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愛犬が身体を痒そうにしている様子を見た事はありますか?何も問題がなくても、犬も人と同じく身体をかくことがあるため、あまり気に止めていない飼い主さんもいるかもしれません。
しかし、愛犬が痒がるのにはさまざまな原因があり、適切なケアや治療をせずに放置していると多くの健康トラブルに繋がることもあり、QOL低下の原因になることも・・。
今回は、犬がどうして痒がるのかを知りたい飼い主さんや、愛犬が痒そうにしていて心配な飼い主さんのために、犬が痒がる原因や考えられる病気などについて詳しくご紹介します。
痒がる様子が続く、または痒がる頻度が高い場合は、必ず獣医師に相談して適切な検査を受けさせましょう。

犬が痒がる原因は?

ここでは、犬が痒がる原因について詳しくご紹介します。原因に応じた対処法を行うようにしましょう。
どうして犬が痒がるの?
犬が痒がる理由は、人と同じように虫刺されによるものだったり、環境の変化によるストレスなど多くあります。
痒くなる理由①:毛の生え変わり
犬種によっての差や個体差があるものの、多くの犬には毎年、春・秋に毛が生え変わり、この毛が生え変わる期間を「換毛期」といいます。
換毛期に適正に毛の生え変わりが行われない場合、被毛に毛玉ができてしまう事があり、この毛玉が原因となって、菌が繁殖することで痒みが起こります。
なお、換毛期は犬によって通年起こったり時期がずれることもあります。
痒くなる理由②:虫さされ
犬の痒みは、虫刺されによって起こる事があります。
蚊だけでなく、ノミやマダニ等に刺され、皮膚炎を引き起こす事で痒みなどの症状が出ます。
痒くなる理由③:乾燥
普段愛犬が生活している場所が乾燥していると、愛犬の皮膚が乾燥して痒みが出る場合があります。
例えば、湿度が低い部屋で加湿器を使用しない、暑いからという理由でエアコンを使用しすぎるなど、さまざまな理由で乾燥するため、愛犬の生活環境の温度だけでなく湿度管理も欠かせません。
なお、犬に適切な湿度は一般的に50%~60%程度だといわれています。
痒くなる理由④:洗い残し
愛犬シャンプーをした時に、きちんと流し切らずに洗い残しがあると、残ったシャープーが原因となり痒みが出る恐れがあります。
そのため、自宅で愛犬のシャンプーを行う場合は、十分に洗い流すことを意識しましょう。
その他、人にも同じことがいえますがシャンプー剤が愛犬に合わないケースでも痒みは引き起こされます。低刺激・無添加のシャンプー剤を使用して、月1度~2カ月に1度のシャンプーがおすすめです。
過度なシャンプーは、愛犬の皮膚に本来必要である油分をとってしまい、痒みの原因になることがあります。
痒くなる理由⑤:アトピー・アレルギー
犬のアトピーは、身体のどの場所でも症状が出る恐れがあります。
また、アレルギーは食べものだけでなく、花粉やハウスダスト、ノミ・ダニなどによっても症状を引き起こします。
痒くなる理由⑥:ストレス
愛犬に何かしらの理由で大きなストレスがかかると、痒みを引き起こす場合があります。
ストレスにより自律神経が乱れてしまい、痒みなどの症状が出るため、愛犬のストレスとなる要因が思い当たる場合は取り除いてあげましょう。
また、運動不足や飼い主さんとのコミュニケーション不足、退屈しのぎで身体を過剰に掻いたり、噛んだりするケースもあるので注意が必要です。

痒みが起こりやすい犬種
生まれつき、痒みが起こりやすいと言われている犬種も存在します。
また、ここに当てはまる犬種だけが痒みを起こすわけではなく、当てはまらない犬種でも痒みを引きこおす事があるため、油断は禁物です。
なお、犬種別の痒みについては個体差があるため、参考までにご確認ください。
- 柴犬
- ウェスト・ハイランド・ホワイト・テリア
- シー・ズー
- フレンチ・ブルドッグ
- レトリバー種(ゴールデン・レトリバーなど)
- チワワ
犬が痒がるときに考えられる病気

愛犬が痒がっているのは、病気のサインかもしれません。特に犬の皮膚の病気は多く存在し、一度発症すると完治するまでに時間を要する傾向にあり、再発もしやすため厄介な病気です。
なお、犬の皮膚病について詳しく知りたい方は【犬の皮膚病の種類やケア方法、治療例など】をご確認ください。
犬が痒がるときに考えられる病気:皮膚糸状菌症
「皮膚糸状菌(ひふしじょうきんしょう)」は、犬だけの病気ではなく、他の動物や人に感染する病気で、痒みや円形の抜け毛を伴うのが特徴です。
感染する理由は、菌を持つ動物との接触だけでなく、自宅などのホコリや抜け毛(菌が付着している場合)からも感染します。感染した箇所は痒みや炎症が起こり、水ぶくれや膿疱などの症状が見られます。
治療を行わずにいると、皮膚深くまで菌が入り込み、他の病気を発症する恐れがある危険な病気です。
犬が痒がるときに考えられる病気:犬アトピー性皮膚炎
「犬アトピー性皮膚炎」は、生活環境や体質などの色々な理由で起こるアレルギーで、発症する犬種・年齢・場所もさまざまなであるのも特徴です。
「犬アトピー性皮膚炎」は、まず痒みの症状が現れ、身体をかくことで出血したり、抜け毛などの症状につながります。
出血などが固まりかさぶたになっても、痒みからかいて剥がしてしまうため、治療を行わないと悪化し続けてしまいます。
そのため、「犬アトピー性皮膚炎」は初期症状である痒みが起こった時は、出来るだけ早く獣医師に相談しましょう。
なお、犬のアトピー皮膚炎について詳しく知りたい方は【犬のアトピー性皮膚炎の症状や治療法、ケア方法など】をご確認ください。
このような犬に関しては、免疫力を高めるための食事管理も大切です。

犬が痒がるときに注意したい症状

愛犬が身体を痒がる素振りを見せていても、「自然と痒みが引くだろう」と適切な処置を行わないと、痒みが重症化したり、他の症状や他の皮膚病が併発する恐れがあります。
痒み以外に注意が必要な症状(一例)
- 脱毛
- ふけ
- 赤み
- 出血
- かさぶた
- 脱毛(全身、または部分的)
- 炎症
- 過剰な油分(べたつき)
愛犬が痒がっているだけでなく、上記の症状も見られる場合は皮膚病の可能性が高いため、出来るだけ早く動物病院を受診しましょう。
なお、注意が必要な症状の1つである「かさぶた」については【犬のかさぶたの原因や考えられる病気とは?】をご確認ください。
おうちで愛犬の痒みケアをしましょう!
出来る事なら愛犬に痒い思いはさせたくはないでしょう。
そこで愛犬に痒い思いをさせない為に、おうちで出来るケア方法をご紹介します。なお、こちらで紹介させていただく内容は、病気が原因ではないケースです。
病気が原因の場合は、必ず動物病院で適切な治療を行うことが第一優先です。
皮膚の状態を把握!
愛犬が痒がっていなくても、愛犬の皮膚の状態を定期的に確認してあげましょう。また、愛犬が痒がる素振りを見せていれば、その箇所は毎日チェックします。
超小型犬であれば全身を確認するのにそこまで時間はかかりませんが、大型犬であれば確認するのに時間がかかります。
愛犬にストレスがかからないよう、優しくコミュニケーションをとりながら行うことが大切です。
また、蒸れやすい箇所や股付近は痒みが出やすいため、注意深く確認してください。
皮膚は清潔に保つ!
痒みを防ぐ上で、愛犬の皮膚を清潔に保つことが大切です。
定期的なシャンプーや日々のブラッシング、乾燥する時期は必要に応じて保湿剤でケアしましょう。
シャンプーの頻度は被毛の量などによって異なりますが、トイプードルなど毛量の多い犬種は4週間に1度を目安にシャンプーを行いましょう。
ブラッシングは、被毛に付着したほこりやゴミを取り除いたり、皮膚のトラブルを予防する為には欠かせないケアの1つです。
ブラッシンをしながら、愛犬の皮膚の状態を確認する事ができるため、最低でも2日に1回、出来れば毎日1回行いましょう。
また、保湿は皮膚を守るために必要であり、皮膚の乾燥が原因となって痒がる恐れもあるため、加湿器を使用するなどしておうちの中が乾燥しない様に心がけてください。
湿度は、一般的に「50~60%」が目安とされています。
寄生虫から愛犬を守る!
寄生虫(マダニ・ノミ等)によって、愛犬に痒みが出ることもあります。
愛犬の寄生虫予防は毎年行いましょう。予防には薬を使用する方法が多く、薬は動物病院で処方してもらえるので獣医師に相談してください。
その他、暑い季節でなければ、虫対策として愛犬に洋服を着せて散歩するのも対策の1つです。
愛犬の健康な皮膚を維持しよう!

今回は、犬が痒がる原因や考えられる病気を中心にご紹介しましたが、痒みは犬のQOL低下を招く大きな要因になります。
痒みが重度になると不眠になってしまうこともあるので、重症化する前に早期治療を行ったり解決策を見つけることが大切です。
日頃のケアを行い、皮膚の状態は定期的に観察してあげましょう。
なお、犬の病気について詳しく知りたい方は【犬の病気カテゴリー】をご確認ください。


うちのトイプー記事作成担当。犬の管理栄養士、犬の管理栄養士アドバンス、ドックトレーニングアドバイザー、ドックヘルスアドバイザー、愛玩動物救命士、愛玩動物介護士、ペットロスケアマネージャー、犬猫行動アナリストなどのペット関連資格を保有。愛犬との出会いをきっかけに「人と犬の生活をより良くするための力になりたい」という思いが強まり、犬の栄養学記事を主に執筆する。メスのチワワ×ミニチュアダックスフントのミックス犬2頭と共に暮らす。
Petime.Plus公式HP:https://petime-plus.com/

うちのトイプー開発責任者。犬の管理栄養士、愛玩動物救命士、ペット看護士資格、ペット介護士資格、ペットセラピスト資格、ドッグトレーニングアドバイザー、ドッグヘルスアドバイザー、その他上級食育士、アレルギー対応食アドバイザーなど、数多くの資格を保有。過去にドッグトレーナーとして働き、現在は愛犬ゴールデンレトリバー、ドーベルマン(元保護犬)、ボルゾイ、ボーダーコリー、愛猫3匹と暮らす。愛犬バーニーズマウンテンドッグの腫瘍発覚後から、長年の間犬の生物学を学ぶ。