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愛犬の皮膚に以前はなかったはずの黒い斑点や黒ずみを見つけたら、病気ではないかと心配になりますよね。
犬の皮膚が黒ずむ原因の多くは、メラニン色素の沈着によるものです。
老化・日焼け・物理的な刺激が原因であれば特に問題ないとされていますが、病気が原因の場合もあるため見過ごすことはできません。
また、かさぶた・脱毛・痒みなどの症状も同時に表れているなら、明らかに皮膚トラブルのサインです。
この記事では、犬の皮膚を黒ずませる原因について、症状別に紹介します。
なお、アトピー性皮膚炎の可能性がある場合は、【犬のアトピー性皮膚炎の症状や治療法、ケア方法】をご確認ください。

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Index
犬の皮膚が黒い時に考えられる3つの原因

犬の皮膚が黒いと感じたら、考えられる原因は大きく分けて次の3つです。
- 皮膚の汚れ
- ノミ・マダニなどの外部寄生虫
- メラニン色素の沈着
皮膚の汚れ
皮脂などの汚れが毛穴に詰まると、黒ゴマのようにポツポツした黒いものが皮膚に付着し、できもののように見えることがあります。
こういった汚れはティッシュや綿棒で擦っても簡単には落ちないことが多く、シャンプーできれいに洗うのが一番です。
ただし、しつこく擦ると皮膚に炎症を起こすこともあるため、優しく丁寧に洗ってください。
どうしてもきれいにならない場合は、動物病院で落としてもらいましょう。
ノミ・マダニなどの外部寄生虫
ノミに寄生されている犬の皮膚には、黒いカスのようなものが付着していることがあります。
この黒いカスの正体はノミの糞です。
また、吸血して膨らんだマダニは赤黒い小豆状になり、イボ・しこり・できものなどに見えることがあります。
マダニの駆除は慎重に!
吸血して膨らんだマダニを強引に引き剥がすと、口の部分が皮膚に残って炎症の原因になることがあります。
また、吸血したマダニを潰すと人獣共通感染症などの危険性があるため、動物病院で処置してもらうのが一番安全と言えるでしょう。
メラニン色素の沈着
メラニン色素の沈着には「加齢による老化現象」「日焼け」「物理的な刺激」といった健康に問題のないケースと、「ホルモン分泌の異常」「皮膚疾患」などの病気が原因の場合もあります。
病気が原因のメラニン色素沈着については、次項以降で症状別に詳しく解説していますので、あわせてお読みください。

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黒い色素沈着を起こす4つの病的な要因

犬の皮膚に黒い色素沈着を起こす病的な要因は、大きく分けて次の4つです。
内分泌疾患(ホルモンを作る内分泌腺の異常)
甲状腺ホルモン・副腎皮質刺激ホルモン・性ホルモン等の異常による新陳代謝の低下は、「脂漏症」「膿皮症」などの内分泌性皮膚炎を引き起こす原因です。
内分泌疾患とは:脳下垂体・膵臓・甲状腺・副腎・卵巣・精巣などの、ホルモンを分泌する器官の病気のこと。ホルモン分泌量のバランスが崩れると、犬の体にいろいろな異常や不調が生じます。
アレルギー性疾患
体の左右対称に痒みや皮膚の炎症が見られることが多く、激しい痒みによって皮膚を掻き壊し続けると、色素沈着・脱毛・皮膚の苔癬化(たいせんか:皮膚がゾウのように分厚くなる)を引き起こしやすくなります。
犬のアレルギー性疾患
・アトピー性皮膚炎 ・ノミアレルギー性皮膚炎 ・食物アレルギーなど
皮膚疾患の慢性化
細菌・真菌・外部寄生虫などが原因の皮膚炎が慢性化すると、痒みによる皮膚の掻き壊しや度重なる炎症によって皮膚に黒い色素沈着が見られることがあります。
細菌・真菌・外部寄生虫が原因の皮膚炎
・膿皮症(ブドウ球菌) ・マラセチア皮膚炎(酵母様真菌) ・疥癬(ヒゼンダニ) ・ノミ・マダニ・シラミの寄生による皮膚炎など
腫瘍
犬の皮膚に発生する腫瘍には、黒い色素沈着の原因となるメラニン色素の影響で黒い斑点のように見えるものがあります。
皮膚メラノーマ(黒色腫)と呼ばれるため真っ黒い斑点を想像しがちですが、黒い色の度合いにはかなりの幅があり、茶色や灰色に見えることもあります。
症状別!犬の皮膚が黒い時に考えられる病気

内分泌疾患、アレルギー、皮膚病の悪化が原因で皮膚が黒い場合、脱毛・痒み・かさぶた等の症状を伴うケースが多く見られます。また、これらの症状すべてを同時に併発していることも珍しくありません。
「強い痒みで患部を掻き壊す」「皮膚の違和感で必要以上になめる」といった行動を取りやすく、症状をどんどん悪化させるおそれがあるため、適切な治療が必要です。
犬の皮膚が黒い&脱毛が見られるケース
- 甲状腺機能低下症
原因 / なんらかの原因による甲状腺の萎縮
症状 / 皮膚の色素沈着・皮膚の乾燥、脱毛、元気消失、貧血
- 脂漏症
原因 / 遺伝的要素、 新陳代謝の低下、ステロイドの副作用、寄生虫・真菌感染
症状 / 皮膚のべとつき、脱毛、痒み、フケ、色素沈着
- 膿皮症
原因 / 犬の皮膚・粘膜に常在するブドウ球菌の過剰な増殖
症状 / 赤い発疹、フケ、水泡、かさぶた、脱毛、色素沈着
- アトピー性皮膚炎
原因 / 花粉、ダニ、カビなど環境中の抗原に対する過剰な免疫反応
症状 / 皮膚の炎症、痒み、脱毛、色素沈着
- 皮膚糸状菌症
原因 / 糸状菌(真菌/カビ)の感染
症状 / 皮膚の炎症、フケ、かさぶた、脱毛
犬の皮膚が黒い&痒みを伴うケース
- アトピー性皮膚炎
原因 / 花粉、ダニ、カビなど環境中の抗原に対する過剰な免疫反応
症状 / 皮膚の炎症、痒み、脱毛、色素沈着
- ノミアレルギー性皮膚炎
原因 / ノミの寄生
症状 / 激しい痒み、皮膚の炎症、脱毛 、色素沈着
- 疥癬(かいせん)
原因 / ヒゼンダニの寄生
症状 / 非常に激しい痒み、フケ、脱毛 、色素沈着
- マラセチア皮膚炎
原因 / マラセチア(酵母様真菌)の過剰な増殖
症状 / 痒み、皮膚の炎症、色素沈着
犬の皮膚が黒い&かさぶたが伴うケース
- 膿皮症
原因 / 犬の皮膚・粘膜に常在するブドウ球菌の過剰な増殖
症状 / 赤い発疹、フケ、水泡、かさぶた、脱毛、色素沈着
- 皮膚糸状菌症
原因 / 糸状菌(真菌/カビ)の感染
症状 / 皮膚の炎症、フケ、かさぶた、脱毛
- 犬ニキビダニ症(アカラス)
原因 / ニキビダニの過剰な増殖
症状 / 痒み、脱毛、色素沈着、かさぶた
- ツメダニ症
原因 / ツメダニの寄生
症状 / 比較的軽度の痒み、大量のフケ、大量のかさぶた
- 外傷
原因 / 切り傷、擦り傷、咬み傷など物理的な要因によるケガ
症状 / 出血、かさぶた
- 脂肪腫・皮脂腺上脾腫・毛包性嚢胞など
原因 / はっきりした原因は不明
症状 / かさぶた(腫瘍が潰れた場合)
なお、皮膚病別の治療についての情報は【犬の皮膚病の種類やケア方法、治療例など】をご確認ください。

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老化に伴って犬の皮膚が黒くなる理由

犬も人間と同じように、シニア期に突入する7歳を過ぎたあたりから、体に黒いシミができやすくなります。
こういったシミは長年にわたる紫外線や物理的な刺激の影響によるもので、犬の老化現象の一つです。ほぼ無害と考えてよく、犬が皮膚の黒い部分を気にしていなければ特に問題はありません。
また、老化による黒いシミは全身のどの部位にもできる可能性はありますが、飼い主さんが一番発見しやすいのは皮膚が薄く被毛も少ない腹部です。
特にお腹の皮膚が薄いピンク色の犬は薄いシミでも目立ちやすく、発見した飼い主さんを驚かせることがあります。
愛犬の体に老化によるシミを見つけたら、受診の際に一度かかりつけの獣医師に相談し、問題のないシミであることを確認しておくとより安心です。
念のための確認が皮膚トラブルを未然に防ぐ

犬の皮膚は、私たちが考えている以上にとてもデリケートです。
はじめはちょっとした皮膚の炎症でも、あっという間に慢性化して悪化の一途をたどることは珍しくありません。
犬の皮膚が黒い原因となる病気にはいろいろな種類がありますが、脱毛・痒み・かさぶたなどの症状が併発すると、犬はとても苦しむことになるでしょう。
愛犬の皮膚に黒い色素沈着を見つけたら早めに獣医師に相談し、シミの正体を確認しておけば安心ですし、皮膚トラブルを未然に防ぐことにもつながります。
なお、犬の皮膚病別の治し方については【犬の皮膚炎の治し方は?皮膚病別に解説!】をご確認ください。

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過去にブリーディング、ドッグショー、犬の飼い方相談を中心にインターネットペットショップ店長として東奔西走。これまで一緒に過ごした愛犬は、ジャーマンシェパード、フラットコーテッドレトリーバー、柴犬、北海道犬、イタリアングレイハウンド、ミニチュアシュナウザー、パグ×パピヨンのMIX。現在は13才のMシュナウザーとともにペット関連中心のライターとして活動中。

うちのトイプー開発責任者。犬の管理栄養士、愛玩動物救命士、ペット看護士資格、ペット介護士資格、ペットセラピスト資格、ドッグトレーニングアドバイザー、ドッグヘルスアドバイザー、その他上級食育士、アレルギー対応食アドバイザーなど、数多くの資格を保有。過去にドッグトレーナーとして働き、現在は愛犬ゴールデンレトリバー、ドーベルマン(元保護犬)、ボルゾイ、ボーダーコリー、愛猫3匹と暮らす。愛犬バーニーズマウンテンドッグの腫瘍発覚後から、長年の間犬の生物学を学ぶ。