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膿皮症にかかった愛犬が体を掻きむしる姿は、見ている飼い主さんも辛いですよね。
1日でも早く完治させてあげたいのに、思うように改善せず途方に暮れている方もいらっしゃることでしょう。
犬の膿皮症の一般的な治療法は「内服薬」や「シャンプー療法」ですが、同時に「食事内容」の見直しも大切です。
この記事では犬の膿皮症にいい食べ物や、症状緩和が期待できるサプリメントについて紹介していきますので、ぜひ参考にしてください。
なお、膿皮症の一般的な治療法や症状については【犬の皮膚病|症状別の皮膚病や一般的な治療法】をご確認ください。

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犬の膿皮症はどんな状態?食事管理で大切なこと

犬の膿皮症はなんらかの原因で皮膚のバリア機能が弱まり、皮膚の常在菌が異常増殖したことによって引き起こされます。
膿皮症の原因となる細菌:ブドウ球菌・緑膿菌・大腸菌など。原因の約9割はブドウ球菌といわれています。
膿皮症の犬の体では何が起こっている?
膿皮症の原因は犬の皮膚に存在している常在菌です。
しかし、通常であれば常在菌が犬の皮膚に悪さをすることはありません。
膿皮症の原因の9割以上を占めると言われているブドウ球菌も、本来は皮膚を弱酸性に保つ働きに寄与していると考えられています。
ところが犬の皮膚になんらかのトラブルが起きて皮膚のバリア機能が低下すると、皮膚の細菌バランスが乱れてブドウ球菌のような常在菌が異常増殖してしまうのです。
犬の膿皮症の症状
犬の膿皮症には次のような症状がみられます。
- かゆみ
- 赤みや黒みのある発疹
- 皮膚の化膿・かさぶた・フケ
- 脱毛
- 皮膚の腫れ・痛み
- 皮膚の苔癬化(たいせんか/皮膚が厚く硬くなること)
- 発熱
犬の膿皮症の原因
犬の膿皮症を引き起こす皮膚の細菌バランスの乱れには、以下のような原因が考えられます。
- 免疫機能の低下・異常
消化機能の低下や内分泌疾患など、なんらかの理由で犬の免疫力が低下すると皮膚のバリア機能が弱まり、膿皮症の原因菌が増殖しやすくなります。
また、アレルギー性皮膚炎・アトピー性皮膚炎などの皮膚トラブルも膿皮症の原因の一つです。
- 栄養の不足・偏り
犬の体を健康に維持するための栄養が不足している、あるいは栄養バランスの偏った食事を続けていると皮膚の状態が悪くなり、膿皮症の原因菌が増殖しやすくなります。
- 外傷・間違った衛生管理(スキンケア)
犬の被毛タイプと合わないブラシを使っていたり、ブラッシングのしすぎで犬の皮膚に傷をつけてしまうと、傷口からの細菌感染が膿皮症の原因になることがあります。
また、シャンプーのしすぎで皮膚のバリア機能を低下させてしまう過剰な衛生管理や、適切な衛生管理が足りず皮膚に汚れが溜まったり抜け毛による蒸れなども、膿皮症の原因です。
膿皮症の犬の食事管理で大切なこと
愛犬が膿皮症を発症してしまったら、食事管理で大切なポイントは次の4つです。
- 質の良いタンパク質を含んだ消化に良い食事
食べたものの栄養を効率よく体内で働かせるには、質の良いタンパク質と胃腸に負担をかけない消化に良い食事が必要です。
- 栄養バランスの整った食事
必須アミノ酸が摂取できる栄養バランスの整った食事は、皮膚の新陳代謝を促し正常なバリア機能を維持します。
- 質の悪いタンパク質を排除した食事
質の悪いタンパク質を摂取すると解毒作用で肝臓と腎臓に負担をかけ、細胞の新陳代謝の乱れを引き起こす原因になります。4Dミートなどの粗悪なタンパク質は愛犬の食事から徹底的に排除しましょう。
4Dミートとは:・DEAD(屠殺以外の理由で死んだ動物の肉) ・DISEASED(病死した動物の肉) ・DYING(瀕死の動物を殺した肉) ・DISABLED(障害があった動物の肉)
- 腸内環境改善に配慮した食事
犬の腸には免疫細胞の6~7割が集中しているため、腸内環境を改善して体の免疫力を上げることが、皮膚バリア強化につながります。

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犬の膿皮症緩和に役立つ食べ物5つ
犬の膿皮症を1日でも早く改善させるためにも、膿皮症にいい食べ物を食事に取り入れましょう。手作りご飯やトッピングに使いやすい食材を、成分別にご紹介します。
皮膚の炎症を抑えバリア機能回復に役立つ「オメガ3脂肪酸」
オメガ3脂肪酸にはDHA・EPA・α-リノレン酸などがあり、体の炎症を抑制する効果が期待できます。
オメガ3脂肪酸を含む膿皮症にいい食べ物:サバ・イワシ・サンマ・えごま・亜麻仁など
肝臓の解毒効果を高め皮膚炎の原因となる毒素を軽減させる「タウリン」
タウリンには肝臓の機能を高める効果が期待できるため、解毒機能をアップさせることで皮膚炎の原因となる毒素の軽減につながります。
タウリンを含む膿皮症にいい食べ物:シジミ・あさり・牡蠣・アジ・マグロ・イワシ・ブリ・タイなど
強力な抗酸化作用で皮膚の炎症を抑える「グルタチオン」
グルタチオンは強力な抗酸化作用をもつことが知られており、活性酸素の抑制効果によって腸の免疫力を向上させ、皮膚の新陳代謝を促す効果が期待できます。
グルタチオンを含む膿皮症にいい食べ物:レバー(豚・鶏・牛)・豚肉・タラ・牡蠣・トマト・カボチャ・ブロッコリー・アスパラガス・ほうれん草など
細胞の再生を促し荒れた皮膚の回復に役立つ「亜鉛」
亜鉛は犬の体に必要な微量ミネラルの一種で、不足すると皮膚の新陳代謝と抗体生産に悪影響を及ぼすことが知られています。
亜鉛を含む膿皮症にいい食べ物:レバー(豚・牛)・牛肉・豚肉・馬肉・牡蠣・イワシ・サケ・サバ・カボチャ・舞茸・青のりなど
犬の小腸で免疫力のスイッチを入れる「βグルカン」
βグルカンは犬の小腸で免疫システムのスイッチを入れ、抗体産生を促して免疫細胞を活性化させる効果が期待できます。
βグルカンを含む膿皮症にいい食べ物:舞茸・エリンギ・しめじ・オートミール・大麦・昆布

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犬の膿皮症緩和に役立つサプリメント

トイプードルなどの犬種に多く発症する膿皮症を改善させるには、体の免疫力そのものを上げることが必要です。
皮膚だけを改善させようと考えるのではなく、腸内環境改善を目指すことが巡り巡って膿皮症の緩和につながります。
犬の膿皮症緩和に役立つサプリメントの選び方
犬の膿皮症を改善させるには、免疫力そのものを上げるための多角的なアプローチが必要です。
- 腸内環境を改善させる
- 栄養バランスを整えて全身の新陳代謝を向上させる
- 体内の炎症を抑制する
上記をどれか一つだけ目指すという考え方ではなく、すべてが密接に連携することで犬の膿皮症は緩和できるはずです。
そのため、膿皮症改善のサプリメントを選ぶ際は、皮膚の健康維持に効果が期待できる複数の成分がバランス良く配合されたものを選びましょう。
犬の膿皮症緩和に役立つサプリメントの成分
犬の膿皮症改善のためにサプリメントで積極的に摂取したい成分は、次の5つです。
- オメガ3脂肪酸(DHA・EPA)
- βグルカン
- 犬の必須アミノ酸
- ビタミンB群
- 食物繊維
上記の中で、普段の食事から比較的取り入れにくいのは「βグルカン」です。
愛犬の膿皮症緩和にサプリメントを使う場合は、βグルカンが配合されているかを一つの目安にしてはいかがでしょうか。
ただし、膿皮症の状態や体質は犬個々によって違います。
思わぬ体調不良を招かないよう、サプリメントを使う際はかかりつけの獣医師と相談して決めるのが一番です。
食事管理以外で膿皮症緩和に大切なこと

犬の膿皮症緩和と完治を目指すには、食事管理以外にも大切なことがあります。
適切な治療の継続
犬の膿皮症の治療には原因となった病気の治療だけではなく、皮膚症状を緩和させるための内服薬と外用薬が使われることもあります。
治療を開始して症状が良くなってくると、「これ以上薬は飲ませたくない」と飼い主さんの判断で投薬を止めたくなることもあるでしょう。
しかし、犬の膿皮症は一見すると治ったように見えても、再発を繰り返すことは珍しくありません。いつまで治療を続けるかは、かかりつけの獣医師の判断に従うことが大切です。
正しいシャンプー療法
犬の膿皮症治療には、皮膚炎の治療に必要な成分が入った薬用シャンプーが使われます。
膿皮症の治療に使うシャンプーは「洗い流して使う外用薬」という意識を持ちましょう。
また、膿皮症治療のためのシャンプー療法は、単純に被毛を洗う感覚では効果を最大限に発揮できません。
そのため、次のような手順で正しいシャンプー療法を実践していくことが大切です。
- シャンプー前にブラッシングで被毛のもつれと抜け毛を取り除く。
- オイルクレンジングで皮脂汚れを落とす。
- 薬用シャンプーで洗う際は、犬の皮膚にしっかり成分が浸透するように時間を置く。
- シャンプーを洗い流した後はしっかりと乾かす。
- 皮膚を保湿してバリア機能を助ける。
シャンプー療法ではオイルクレンジングでしっかり皮脂汚れを落とさないと、肝心の薬用シャンプーをはじいてしまって効果が弱まることがあります。
また、せっかくきれいにシャンプーしても、その後の保湿が不十分だとかえって皮膚バリアを弱めてしまうことになるでしょう。
少々手間がかかったとしても、正しい手順を踏んでシャンプー療法を続けることが、愛犬の膿皮症緩和への近道です。
犬の膿皮症緩和のカギは腸内環境の改善

膿皮症で苦しんでいるけれど、お腹の調子だけは抜群に良いという犬はまずいません。
愛犬の膿皮症を緩和させるには、遠回りなように見えても体の免疫力を上げる腸内環境の改善が必須です。
投薬治療・毎日の食事管理・シャンプー療法を地道にコツコツ続けていくことが、愛犬の膿皮症改善につながるのではないでしょうか。
なお、膿皮症の一般的な治療法や症状については【犬の皮膚病|症状別の皮膚病や一般的な治療法】をご確認ください。

トイプードル以外の犬にもおすすめ!オメガ3配合の免疫力応援に役立つ「うちのトイプー」

過去にブリーディング、ドッグショー、犬の飼い方相談を中心にインターネットペットショップ店長として東奔西走。これまで一緒に過ごした愛犬は、ジャーマンシェパード、フラットコーテッドレトリーバー、柴犬、北海道犬、イタリアングレイハウンド、ミニチュアシュナウザー、パグ×パピヨンのMIX。現在は13才のMシュナウザーとともにペット関連中心のライターとして活動中。

うちのトイプー開発責任者。犬の管理栄養士、愛玩動物救命士、ペット看護士資格、ペット介護士資格、ペットセラピスト資格、ドッグトレーニングアドバイザー、ドッグヘルスアドバイザー、その他上級食育士、アレルギー対応食アドバイザーなど、数多くの資格を保有。過去にドッグトレーナーとして働き、現在は愛犬ゴールデンレトリバー、ドーベルマン(元保護犬)、ボルゾイ、ボーダーコリー、愛猫3匹と暮らす。愛犬バーニーズマウンテンドッグの腫瘍発覚後から、長年の間犬の生物学を学ぶ。