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犬は吠えるのが当たり前の生きものですが、留守番中に吠えるのは飼い主さんとしては頭を悩ませる行為でしょう。
留守中は誰も制止する人がいないため、犬がいつまでも吠え続けることで近所迷惑にもなり、苦情がくるのではないかと、留守番中心配になってしまいますね。
今回は、急に留守番できなくなった犬の飼い主さんや留守番中に吠えて困っているという飼い主さんのために、犬が留守番中に吠える理由や対策についてご紹介します。
なお、愛犬の無駄吠えについての総合情報は【吠える犬のしつけ方法と吠える原因】をご確認ください。

犬が留守番中に吠える5つの理由と対策

犬にとって吠えることは意味がありますが、なぜ誰もいない留守番中に吠えるのでしょうか。
その理由は犬の防衛本能や性格、病気に至るまで様々ですが、愛犬がどんな理由で留守番中に吠えるのかを理解して対策をしてあげましょう。
老犬の場合は認知症で吠えることがある
老犬が留守番中に吠える場合、認知症になっていて吠えることがあります。
もちろん、老犬では認知症でなくても老化によって、それまでできていたことができなくなったことで不安が強くなり吠えることもありますが、老犬になったら認知症を発症する可能性があることも覚えておきましょう。
老犬の認知症とは
老犬が認知症になる原因ははっきりと解明されていませんが、脳に何らかの変化が起きて脳神経細胞や自律神経が機能しなくなることで認知症となります。
認知症は進行していく病気で根本的な治療法はありませんが、進行を遅らせることを目的に治療することが老犬と飼い主さんのためでもあります。
老犬の認知症の症状の一例
・これまでできていたことができなくなった
・いつもごはんを欲しがる
・狭いところに入って出られなくなる
・トイレの失敗が増える
・単調な声で吠える
・昼夜逆転や徘徊
老犬にこれらの症状が見られる場合は、認知症が疑われるため獣医師に相談してください。
留守番中に吠える老犬の対策
- 知育トイなどのおもちゃを用意する
- テレビや音楽をつけておく
- 老犬のそばに飼い主さんに匂いがついたものを置く
- 安心してすごせる場所を作ってあげる
- 普段からメリハリのある生活を送ってもらう
- 日光浴をする
留守番中に吠える老犬の対策として、まずは認知症なのか、老化によって不安が強くなっただけなのかを見極めてあげることが大切です。
そのうえで、認知症であっても認知症でなくても、老犬は不安を強く感じるようになるため、老犬に安心させてあげることを心がけてください。
不安で吠える場合は分離不安の可能性がある
犬が留守番中に不安で吠える場合、分離不安になっている可能性が考えられます。
それまで問題なく留守番できていた犬が、何かをきっかけに分離不安となり、留守番できなくなったということも珍しいことではありません。
犬の分離不安とは
犬が分離不安になる原因は様々ですが、留守番の時間が長すぎたり、飼い主さんとのコミュニケーション不足、エネルギーが十分に発散できていないといったことが挙げられます。
犬の分離不安は不安障害という精神疾患で、飼い主さんの姿が見えないと「このまま帰ってこないのではないか」と強い不安を感じてしまう病気です。
犬の分離不安に見られる行動の一例
・吠える
・粗相をする
・破壊行動をする
・自傷行為をする
・下痢や嘔吐
留守番をさせた犬にこれらの行動が見られる場合は、分離不安が疑われます。
分離不安で留守番中に吠える犬の対策
- 出かける前や帰宅したときに過剰なコミュニケーションは避ける
- 安心してすごせる場所を作ってあげる
- 留守番をさせるまえに散歩などをして適度に疲れさせてあげる
- 知育トイなど一人で遊べるおもちゃを用意する
- 留守番トレーニングをする
分離不安で留守番中に吠える犬の対策は、一人でいることの不安を取り除いてあげることが大切です。
分離不安の犬では、飼い主さんが出かけてもちゃんと帰ってくるということを教えてあげると共に、基本的に治療が必要な心の病気のため、獣医師に相談してください。
子犬の場合は排尿や排便の可能性がある
子犬が留守番中に吠える場合、排尿や排便がしたいという排泄の訴えの可能性があります。
生後6ヶ月未満の子犬は、体の様々な機能が成長している途中のため、たくさんの量の尿や便を溜めておくことができないほか、消化器官も未発達でお腹を壊しやすいのが特徴です。
子犬の排尿回数の目安
・生後3ヶ月…3~4時間に1回程度 ・生後4ヶ月…4~5時間に1回程度 ・生後5ヶ月…5~6時間に1回程度
生後6ヶ月にもなると排尿の回数もタイミングも定まってきます。
排泄で留守番中に吠える子犬の対策
- トイレトレーニングをする
- 留守番トレーニングをする
- 長時間の留守番はさせない
排尿や排便の訴えから留守番中に吠える子犬の対策は、長時間の留守番をさせないことです。
子犬の排泄リズムは3~5時間程度と短く、トイレトレーニング中であれば3時間以上の留守番はさせてはいけません。
子犬にどうしても長時間の留守番をさせなければいけないといったときは、動物病院やペットホテルで預かってもらうか、ペットシッターをお願いするようにしましょう。
家を守らなければいけないと思っている
犬が留守番中に吠えるのは、家を守ろうとしているということも考えられます。
犬には縄張り意識があり、自分の生活している家や庭などを縄張りとしています。飼い主さんが留守の間、自分が家を守らなければいけないと思って、外の物音や気配を警戒して吠えるのです。
家を守るために留守番中に吠える犬の対策
- テレビや音楽をつけておく
- カーテンや目隠しをして窓の外が見えなくする
- ケージを置く場所を工夫する
- ケージに毛布やタオルをかける
- 知育トイなどのおもちゃを用意する
家を守るためにリス番中に吠える犬の対策は、外に意識を向けさせないことです。
ケージの中で犬を留守番させている場合では、窓や玄関といった外の気配を察知しやすいところから離れた場所にケージを設置したり、カーテンなどで窓の外が見えなくするなどの工夫が必要です。
犬の性格
犬が留守番中に吠えるのは、その犬の性格ということもあります。
もちろん、しつけがちゃんとできていなければ犬の性格に関係なく吠えてしまいますが、吠えることをコントロールするしつけをしていても吠える場合は、性格的にネガティブな部分があるのかもしれません。
留守番中に吠える犬の性格の傾向
・マイナス志向
・怖がり
・寂しがり
・神経質
・不安になりやすい
性格はその犬の個性であり、自分に置き換えてみたらわかるように、根本的な性格を変えることはできません。犬の性格を理解した上で、留守番中の対策をしてあげましょう。
性格で留守番中に吠える犬の対策
- 留守番トレーニングをする
- 知育トイなどのおもちゃを用意する
- テレビや音楽をつけておく
- 安心してすごせる場所を作ってあげる
性格で留守番中に吠える犬の対策は、犬に留守番に慣れてもらうように留守番のトレーニングをすることが重要です。
また、一人で遊ぶことができるようにもしてあげましょう。最近では知育トイなども販売されており、頭と時間を使って遊ぶことができます。
なお、うちのトイプーでは犬のしつけに関する情報を幅広く紹介しておりますので、興味がある方は【犬のしつけカテゴリー】をご確認ください。

犬が留守番中に吠える時のおすすめグッズ

どんな理由であっても、犬が留守番中に吠えると近所から苦情がきたり、賃貸住宅では退去を言い渡されることもあり、何とかしないといけませんね。
留守番中の対策をするのはもちろんのこと、犬が留守番中に吠えるのを抑える効果が期待できるグッズも上手に活用してみましょう。
不安な犬にはペットカメラ
留守番中の愛犬の様子を外出先からスマホなどで見ることができるペットカメラですが、最近では首振り機能がついたものや給仕機能がついたもの、呼びかけ機能がついたものなど、様々なペットカメラが販売されています。
犬が吠えると教えてくれる機能がついているものもあり、留守番中に吠える犬では、吠えると教えてくれる機能と、飼い主さの声で呼びかけができる機能の両方がついたペットカメラがおすすめです。
犬のリラックス音楽
最近では、犬用のリラックス音楽が販売されていることをご存知ですか?YouTubeなどでも犬のための音楽がたくさんあり、簡単に入手できます。
犬によって好きな音楽は異なりますが、音楽をかけることで吠えることが減ったという飼い主さんも少なくないため、試してみてはいかがでしょうか。
ペット用アロマ
アロマテラピーは「芳香療法」として人間でも様々なシーンで使用されることがありますが、犬にも効果が認められているものです。
リラクゼーション効果が期待でき、犬が留守番中に吠えることを軽減できます。
アロマの種類によっては犬の体に害を及ぼす可能性もあるため、不安な飼い主さんはペット用アロマや犬用アロマを使用してください。
なお、犬は嗅覚が鋭いため使用量は必ず守り、微量を犬の生活空間から距離を置いて使うようにしましょう。
留守番グッズを選ぶ時の注意点!無駄吠え防止首輪などは使用しない
留守番中に犬が吠えることをやめさせるためのグッズに、吠えると電流が流れる首輪や、犬が嫌いなニオイが出る首輪などがあります。
体罰系の首輪は犬のストレスとなり、留守番が嫌いになるだけでなく、ますます吠えることを助長してしまったりケガをしてしまうこともあるため使用しないでください。
ライスステージ別!犬が留守番で吠える原因

犬が留守番中に吠える理由は主に不安や警戒といったものですが、ライフステージ別で吠える原因もあります。
- 子犬
いきなり長時間の留守番をさせるなど、子犬の留守番トレーニングができていないことが考えられます。
また、子犬の時期は体力があり余っているため、十分に遊んであげたり散歩をしてあげなければ留守番中でも吠えやすくなってしまうでしょう。
- 成犬
成犬になると警戒心もつき、縄張り意識が強くなってくるため留守番中に外の物音や気配に敏感になりがちです。
また、犬には学習能力があるように良いことや嫌なことは覚えているため、留守番中に何か怖いことや嫌なことがあったりするとトラウマとなり、吠えたりしてしまうこともあります。
- 老犬
老犬になると体の衰えからそれまで以上に不安を感じやすくなり、飼い主さんの姿が見えないことで不安が強まってしまいます。
犬が留守番中に吠える理由に合わせて対策しよう!

今回は、犬が留守番中に吠える理由と対策をご紹介しました。
犬にとって吠えることは意味がありますが、必要以上に吠えるのは体にも精神的にも負担がかかり、犬のためにもなりません。
犬が留守番中に吠えるのをやめさせることは根気よくトレーニングする必要がありますが、おもちゃやグッズなどを活用して、留守番を上手にできるようになってもらいましょう。
また、犬が留守番中に吠える理由が認知症や分離不安症であった場合は、獣医師に相談してくださいね。
なお、愛犬の無駄吠えについての総合情報は【吠える犬のしつけ方法と吠える原因】をご確認ください。


うちのトイプー記事作成担当。ペットフーディスト、動物介護士、ペット看護士、ペットセラピスト、トリマー・ペットスタイリスト、JKC愛犬飼育管理士の資格を保有。虹組愛犬の介護をきっかけに犬の健康や介護の在り方について考えるようになり、わんこのスペシャリストを目指して日々勉強中。17歳のMダックスと16歳のチワックスと暮らす。

うちのトイプー開発責任者。犬の管理栄養士、愛玩動物救命士、ペット看護士資格、ペット介護士資格、ペットセラピスト資格、ドッグトレーニングアドバイザー、ドッグヘルスアドバイザー、その他上級食育士、アレルギー対応食アドバイザーなど、数多くの資格を保有。過去にドッグトレーナーとして働き、現在は愛犬ゴールデンレトリバー、ドーベルマン(元保護犬)、ボルゾイ、ボーダーコリー、愛猫3匹と暮らす。愛犬バーニーズマウンテンドッグの腫瘍発覚後から、長年の間犬の生物学を学ぶ。