- 犬のしつけ
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犬が何かの音に反応して吠えたり、怯えて震えている様子を見たことがある飼い主さんは多いと思います。
個体差があるものの、犬は人と比べて5倍以上の聴力があるため、人が聞こえない音に対して怯えるケースも多いのが特徴です。
さらに人は聞き慣れている音であるため、なぜ犬が吠えたり、怯えたりしているのかが分からないこともあります。
今回は、犬を初めて飼う飼い主さんや、子犬を育てている飼い主さんのために、犬の嫌いな音や好きな音、犬の嫌いな音に対する対策方法などを詳しくご紹介します。
なお、愛犬のしつけに悩んでいる方は【犬のしつけカテゴリー】も合わせてご確認ください。

犬の嫌いな音とは?

犬の聴力は、人が聞こえない周波数も聞き取ることが出来るほど優れています。
つまり、飼い主さんが聞こえない音でも犬には聞こえている音がたくさんあるため、「愛犬がいきなり吠える・怯える」などの現象が起こります。
【犬が嫌いな音(一例)】
- 雷や花火などの急に大きな音を発するもの
- 自然現象の音(強い風や雨・雷など)
- 道路を走る自動車の音
- 工事の音(金属音や振動する音)
- 金属関連の音
- 大型車の音
- 掃除機の音
- ドライヤーの音
人であれば、雷や強い風などの音が聞こえる理由を理解できますが、犬にとってはいきなり大きな音がするため、状況が理解できずに怯えたり不安な気持ちになったりします。
また、自宅の外から聞こえる自動車が走る音や工事の音は、犬が見えないところから音が定期的に聞こえるため、犬によってはストレスとなる恐れもあるので注意が必要です。
掃除機やドライヤーも、非常に大きな音をたてて動くため、犬が怖がって吠えたりすることも多いです。
過去の怖かった経験から嫌いになってしまう音もある
もともと犬が嫌いな音でないケースであっても、「その音」と「怖い経験・嫌な記憶」が関連づいて嫌いになってしまうケースもあります。
多くの犬がインターホンに吠えてしまうのは、インターホンの音が鳴ると知らない人が来るという経験が原因です。
他にも、一般的に犬が嫌いではない音であっても、嫌な経験をした時に聞いた音が嫌いになるケースもあります。
なお、犬が吠える原因を知りたい方は下記のリンク先からご確認ください。
- 子犬が吠える原因について詳しく知りたい方は【【ドッグトレーナー監修】子犬が吠える原因は?しつけ方法と対策など】をご確認ください。
- 子犬だけでなく成犬や老犬が吠える原因について詳しく知りたい方は【【ドッグトレーナー監修】吠える犬のしつけ方法と吠える原因】をご確認ください。

犬が好きな音とは?

犬に嫌いな音があるという事は、犬が好きな音もあります。
犬が音を好きになる理由として、その音が嬉しいことや楽しいことが始まる合図となっているケースが多いです。
犬の散歩を準備する音
散歩や飼い主さんとのお出かけは、犬の楽しみの1つです。
犬の散歩を準備する際に出る音(ハーネスの金具が何かに当たる音、首輪にリードをつける時の音、飼い主さんが車の鍵を持ったときなど)が聞こえると、犬は外出できると思い興奮します。
他にも、散歩グッズを収納している場所の扉を開ける音などの散歩に関係する音は、犬が好きな音です。
なお、散歩のしつけについて詳しく知りたい方は、【犬の散歩のしつけ方法やしつけ時の注意点など】をご確認ください。
ご飯を用意する時の音
犬にとって食べる事は、一番の楽しみと言っても過言ではないでしょう。
つまり、犬のご飯を用意する時の音(ドッグフードを持った時のガサガサ音、犬用の食器を置く音など)は、ご飯を食べられる合図のような意味合いがあるので、犬が好きな音であることは間違いありません。
また、飼い主さんが愛犬のために手作りご飯を作っている場合は、キッチンで調理する音や冷蔵庫を開ける音なども、好きな音になることがあります。
犬用おもちゃの音
犬用のおもちゃは、押したりすることで高音が鳴る商品が多いのが特徴です。
子犬の頃からおもちゃで遊んであげたり、おもちゃで1人遊びをさせることで、おもちゃの音が鳴ると遊びが始まる合図と認識するようになり、犬用のおもちゃの音が好きになります。
犬が好きな人の声や歩く音
犬は、人が聞き分けることが出来ない些細な音の違いでも、聞き分けることが出来ます。
そのため、犬が好きな人の声が玄関から聞こえたり、歩いて近づいてくる音が聞こえると、「好きな人に会える」ということを理解しているケースが多いです。

犬の嫌いな音の対策方法

犬の嫌いな音に対して対策を行わないと、嫌いな音が鳴るたびにストレスがかかってしまう恐れがあります。
外からの音を遮断する
犬に嫌いな音を聴かせないことが、最もシンプルで効果の期待できる対策方法です。
犬が外から聞こえる音に対して怖がっている時は、窓・カーテンを閉めてたり、外からの音が届きにくい部屋へ移動させるなどの対策を行い、犬に音が聞こえないようにしてあげましょう。
【犬の嫌いな音に対する防音対策(一例)】
- 防音カーテン
- 遮音シート
- 防音材など
上記は、賃貸に住んでいる方でも取り入れることが出来る対策方法です。
他にも、車通りの少ない場所に引っ越したり、防音性の高い鉄筋コンクリート造の物件を選ぶ、出来るだけ高層階の部屋を選ぶなど、対策方法は多くあるため犬が外からの音に怯えている場合は可能な範囲で対策してあげてください。
他の事に注意を向ける
嫌いな音がしてしまうと、犬は音に集中してしまい更に怯えてしまう恐れがあります。
そのため、他の事(特におやつやおもちゃなど犬が好きなこと)に注意を向けさせて、音をできるだけ気にしないような環境づくりをしてあげましょう。
【他の事に注意を向ける方法(一例)】
- 犬用のおもちゃを与えたり、犬用のおもちゃで遊んであげる
- お気に入りのおやつを与える(ガムなど食べ終わるまで時間のかかるもの)など
他にも、何か愛犬が好きなことがあれば注意を向けることが出来ますので、愛犬に合った方法で嫌いな音から気をそらしてあげましょう。
避けることが出来ない音の場合は?
生活環境などによっては、犬の嫌いな音を避けることが出来ないケースもあることでしょう。
その場合には、ゆっくりと音に慣れさせる方法も検討してください。
頻繁に嫌いな音を聞き、ストレスを感じているのであれば、恐怖や不安を少しだけでも緩和してあげられるかもしれません。
【犬に嫌いな音を慣れさせるトレーニング方法】
- 犬が嫌いな音を録音する。
- 音量を小さく設定して音を聞かせる。
- この段階で犬が嫌がったり、ストレスサインを出した場合はすぐに中止する。
- ②を聞いていられたら、たくさん褒めておやつを与える。
- 少しずつ音量を上げていき、大人しく聞いていられた場合は褒めておやつを与える。
- この段階で犬が嫌がったり、ストレスサインを出した場合はすぐに中止する。
このトレーニング方法で大切なポイントは、決して無理に慣れさせようとしないことです。
無理に慣れさせようとすると、嫌いな音がさらに嫌いになる危険性もあります。
愛犬のストレスを軽減!音対策をしっかりと行おう

今回は、犬の嫌いな音や好きな音、犬の嫌いな音に対する対策方法などをご紹介しました。
犬が嫌いな音以外のケースであっても、音がした時に嫌な経験をすると、その音に対して恐怖心を感じることもあります。
愛犬が日常生活でストレスを感じないためにも、犬の嫌いな音にゆっくりと慣れさせる、または愛犬が嫌いな音を極力聞かなくて済む環境づくりをしてあげましょう。


うちのトイプー記事作成担当。犬の管理栄養士、犬の管理栄養士アドバンス、ドックトレーニングアドバイザー、ドックヘルスアドバイザー、愛玩動物救命士、愛玩動物介護士、ペットロスケアマネージャー、犬猫行動アナリストなどのペット関連資格を保有。愛犬との出会いをきっかけに「人と犬の生活をより良くするための力になりたい」という思いが強まり、犬の栄養学記事を主に執筆する。メスのチワワ×ミニチュアダックスフントのミックス犬2頭と共に暮らす。
Petime.Plus公式HP:https://petime-plus.com/

うちのトイプー開発責任者。犬の管理栄養士、愛玩動物救命士、ペット看護士資格、ペット介護士資格、ペットセラピスト資格、ドッグトレーニングアドバイザー、ドッグヘルスアドバイザー、その他上級食育士、アレルギー対応食アドバイザーなど、数多くの資格を保有。過去にドッグトレーナーとして働き、現在は愛犬ゴールデンレトリバー、ドーベルマン(元保護犬)、ボルゾイ、ボーダーコリー、愛猫3匹と暮らす。愛犬バーニーズマウンテンドッグの腫瘍発覚後から、長年の間犬の生物学を学ぶ。