格、ペット介護士資格、ペットセラピスト資格、ドッグトレーニングアドバイザー、ドッグヘルスアドバイザー、その他上級食育士、アレルギー対応食アドバイザーなど、数多くの資格を保有。過去にドッグトレーナーとして働き、現在は愛犬ゴールデンレトリバー、ドーベルマン(元保護犬)、ボルゾイ、ボーダーコリー、愛猫3匹と暮らす。愛犬バーニーズマウンテンドッグの腫瘍発覚後から、長年の間犬の生物学を学ぶ。