• 犬の病気
  • 犬のケア方法
  • うちのトイプーSOS

犬の肛門線絞りをしないとどうなる?頻度や費用など【動物看護師解説】

Share this on

犬を飼っているお友達から肛門線絞りの話を聞いて、ご自身の愛犬にも行った方が良いか悩んでいる方も多いのではないでしょうか?

肛門線絞りは、犬によって必ずしなければいけないケースと、しなくても良いケースがあります。

今回は、犬の肛門線絞りに悩んでいる飼い主さんのために、肛門線絞りが必要な犬と必要でない犬についての情報や肛門線絞りをしないとどうなるかなど、幅広くご紹介します。

なお、うちのトイプーでは犬のケア方法について様々な情報を紹介しておりますので、興味がある方は【犬のケア方法カテゴリー】をご確認ください。

最初のバナー

肛門線絞りは全ての犬に必要なわけではない!

肛門腺は、犬の肛門の左右にある「分泌腺」を指し、肛門腺内部で強い臭いを発する分泌液が生産されています。

通常肛門線の分泌液は便と一緒に排泄されますが、肛門付近の筋肉量や分泌液を排泄する力が少ない犬に関しては、自分の力で分泌液を排泄できないことがあります。

特に小型犬や老犬は、人の手で肛門線絞りをしてあげなければいけないケースが多いのが特徴です。

トリミングサロンで定期的にケアしている犬の場合は、オプションで肛門線絞りができるケースが多いので、小型犬や老犬の場合は月一度を目安に行ってもらうことをおすすめします。

また、中型犬や大型犬についても、全ての犬が排便時に分泌液を自力で排泄できるわけではないので、分泌液が溜まっているようであれば、肛門線絞りをしてあげることをおすすめします。

肛門線絞りをしてあげたい犬
・小型犬や老犬
・頻繁にお尻を床や地面にこすりつけるような姿が見られる犬
・お尻から普段と違う独特な異臭がする犬

中型犬や大型犬で肛門線絞りに慣れていない犬の場合は、ストレスの原因になるので便と一緒に分泌液が出ているようであれば、無理に人の手で絞り出す必要はありません。

日頃から、愛犬の様子やお尻の臭いをしっかりと確認して、肛門線分泌液が溜まっていないか確認してあげることが大切です。

犬の肛門線絞りをしないとどうなる?

肛門線の分泌物を自力で排泄できない犬に肛門線絞りをせずにいると、様々な健康被害が及びます。

ここでは、肛門線絞りをしないとどうなるかについてご紹介します。

肛門線に炎症が生じて生じて肛門線炎になる

便と一緒に肛門線の分泌液を排泄できない犬については、分泌液が溜まり続けることで肛門腺に炎症が引き起こされて「肛門腺炎」が生じます。

肛門線炎を放置するとお尻の皮膚が裂けてしまう

肛門線炎を放置すると、化膿が生じて犬のお尻部分の皮膚が破けてしまうことがあるので注意が必要。

この状態を「肛門腺破裂」と呼びますが、ここまで進行してしまうと痛みも生じるので、日頃から肛門線が溜まっていないか確認することが大切です。

愛犬のお尻から異臭がする場合は、早めに肛門線絞りを行いましょう。

自宅で愛犬に肛門線絞りをする方法

ここでは、自宅でできる犬の肛門線絞りの方法や準備するものについてご紹介します。

肛門線を絞るときに準備するもの

自宅で愛犬に肛門線絞りをする場合は、ビニール手袋や犬用のボディタオルがあると便利です。

また、肛門線から出る分泌液は臭いがきつく、絞った際に勢いよく出てきます。

手や床などに付いてしまうと、なかなか臭いが取れないので、自宅で行う場合はシャンプーするときに、お風呂場で肛門線絞りをすることをおすすめします。

肛門線絞りの方法

愛犬の尻尾を上に持ち上げて、肛門がしっかりと見える状態にします。

次に、お尻の穴部分を中心として、時計の4時と8時の位置に指を添え、親指と人差し指で下から上に押し上げる感覚で、分泌液を絞り出します。

なお、肛門線絞りで指の力を入れすぎると痛みが生じるので、適度な力加減で絞りだすことが大切です。

また、分泌液は勢いよく出ることが多いため、愛犬の肛門付近をティッシュなどで覆いながら絞ることをおすすめします。

分泌液は臭いが強いので、最後に愛犬のお尻周りをしっかりと綺麗にしてあげましょう。

肛門線絞りの頻度

犬の肛門腺絞りの頻度は1ヶ月~2ヶ月に1度が目安ですが、肛門線が溜まっていない犬については肛門線絞りをする必要はありません。

犬によって肛門線の分泌液が溜まる頻度は異なりますので、愛犬の肛門から異臭がしたり、床や地面にお尻を擦りつけるような様子が確認されたら肛門線絞りを行いましょう。

なお、体が弱っている老犬や筋肉量の少ない小型犬などは、1ヶ月~2ヶ月に1度を目安に定期的に肛門線絞りを行うことをおすすめします。

犬の肛門線絞りの注意点
力を入れすぎると痛みを伴うので、愛犬が嫌がる場合は動物病院や肛門線絞りに慣れているトリマーにお願いしましょう。

犬の肛門線絞りの値段相場は500円程度

犬の肛門線絞りに慣れていない方は、動物病院やトリミングサロンで行ってもらうと良いでしょう。

獣医師によっては、肛門線絞りの方法を教えてくれる方もいるので、慣れるまでは獣医師が実際に肛門線絞りをしている様子を見せてもらうことをおすすめします。

犬の肛門線絞りの値段相場

犬の肛門線絞りの値段は、動物病院、トリミングサロンともに500円前後が相場です。

動物病院で病気や検査などで他の処置を行う場合は、無料で肛門線絞りを行ってくれるケースもあり、トリミングサロンについても、トリミングのセット価格に肛門線絞りが含まれているケースがあります。

愛犬の肛門線絞りだけで動物病院やトリミングサロンに連れて行くのは、愛犬にもストレスが生じやすいので、トリミングや健康診断、何かしらの治療などをしてもらうときに一緒に肛門線絞りをしてもらうと良いでしょう。

愛犬の肛門から臭いがする場合は、早めに肛門線絞りをしよう!

今回は、愛犬の肛門線絞りの方法や頻度、肛門線絞りをしないとどうなるかなど、幅広く紹介しました。

肛門線の分泌液を自力で便と一緒に出すことができない犬については、肛門炎や肛門破裂の危険性があるので定期的に肛門線を絞ってあげましょう。

なお、うちのトイプーでは犬のケア方法について様々な情報を紹介しておりますので、興味がある方は【犬のケア方法カテゴリー】をご確認ください。

最後のバナー
監修者:望月 紗貴

うちのトイプー開発責任者。犬の管理栄養士、愛玩動物救命士、ペット看護士資格、ペット介護士資格、ペットセラピスト資格、ドッグトレーニングアドバイザー、ドッグヘルスアドバイザー、その他上級食育士、アレルギー対応食アドバイザーなど、数多くの資格を保有。過去にドッグトレーナーとして働き、現在は愛犬ゴールデンレトリバー、ドーベルマン(元保護犬)、ボルゾイ、ボーダーコリー、愛猫3匹と暮らす。愛犬バーニーズマウンテンドッグの腫瘍発覚後から、長年の間犬の生物学を学ぶ。

公式HP:https://true-dog-lover.com/

Share this on