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【獣医師解説】犬の皮膚炎はなぜ起こる?治し方や薬の種類

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犬の病気として代表的なものに皮膚炎があります。

皮膚炎になってしまうと、以下のような症状が現れます。

  • 痒み
  • 皮膚の赤み
  • 毛が抜ける
  • フケがでる

今回は、犬の皮膚炎の原因や治し方について解説していきます。

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犬の皮膚炎が起こる理由

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では、犬の皮膚炎はどのような原因によって引き起こされていくのでしょうか。

皮膚炎はその原因によって治療の方法も変わってくるため、その原因をしっかり判断していくことが重要となります。

寄生虫

犬の体の表面に寄生虫がついてしまうことで、皮膚炎が起きてしまうことがあります。

主な寄生虫としては以下通りですが、その他にも様々な種類がいます

  • ノミ
  • マダニ
  • 毛包虫(ニキビダニ)
  • ミミダニ

痒みの他、皮膚に黒い汚れ(ノミ糞)や真黒な耳垢(ミミダニによるもの)が出てきます。

細菌

犬の皮膚に細菌感染が起こることで、皮膚炎になってしまうことがあります。

皮膚の細菌感染による皮膚病は、膿皮症と呼ばれます。

本来、皮膚の表面には常在菌として様々な細菌が存在します。

そういった常在菌が過剰に増えることで、以下のような症状が現れます。

  • 皮膚が赤く腫れる
  • 毛が抜ける
  • フケが出てくる
  • ガサガサとしたカサブタが出てくる

真菌

細菌以外にも、真菌(カビ)の感染によっても皮膚炎は起こります。

犬の皮膚炎の原因となる真菌として、代表的なものにマラセチア菌があります。

マラセチア菌も、耳の穴や皮膚の表面に元から存在する表在菌です。

このマラセチア菌の異常増殖があると、強い痒みや独特な臭いが出てきます。

マラセチア菌の他には、糸状菌という真菌が皮膚炎の原因になります。

この真菌は、犬に脱毛を引き起こすだけでなく、人にも感染を起こすので注意が必要です。

アレルギー性

食物アレルギーやアトピー性皮膚炎といったアレルギーによる皮膚炎も、犬にみられます。

食物アレルギーは、牛肉や乳製品、鶏肉、小麦が原因物質になることが多い!

皮膚炎だけでなく、下痢や嘔吐といった消化器症状が出てくることもあります。

アトピー性皮膚炎も、犬の代表的な皮膚炎の1つです。

完全な治し方があるわけではないため、長期間に渡って痒みを抑えるための薬を使うことや皮膚のケアを行うことが必要となります。

また、アトピー性皮膚炎の犬は皮膚の細菌感染等を起こしやすいです。

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代謝異常

脂質の代謝異常から、皮膚表面に過剰な脂分が出すぎてしまう脂漏症になってしまうことがあります。

フケが大量に出る、べたつきがあるといった皮膚の変化が起こります。

また、脂分が過剰だと上記のマラセチア菌が増えやすくなる要因になります。

心因性

ストレスなどの精神的な問題から手足をしきりに舐めてしまうといったことで、皮膚炎が起きることがあります

こういった舐めることによる皮膚炎を舐性皮膚炎といい、治し方としては薬を使うだけではありません。

犬のストレスになるような要因をなくしていくことが必要です。

犬の皮膚炎の治し方

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皮膚炎の治し方はその原因により様々です。

治し方として痒みや炎症を抑える薬を使うことが一般的です。

他にも、皮膚炎を起こす原因を取り除くことや、シャンプーなどによる皮膚のケアを行うことが治し方として大切になります。

寄生虫の予防

寄生虫による皮膚炎を治すには、まず駆虫薬を使用することが必要です。

月に一回使用することで寄生虫が着くことを予防できる薬もあります。

そのため、草むらなど外によく出る犬は予めの対策を行うことが望ましいです。

感染への対処

皮膚への感染が起きている場合には、抗菌薬や抗真菌薬を使用することが有効な治し方となります。

また、抗菌シャンプーを使った薬浴により、細菌や真菌の繁殖を抑えることも治し方の1つです。

食事療法

食物アレルギーの治し方は、食事療法が有効です。

皮膚炎を起こす原因となるアレルゲンが入ってない食事をとることで、皮膚炎を抑えることが可能です。

現在は、様々な種類の食物アレルギー用のフードも販売されています。

なお、皮膚ケアのための食事については【皮膚ケアのためのドッグフードの選び方や自宅での犬の皮膚ケア方法】をご確認ください。

皮膚のケア

薬や食事療法の他に、日常的な皮膚のケアを行うことも皮膚炎の治し方として大切です。

例えば、以下のような対策が皮膚炎の改善、予防に繋がります。

  • シャンプー等で皮膚を清潔に保つ
  • 保湿を行う
  • サプリメントで皮膚を強化する

シャンプーを自宅で行う場合は、ゴシゴシと皮膚に刺激を与えすぎないように注意しましょう。

予め泡立てたシャンプーで、犬を撫でるように洗ってあげてください。

シャンプーの頻度が多すぎると皮膚の乾燥を招き、痒みが悪化することもあるので注意しましょう。

シャンプー後の保湿は、皮膚の健康を保つために有効です。

また、アレルギー性皮膚炎の犬は、散歩後に全身を拭き体の表面のアレルゲンを除去することで痒みの発生を抑えられる場合もあります。

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動物病院で使用される皮膚炎の薬

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皮膚炎の治し方として薬は必要不可欠であり、その種類も様々です。

動物病院で処方されることの多い薬について見ていきましょう。

抗生剤

皮膚への細菌感染等の治し方として、抗生剤の使用があります。

抗生剤は、感染を起こしている細菌を倒すことで皮膚炎を改善させます。

抗生剤は錠剤やクリーム状の塗り薬があります。

抗生剤の内服薬は、体質によっては嘔吐や下痢を起こしてしまうこともあります

服用後は、そういった症状が出てないか犬の様子をしっかりと見ておきましょう。

駆虫薬

寄生虫による皮膚炎の治し方・予防として、ノミやダニへの駆虫薬が処方されます。

駆虫薬は錠剤のものや背中に垂らすスポットタイプのもの、おやつタイプのものと様々です。

予防薬の場合は、1か月に1回の使用が必要になります。

犬への飲ませやすさ・つけやすさを考えながら、その仔その仔に適した薬を見つけてあげましょう。

痒み止め

皮膚炎は犬に痒みをもたらします。

そのため、痒み止めの薬により痒みを止めてあげることが必要です。

  • ステロイド

古くから使われている代表的な痒み止めとして、ステロイドがあります。

即効性がありしっかりと痒みを抑えてくれます。

しかし、使い続けるとかえって皮膚を弱くしてしまうという弱点もあります。

  • オクラシチニブ(アポキル)

オクラシチニブは、比較的新しく開発された痒み止めです。

安全性が高く、長期間服用しても副作用が現れにくいという特徴があります。

そのため、アトピー性皮膚炎等の長期間に渡って治療が必要な皮膚炎の治し方として処方されることが多いです。

しかし、ステロイドに比較して料金が高く、飼い主さんの負担が大きくなってしまいます。

  • その他

その他の痒み止めとしては、1か月に1回注射をすることで痒みを軽減させることができるものもあります。

他にも、アトピー性皮膚炎の治し方として免疫抑制剤を痒み止めに使用することもあります。

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保湿剤

保湿剤により皮膚の強化を行うことも皮膚炎の重要な治し方・予防になります。

人の化粧水等にも使用されているセラミドが配合された犬用の保湿剤もあり、皮膚炎によりダメージを受けた皮膚をケアしていくのに適しています

シャンプー

薬用シャンプーにより皮膚の清潔さを保つことも、皮膚炎の治し方として大切です。

薬用シャンプーの中には、以下のようなものがあります。

  • マラセチア菌への対策となるシャンプー(マラセキュア、マラセブシャンプー)
  • 細菌に対して効果のある抗菌シャンプー(ノルバサンシャンプー)

原因により、適したものを使用していきましょう。

皮膚炎の種類によって治し方は様々!

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今回は、犬の皮膚炎の原因とその治し方について解説していきました。

皮膚炎と一言で言っても原因により治し方は変わってきます

犬に皮膚の痒みや異常を感じたならば動物病院に行き、適切な治し方を探っていくことが大切です。

皮膚の痒みは犬にとって多大なストレスになってしまいます

早急に適切な治し方を見つけていきましょう。

なお、犬の皮膚病については【犬の皮膚病|症状別の皮膚病や一般的な治療法】をご確認ください。

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監修者:望月 紗貴

うちのトイプー開発責任者。犬の管理栄養士、愛玩動物救命士、ペット看護士資格、ペット介護士資格、ペットセラピスト資格、ドッグトレーニングアドバイザー、ドッグヘルスアドバイザー、その他上級食育士、アレルギー対応食アドバイザーなど、数多くの資格を保有。過去にドッグトレーナーとして働き、現在は愛犬ゴールデンレトリバー、ドーベルマン(元保護犬)、ボルゾイ、ボーダーコリー、愛猫3匹と暮らす。愛犬バーニーズマウンテンドッグの腫瘍発覚後から、長年の間犬の生物学を学ぶ。

公式HP:https://true-dog-lover.com/

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