- 犬の食事
お酒のおつまみとしてよく食べられるそら豆ですが、愛犬が羨ましそうに見てくると、ついつい与えたくなる飼い主さんもいるのではないでしょうか。
また、愛犬のご飯を手作りしている飼い主さんは、そら豆を犬用ごはんの食材として使って良いのか気になっていると思います。
今回は、犬にそら豆を与えたいと考えている飼い主さんや、愛犬の手作りごはん食材に悩んでいる飼い主さんのために、犬にそら豆を与えてもOKなのか、与えるときの注意点やレシピについてご紹介します。
なお、愛犬のご飯の食材に悩んでいる方は【犬の手作りごはんのおすすめ食材8選!】も合わせてご確認ください。

犬にそら豆はOK?

結果からお伝えすると、与える際の注意点を守れば、愛犬にそら豆を与えてもOKです。ここでは愛犬にそら豆を与えるメリットを中心にご紹介します。
愛犬にそら豆を与えるメリットは?
そら豆には、愛犬の健康をサポートするさまざまな栄養素が含まれているので、栄養素ごとにどのようなメリットがあるのかをご説明します。
そら豆の注目の栄養素「カリウム」
そら豆には「カリウム」というミネラルが含まれています。カリウムは、細胞が正常に働くために必要なミネラルです。
ミネラルによる疲労回復効果だけでなく、体内の余分な塩分を排出する作用も持っており、免疫力の向上や血圧を下げて健康状態を保つ効果が期待できます。
また、犬の体内からカリウムが不足してしまうと「低カリウム血症」になる恐れがありますが、逆に過剰なカリウムを摂取した場合にも「高カリウム血症」になるので、カリウムの摂取量には注意が必要です。
そら豆の注目の栄養素 「タンパク質」
そら豆などに含まれる植物性のタンパク質は、犬の健康に欠かせない栄養素の1つです。
代謝に大きく関わる筋肉の維持や被毛・皮膚の健康だけでなく、食いつきを良くしたり満腹感を継続させる作用も期待できます。
タンパク質は成長期の犬であれば筋肉や骨の成長のため、高齢期の犬の場合は筋肉の衰えを抑えるためにと、どのライフステージの犬にとっても重要な役割を果たす栄養素です。
そら豆の注目の栄養素「カルシウム」
そら豆にはカルシウムが含まれています。
カルシウムは骨格(骨・歯など)だけではなく、細胞の神経刺激や情報の伝達にも大きく関係しているため、与える量には差が生じますが、基本的にどのライフステージの犬にも欠かせない栄養素です。
そら豆の注目の栄養素「マグネシウム」
マグネシウムは、身体のエネルギー代謝全般に関係しており、心臓の健康維持にも効果が期待できる愛犬の健康をサポートする栄養素です。
また、マグネシウムが不足してしまうと便秘や食欲減退などの症状を引き起こす恐れがあります。

犬にそら豆を与えるときの注意点

そら豆は犬も食べられる食材ですが、与える時に注意する必要があります。注意事項を守って、愛犬の健康に上手に役立てましょう。
そら豆を与える時のPoint1:必ず加熱!
そら豆は犬が食べられる食材ですが、生のそら豆は犬には消化が難しく下痢などの消化器系症状を引き起こす恐れがあります。
そのため、愛犬にそら豆を与える時は必ず加熱し、消化しやすいようにしっかり茹でて柔らかい状態であげましょう。
そら豆を与える時のPoint2:細かくカット!
そら豆は1粒1粒が大きいため、体格によっては噛み砕くことなく飲み込めてしまいます。そのため、あらかじ細かくカットしたり、フードプロセッサーなどを使ってペースト状にしてあげましょう。
細かくしたりペースト状にすることで消化しやすくなるだけでなく、超小型犬を中心に窒息リスクを軽減できます。
愛犬に安全にそら豆を食べてもらうためにも、1粒丸ごと与えるのは避けましょう。
そら豆を与える時のPoint3:与えすぎない!
そら豆に限らず、どのような食べものでも与えすぎは良くありません。特に、そら豆はカロリーがやや高いため、与えすぎると肥満体型になる恐れがあります。
犬の肥満は、多くの健康トラブルの原因となるため、愛犬が喜んで食べてくれるから、などの理由で与えすぎないようにしましょう。
また、1つの食材を与えすぎると栄養バランスも乱れやすいので注意が必要です。
そら豆を与える時のPoint4:アレルギーに注意!
そら豆は犬が食べられる食材の1つですが、アレルギーを持っている犬に与えてはいけません。
愛犬にそら豆を与えた事がない場合は、少しだけ与えて様子を見ましょう。しばらく経っても愛犬に異常がない場合は、少しずつ与える量を増やして同じく様子を見ます。
食べた直後にアレルギー症状が見られないケースであっても、量を増やすことで食物アレルギーを起こす可能性もあるため、与えた後はしっかりと愛犬の様子を観察することが大切です。
愛犬にアレルギー症状が見られた場合や、アレルギー症状ではないけれど様子がおかしいと感じた時は、獣医師に相談しましょう。
そら豆を与える時のPoint5:調味料はNG!
人がそら豆を食べる時は塩などの調味料を使用しますが、愛犬に与える場合は調味料を使ってはいけません。
愛犬が食べられるように調理したい場合は、そら豆に火を通す時も塩は使用せずに茹でるようにしてください。人が食べる用のそら豆と愛犬が食べる用のそら豆は、分けて調理するようにしましょう。

犬の簡単そら豆レシピ

愛犬のために簡単に作れるそら豆を使ったおやつレシピを2つご紹介します。
美味しく水分補給!そら豆の犬用ポタージュ
【用意する食材】
- そら豆 適量
- ヤギミルク 適量
- 水 適量
【調理方法】
①鍋にそら豆が浸かる程度の水を入れて加熱する
②沸騰したら、そら豆を入れて火を通す。
③そら豆に火が通ったら、ざるで水を切り粗熱が取れるまで待つ
④そら豆の薄皮を取り除き、フードプロセッサーやミキサーにかける
※フードプロセッサーがない場合は、包丁で細かく刻んでください。
⑤お皿にそら豆を入れて、そこにヤギミルクを加えたら完成!
美味しく水分摂取が出来る、ヤギミルクを使用した犬が食べられるポタージュです!
また、ヤギミルクにアレルギーがある場合や、与えるのが心配な場合は水で代用しましょう。
彩り鮮やか!そら豆入り犬用ポテトサラダ
【用意する食材】
- そら豆 5〜7粒
- ジャガイモ 100g
- ニンジン 20g
- ささみ 40g
- 水 適量
【調理方法】
①鍋に水を多めに入れて火にかけ、そら豆に火を通す。
②そら豆と同じく、お湯を沸かしてささみに火を通す。
③ジャガイモとニンジンの皮を剥き、耐熱容器に入れて柔らかくなるまでレンジで加熱する。
④ジャガイモは潰し、他の食材は食べやすい大きさにカットする。
※消化不良が心配な場合は、出来る限り小さくカットしたり、フードプロセッサーでペースト状にしてください。
⑤全ての食材を混ぜ合わせたら完成!
様々な食材が使用されていて栄養が多く含まれています。また、愛犬が食べられる野菜(アレルギー症状が出ない)を使ってアレンジする事も可能です。
なお、今回ご紹介レシピで使用した食材について詳しく知りたい方は、下記のリンク先で解説しています。
ささみについて知りたい方は【犬にささみを与えるメリット&おすすめレシピ】をご確認ください。
ジャガイモについて知りたい方は【犬にじゃがいもを与えるときの注意点!与え方など】をご確認ください。
愛犬と一緒にそら豆を味わおう!

今回は、犬にそら豆を与えてもOKなのか、与えるときの注意点やレシピについてご紹介しました。そら豆は、愛犬に与えることで多くのメリットがある食材です。
一方で、愛犬がそら豆を食べられるようにするために、消化しやすくしたり、アレルギーに気をつけるなど、注意点もあります。
正しい方法で愛犬にそら豆を与えて、愛犬と一緒にそら豆を堪能しましょう!なお、犬の食事ついて詳しく知りたい方は【犬の食事カテゴリー】をご確認ください。


うちのトイプー記事作成担当。犬の管理栄養士、犬の管理栄養士アドバンス、ドックトレーニングアドバイザー、ドックヘルスアドバイザー、愛玩動物救命士、愛玩動物介護士、ペットロスケアマネージャー、犬猫行動アナリストなどのペット関連資格を保有。愛犬との出会いをきっかけに「人と犬の生活をより良くするための力になりたい」という思いが強まり、犬の栄養学記事を主に執筆する。メスのチワワ×ミニチュアダックスフントのミックス犬2頭と共に暮らす。
Petime.Plus公式HP:https://petime-plus.com/

うちのトイプー開発責任者。犬の管理栄養士、愛玩動物救命士、ペット看護士資格、ペット介護士資格、ペットセラピスト資格、ドッグトレーニングアドバイザー、ドッグヘルスアドバイザー、その他上級食育士、アレルギー対応食アドバイザーなど、数多くの資格を保有。過去にドッグトレーナーとして働き、現在は愛犬ゴールデンレトリバー、ドーベルマン(元保護犬)、ボルゾイ、ボーダーコリー、愛猫3匹と暮らす。愛犬バーニーズマウンテンドッグの腫瘍発覚後から、長年の間犬の生物学を学ぶ。