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犬にニンニクは危険!食べたときの対処法【愛玩動物救命士監修】

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犬にとってニンニクが危険であることはご存知でしょうか。

ニンニクは香りも強いため、興味を示す犬も多くいます。

そのため、食卓に食べ物を置きっぱなしにしないなど、愛犬がニンニクを食べないように予防することはもちろんですが、もしも食べてしまった時には迅速な対応が必要になります。

今回は、愛犬がニンニクを食べた時の対処法をご紹介しますが、その他の犬に危険な食材は【犬に絶対与えてはいけない食材一覧】を確認ください。

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犬にニンニクが危険な理由

ここでは、ニンニクの危険な成分や現れやすい症状についてご紹介します。

ニンニクの危険な成分

犬がたまねぎを食べてはいけないことは、皆さまご存知だと思います。

実はニンニクは、たまねぎと同じ「ヒガンバナ科ネギ属」という種類の食材です。

他にもニラや長ネギなども同じ種類の食材になります。

これらの食材には、「有機チオ硫酸化合物(別名チオスルフィン酸化合物)」と呼ばれる成分が入っており、この成分が犬にさまざまな悪影響を及ぼすのです。

しかも、加工や調理に関係なく、加熱済みのニンニクや粉末状のニンニクでも症状が出てしまい、皮についても同様に危険です。

ニンニクに含まれる犬にとっての有害成分は熱に強いため分解することができず、たまねぎを使っているハンバーグや長ネギを使っている味噌汁なども、加熱しているからといって油断は禁物。

目には見えなくても、成分が残った汁に含まれている可能性があるので気をつけましょう。

なお、ニンニク以外の危険な食材については【犬に絶対に与えてはいけない食べ物!10選】をご確認ください。

ニンニクを食べたときに現れやすい症状

焼いたニンニクを1個(約60g)食べただけで犬が高血圧などの症状を起こし、4日間入院したという報告もあり、その後も高血圧で症状が治まるまでに4ヶ月もかかったということです。

犬の高血圧は、神経への障害が出てしまったり、失明する可能性が高まるなどとても危険です(※1)。

また、犬によって個体差がありますが、ニンニクはたまねぎより中毒作用が低いといわれています。

しかし犬にとって危険な食材であることには変わりありませんので、取り扱いには十分注意しましょう。

(※1)参考元:『Safety and efficacy of aged garlic extract in dogs: upregulation of the nuclear factor erythroid 2-related factor 2 (Nrf2) signaling pathway and Nrf2-regulated phase II antioxidant enzymes

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犬がニンニクを食べた時の症状や危険な量

ここでは、犬がニンニクを食べたときに危険となる量や起こりやすい症状、症状がでるタイミングについてご紹介します。

危険な量

ニンニクに含まれる「有機チオ硫酸化合物(別名 チオスルフィン酸化合物)」と呼ばれる成分を摂取することで、犬にどのような症状を引き起こすのか、どのくらいの量を摂取すると危険なのかをご紹介します。

この成分は、溶血という血液中の酸素を運ぶ働きをしている赤血球を破壊してしまう症状や貧血といった症状を引き起こします。

危険な摂取量について調べた研究で、犬の体重1kgに対して15〜30gのニンニクを摂取すると、血液などに影響が出てさまざまな症状が現れることが分かっています。

ちなみに、一般的に売られているニンニクは1個約60gで、1片が約10g程度です。(※2)

また、ニンニクは収穫された季節によっても成分の含まれる量が違うため、あくまで危険な摂取量の参考として覚えておいてください。

つまり、体重が4kgの小型犬がニンニクを1個丸ごと食べると、何かしらの症状が出てしまう危険性があるということです。

少量であっても柴犬や秋田犬を中心に、犬種によっては遺伝的に症状を起こしやすい場合があるので気をつけましょう。

大量に食べてしまった場合や少量であっても長い期間食べ続けた場合には、重度の貧血により死に至るケースもあり大変危険です。

病気の可能性がある場合は(他の症状も併発している場合)は、早めに獣医師に相談しましょう。

溶血や貧血が原因となり起こりやすい症状
・元気がなくなる ・発熱、食欲低下 ・下痢や嘔吐 ・血便や血尿 ・高血圧 ・皮膚炎 ・痙攣 ・疸

さらに重症化すると、心拍異常・意識障害・歩行障害など重大な症状を引き起こす可能性があります。

症状がでるタイミング

大量のニンニクを食べてしまった場合には、すぐに症状が現れ始めることもありますが、一般的には数日後に症状が現れます。

初期症状はぐったりして元気がなくなってしまい、その後に他の症状が現れることが多いのが特徴です。

犬にとってニンニクは危険な食材ですが、1gだけ食べたからといって症状が出るわけではありません。

犬の体重によっても異なりますが、ニンニクは大量に食べてしまわない限り、基本的には重症化しないといわれています。

つまり、料理中に落としたみじん切りのニンニク程度では問題がないケースが多いということです。

ペットフードに少量のニンニクを匂い付けのために入れていたという歴史的事実もあるようですが、そのペットフードが原因で悪影響を及ぼしたという報告はないようです(※3)。

しかし、犬は人間と違いニンニクの成分を体内で消化することは不可能です。

ニンニクを与えることは決して好ましいことではありませんので注意してください。

(※2)参考元:『Some food toxic for pets』(Slovak Toxicology Society SETOX & Institute of Experimental Pharmacology and Toxicology, Slovak Academy of Sciences)

また、ニンニク以外にも犬にとって危険な食材は多くあります。詳しくは【犬が食べて良いもの・悪いもの】をご確認ください。

犬がニンニクを食べた時の対処法

犬がニンニクを食べた時は、まず何時何分にどれくらいの量を食べたのかを記録します。

確認後はすぐに動物病院に連絡。その情報を正確に伝え、その後は獣医師の指示に従ってください。

食べた量が分からない場合は、口の中や息の匂いを嗅いでどの程度ニンニクの香りがするかを伝えましょう。

他にもコーヒーのような色のおしっこをしたり、血尿が出ている場合は合わせて伝えます。

すぐに動物病院に連絡する理由は、ニンニクを食べてから3時間以上経ってしまうと消化され胃袋からなくなるからです。

胃袋からなくなると、吐かせることが出来なくなってしまうため、その後に症状が出ないことを祈ることしかできなくなってしまいます。

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しかし食べてから1時間以内であれば、胃洗浄などにより吐かせることが可能です。

また3時間以内であっても、吐き気を促す薬を使用し処置が可能な場合があるので、早めに対処しましょう。

にんにくを食べた場合に確実な効果がある解毒薬はなく、素人判断で処置してしまうのは大変危険です。

動物病院へ行くことが飼い主さんにできる唯一の対処方法です。

インターネットで調べると稀に、口に指を入れたり塩を飲ませて無理矢理吐かせるなどの方法が見つかりますが決してはいけません。

間違った対処は、ニンニクを食べたこととは別の問題を起こす原因となり、さらなる体調不良につながる危険性があります。

また、症状が出なかった場合や治療後であっても、数日間は愛犬の様子を注意深く観察しておくことが大切です。

基本的に治療を行なった場合は問題なく少しずつ回復しますが、まれに再び症状が現れることもあります。その際には再び動物病院に連絡し、獣医師に相談しましょう。

愛犬がニンニクを食べてしまった時は、焦らずに落ち着いて迅速な対応を!

愛犬がニンニクを食べた時は、何よりまずは獣医師に相談することが大切です。

愛犬の体重や犬種によって危険な摂取量や症状が異なりますので、まずは「食べない環境を作ること」が大切です。

ニンニクを調理する際には犬が近くに来ないよう工夫をしたり、犬が届くところにニンニクを置かないように徹底しましょう。

十分注意していたにも関わらず、愛犬がニンニクを食べてしまった場合は、獣医師に連絡して落ち着いて必要な情報を伝えて獣医師の指示を待ちましょう。

その他、犬に与えてはいけない食べ物については【犬が食べて良いもの・悪いもの】をご確認ください。

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監修者:望月 紗貴

うちのトイプー開発責任者。犬の管理栄養士、愛玩動物救命士、ペット看護士資格、ペット介護士資格、ペットセラピスト資格、ドッグトレーニングアドバイザー、ドッグヘルスアドバイザー、その他上級食育士、アレルギー対応食アドバイザーなど、数多くの資格を保有。過去にドッグトレーナーとして働き、現在は愛犬ゴールデンレトリバー、ドーベルマン(元保護犬)、ボルゾイ、ボーダーコリー、愛猫3匹と暮らす。愛犬バーニーズマウンテンドッグの腫瘍発覚後から、長年の間犬の生物学を学ぶ。

公式HP:https://true-dog-lover.com/

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